森散歩でステキなおばあさまとすれ違う
今回は、森散歩回。
朝食後にベランダでのニャルソックを終え、ベッドで気持ちよさそうに眠る猫を置いて、まだ雪が結構残る森へ散歩に出発。
セーター2枚重ねに下はスキーズボン(ていうのかな?)を履き、防寒はバッチリ。
森へ行くまでは、除雪された道が凍っていて、ちょっとしたスケートリンクのよう。
毎年冬にはどんなに気をつけていても転ぶ。
この冬はまだ転んでいない。
あぶない場面は何度もあった。
でも、まだ転んではいない。
冬が終わるのはまだ先。
今日転ぶのは、まだ早い。
というわけで、かなり慎重にペンギン歩きでちょっとづつ進む。
すぐそこの森なのに、なんかいつもよりも遠い気がする。
森まで行くと雪はしっかりと残っていて、足を踏み入れるたびに、まだ固く締まった雪がザクザクとよい音を立てる。
森の静寂の中では、その音が不思議と、とっても心地よく感じられる。
深い静けさの中、耳に入ってくる小鳥たちの鳴き声。
スウェーデンの厳しい冬に耐えている彼らには頭が下がる。
足を止めて顔をあげれば、ブラックバードが枝から枝へと飛び移る姿も目に入る。
キツツキも白樺の木のかなり上の方でコツコツしてる。
通常の散歩道を外れ、森の傾斜を登っていく。
雪の上には、夜の間に付けられたであろう野ウサギや鹿 (かな?) の足跡が点々と続いていた。
動物たちが森の中をどのように歩き回り、どんな夜を過ごしたのか、想像を巡らせるのはちょっと楽しい。
そんな朝の散歩で見かける人はほとんどいなかったけれど、ひとりだけ70代後半くらいに見えるおばあさまとすれ違う。
年齢を感じさせる少し不安定な足取りながらも、スキーのポールのようなステッキを両手に持ち、マイペースで着実に前に進んでいく姿が印象的。
すれ違い際の挨拶で交わした笑顔はステキだった。
その姿に、年を重ねても彼女のように自然の中で体を動かし、季節の移ろいを感じられるようでありたいなと感じた。
そのためにも、日々の暮らしの中で無理なく継続できる習慣を作り、森や自然を敬って、自然との関わりを大切に生きていこうと改めて思う。
30分ほど歩き続けると、寒さを感じていた体も徐々にポカポカと温まってきた。手袋を外しても心地よく感じられるようになり、ひらけた場所に設置されたベンチでひと休み。
曇り空の向こうから差す淡い光は、まるで夕暮れ時のよう。
目を閉じて、森の空気を胸いっぱいに吸い込む。
あたりで鳴く鳥の声や風の音が聞こえてくる。
森の木々に意識を合わせていると、ちょっと違う世界に迷い込んだかのような不思議な感覚に包まれる。
自然と一体となれるような、そんな贅沢な時間は貴重。
ちょうど森散歩に出かける前に、目から取り込む午前中の自然光がどれだけ重要か、というような話をラジオ感覚で聴いていた。
急がず、焦らず、自然のリズムに寄り添いながら生きていくことは、今後も大切にしていきたいなと改めて感じる散歩時間だった。