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「特定疾患管理料:三疾患除外」への対策・その5・傷病名マスターの研究(高血圧症についての考察)

この記事も【その4・糖尿病についての考察】と同様に6月までに確認すべきことを書き出しておく忘備録的な記事となります。

この記事を作成するにあたって「特定疾患管理料:三疾患除外」・その4で記載した手法で厚労省診療報酬情報提供サービスで情報提供されている現行の傷病名マスターの【.txt】形式データを【.csv】形式に変換し、検索作業が容易となるようにまず加工しています。

【診療報酬情報サービスのトップページ】なぜか紅葉したモミジ

下の表1の見方ですが、左の欄に検索ワード、右の欄に検索ワードに該当する傷病名の数を示しています。検索ワード[なし](つまり全傷病名)では 27,385 もの傷病名があります。

表1

[高血圧] 単独で検索ワードを入れて検索すると [高血圧]:69 の傷病名が、[特定疾患+高血圧] 二つの検索ワードを入れて検索すると [特定疾患+高血圧]:36 の傷病名があります。下の表2の見方ですが [特定疾患+高血圧]:36 のすべての傷病名を一覧表示しています。厚労省診療報酬情報提供サービスが表示する順で↓↗↓の並びとなります。50音順ですね。

表2

この並びでは考察も難しいので並び替えてみます。表2の [高血圧] という文字列を含む [特定疾患] である36傷病名を分類して並び替えたものが図1です。悪性高血圧症候群の診断基準に腎不全合併がありますので、悪性高血圧症は腎疾患腎機能関連に(この記事では)分類しました。

『中小零細医療機関で高血圧症系の疾患が特定疾患療養管理料が算定できる疾患として温存されるか?』を考察する目的で筆をすすめています。したがって、高血圧救急疾患を定期的に外来管理するのは現実的ではありませんので、この7傷病名、そして眼科医が管理するであろう眼科領域の4傷病名、あわせて11傷病名を除く4群25傷病名(本態性高血圧症の群:4傷病名、心不全心機能関連高血圧症の群:5傷病名、腎疾患腎機能関連高血圧症の群:10傷病名、内分泌関連高血圧症の群:6傷病名)を考察の対象にします。

図1

本態性高血圧症の群:4傷病名、心不全心機能関連高血圧症の群:5傷病名は循環器内科医が主に管理する疾患でしょう。現実的には本態性高血圧症の群:4傷病名は循環器内科以外の一般内科医も管理しますし、ひょっとすると外科系の医師が管理しているケースもあるでしょう。
腎疾患腎機能関連高血圧症の群:10傷病名、内分泌関連高血圧症の群:6傷病名は、それぞれ、腎臓内科と循環器内科、内分泌内科と循環器内科、の境界域の疾患と考えて良いでしょう。

【その4・糖尿病についての考察】でも考察しましたが、「高血圧症」単体だけが特定疾患療養管理料が算定できなくなるという改定は想定しにくく、最もぬるい改定であっても、本態性高血圧症の群:4傷病名が特定疾患療養管理料を算定できる疾患としてその位置を保ち続けることは無いと推測します。
あとは、心不全心機能関連高血圧症の群:5傷病名、腎疾患腎機能関連高血圧症の群:10傷病名、内分泌関連高血圧症の群:6傷病名のうち、どの群が特定疾患療養管理料を算定できる疾患としてその位置を保ち続けることができるのか?が焦点です。原発性アルドステロン症という高血圧症を呈する内分泌疾患も特定疾患ではないことからも、内分泌関連高血圧症の群:6傷病名は特定疾患としての位置を維持することは困難であろうと推測します。
ある群だけを除外した、もしくは除外しなかった場合の各標榜科の不平等感を考慮すれば、内分泌関連高血圧症の群:6傷病名が除外確定であれば、すべての群つまり25傷病名が除外されるのだろうという結論に至ります。

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