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静けさに包まれる北欧の冬の森

我が家のすぐ裏には、こじんまりとした森があります。

今の場所に引っ越す前、同じエリアで他に3つの物件に足を運びました。

どこにもそれぞれ良い点とちょっとどうかな?という点がありましたが、今の場所に引っ越しを決めた大きな理由はこの森でした。

今の場所に住むようになって、もう8年ほどが経ちますが、今でもこの場所に引っ越してきてよかったなと思っています。

「森はどんなシーズンに入っても心地よい!」と言いたいところですが、真夏だけは正直厳しい……

よほど風の強い時でない限り、森では大量の蚊に襲われます。

夏の森には、いいところが沢山あるのに、蚊に負けて足が遠のきがちになる無念さ……

その点、冬の森は安心。
寒さに限界を感じるまで楽しめますからね。

冬の森に足を踏み入れると、まずその空気の違いに気づきます。

キーンと張り詰めた冷たい空気が、鼻腔を通り抜けるたびに心と体を目覚めさせてくれるような感覚がとっても心地いい。

一歩踏み出すごとに雪がぎゅっと音を立てるのを聞きながら、その感触を感じるのもたまりません。

澄み切った冬の空気を胸いっぱいに吸い込むと、日々のちょっとした心配事なんかはどこかに吹っ飛びます。

冬の森は、夏のそれとはまったく異なる表情を見せてくれ、それはそれでとても魅力的。

夏の森は生命力に満ち溢れ、葉のざわめきや鳥たちのさえずりが響き渡り、虫たちもあちらこちらに出没。

一方、冬の森はそのエネルギーを内側に秘め、静寂の中に厳かさが漂い、雪が積もった木々の姿からは、自然のたくましさと美しさを垣間見ることができます。

また、冬の森には不思議なワクワク感が……

降り積もった雪に反射する光はまばゆくて、その静けさの中には、森の妖精がひょっこり姿を現しそうな雰囲気を感じます。

そんな冬の森は、「今この瞬間」を感じる喜びと、未知への好奇心を掻き立てられる不思議な空間。

森の奥深くに進むにつれて、ふと「見守られている」という感覚が芽生えることもよくあります。

風で揺れる木々の枝や静かにそびえる太い幹が、なんだかそっと安心させてくれるよう。

そんな時は、森が少し神社の雰囲気と似ているなと感じることがあります。

日本の神社で感じる厳かさと癒しを、スウェーデンの冬の森でも同じように感じられる不思議。

それはまるで自然と繋がる瞬間が、どんな場所や文化においても普遍的な力を持つということを教えてくれているようでもあります。


冬の森で深呼吸をすることは、自然と調和する感覚を取り戻すマインドフルネスそのもの。

冷たい空気が肺に染み渡り、吐く息が白い靄となって外気に溶けていくたびに、誰もが大きな生命の流れの一部であるということを思い出させてくれます。

この瞬間だけは、過去の後悔も未来の不安も消え去り、「今ここ」に集中。

冬の森が教えてくれる自然の真理を感じながら、呼吸を深くすることで、日常に戻ったときの自分の背筋がシャキッと伸びたような感じがします。

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