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今この瞬間を楽しむ!長靴下のピッピとマインドフルネス

スウェーデンに住んでいると、一度は目にしたり耳にしたりする名前があります。それは「長靴下のピッピ(Pippi Långstrump)」。
ピッピは、スウェーデンの国民的な児童書の主人公で、作者アストリッド・リンドグレーンによって生み出されました。

ピッピの自由で独創的な生き方は、子どもだけでなく大人にも愛され、何十年にもわたり世界中で読み継がれています。
スウェーデンの子ども達のなかには、ピッピをまねて同じ格好をしたがる子も多くいます。

実は、マインドフルネスを実践する中で、ピッピのキャラクターから学べることはたくさんあります。
今回は、ピッピの魅力を紐解きながら、彼女の生き方がどのようにしてマインドフルネスとつながっているのか、書いていきたいと思います。

ピッピの特徴とスウェーデン人に愛される理由

ピッピは9歳の女の子。
赤髪を両サイドに三つ編みしてツンとはねさせ、顔中にそばかすが広がっています。
彼女のトレードマークは、長靴下と大きな靴。
どこか奇抜でユニークな見た目は、一目で印象に残ります。

でも、ピッピが愛される理由はその見た目だけではありません。
彼女はだれもが驚くほど自由な心を持ち、常識にとらわれない発想で毎日を楽しんでいます。
親と離れて暮らしながらも、寂しさを感じさせないそのたくましさ。
そして、どんな状況でも自分らしさを失わず、独立心旺盛でありながら友達思いの優しさも兼ね備えています。

さらに、彼女の家族ともいえるユニークな仲間たちもピッピの魅力を引き立てています。
彼女と暮らすのは、親友のようなサルのニルソンと、家の庭にいる堂々とした馬。
ピッピはこの動物たちとともに、まるで小さな城の主のように自立した生活を送っています。
この仲間たちが一緒にいることで、ピッピの物語はさらに温かみと楽しさを増しているのです。

設定自体がもう、ぶっ飛んでしまっているのですが、スウェーデン人にとって、ピッピは「自由でいること」「自分らしく生きること」の象徴のような存在。
彼女は社会のルールや価値観に縛られることなく、自分の人生を伸び伸びと思いのまま生きています。
そんなピッピに、多くの人が憧れや尊敬を抱き、愛してやみません。

ピッピとマインドフルネス

ピッピの生き方は、マインドフルネスの実践に通じる部分がたくさん。
例えば、彼女は常に「今」に意識を向けています。
未来を憂いたり過去を悔やむのではなく、目の前の瞬間を存分に楽しむ姿勢が、彼女の日常からうかがえます。

ある日のこと。ピッピは友達のトミーとアニカと一緒に野原で遊んでいました。アニカが「こんなことして怒られないかな?」と不安そうに聞くと、ピッピはこう答えました。

「怒られるかどうかなんて、考えても仕方ないじゃない?今楽しいなら、それでいいのよ!」

この言葉は、私たちがマインドフルネスを実践するときに大切な教訓となります。
不安や恐怖に囚われると、今この瞬間を楽しむことが難しくなります。
ピッピのように、目の前の喜びに意識を向けることができれば、心はもっと軽やかになるでしょう。

さらに、ピッピは自分自身をありのまま受け入れています。
そばかすだらけの顔やちょっと変わった格好は、ともすれば周囲の子ども達にからかわれかねません。
でも、彼女は周りの目を気にせずに、いつでも堂々としています。
自分に正直でいる彼女の姿は、「自己受容」の大切さを教えてくれます。
自己受容はマインドフルネスの核心ともいえる考え方。

ピッピから得られる勇気

ピッピの物語を読むと、不思議と元気が湧いてきます。
それは、彼女の言葉や行動に勇気づけられるからではないかと思います。

例えば、ピッピは「大人だから偉い」とも「大人の言うことが正しい」とも思っていません。
どんな人に対しても対等に接し、必要とあらば自分の意見をしっかり伝えます。
その芯の強さは、私たちが普段の生活で直面する困難やプレッシャーに立ち向かう勇気を与えてくれるように感じます。

また、ピッピの冒険心も大きな魅力の一つ。
失敗を恐れず、常に新しいことに挑戦する姿勢は、まさにマインドフルな生き方そのもの。
ピッピが繰り広げる冒険は、私たちに「挑戦することの楽しさ」を思い出させてくれます。

日常にピッピのあり方を参考に

ピッピの生き方は、私たちの毎日にささやかな変化をもたらしてくれるヒントに満ちています。
たとえば、彼女の「今を楽しむ姿勢」を思い出して、日常の中で小さな幸せを意識的に見つけてみるのはどうでしょうか?
公園で咲いている草花を眺めたり、子どもたちの笑い声に耳を傾けたりすることで、気づかなかった喜びに出会えるかもしれません。

また、彼女のように自分をありのまま受け入れることも、心の平穏をもたらすでしょう。
完璧である必要はなく、他人と比べることもやめて、「これが私なんだ」と自分自身を認めてみる。
そのシンプルな行動が、驚くほどの解放感を与えてくれることがあります。

さらに、ピッピの冒険心に触発されて、小さな挑戦を日常に取り入れるのも素敵な方法。
新しい料理を試してみたり、普段通らない道を歩いてみたり。
そんなちょっとした冒険が、日常を少しだけ特別なものに変えてくれそうです。

長靴下のピッピは、子どもの本でありながら、大人の私たちにも大切なことを教えてくれます。
自由でいること、今を楽しむこと、そして自分を愛すること。
彼女の物語には、マインドフルネスのエッセンスがたくさん詰まっています。

ピッピのように、自分らしく、今という瞬間を生きることができたら、毎日はもっと楽しく、もっと豊かになるでしょう。
この記事を読んでくださった皆さんが、ピッピの生き方に少しでも勇気をもらい、日々の生活に取り入れるきっかけになれば嬉しいです。



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