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冬の鳥たちとマインドフルネス

スウェーデンの冬は、静かで穏やかな時間が流れる季節。
一面の雪景色に包まれた森や凍った湖、短い日照時間の中で空に広がる淡い光。そんな中、私たちの目を楽しませてくれるのが、庭先やベランダに訪れる鳥たちです。

鳥たちと触れ合うひとときは、マインドフルネスの実践にぴったり。
自然と心を通わせる瞬間は、忙しい日常から解放されて「今この瞬間」を味わう大切さを教えてくれます。
今回は、スウェーデンの冬を代表する鳥たちや、彼らを観察することで得られるメンタル面での恩恵などついて書いていきたいと思います。


冬を彩る鳥たち

冬のスウェーデンでは、鳥たちを比較的近くで見ることができます。
その理由は、多くのスウェーデン人が庭先やベランダに餌を置いておくから。
その餌場を鳥たちがみつけると、たちまち彼らの小さなコミュニティが形成され、その観察が私たちの心を和ませてくれるのです。

どんな鳥がやってくるのかというと……

スズメはどこにでもいる親しみある鳥で、冬の間もその元気なさえずりは健在。餌台にやってきては仲間とチュンチュン楽しそうに羽を休める姿を見ると、互いに支え合う小さな社会を垣間見ることができます。

シジュウカラは鮮やかな黄色い羽を持つ冬の風物詩ともいえる鳥で、器用に逆さになって餌をついばむ可愛らしい姿が印象的。
その元気いっぱいな動きを見ていると、自然と笑顔になってしまいます。

ヤマガラは美しいブルーの羽とオレンジの綺麗な体が目を引く鳥。
自然の中で生きるたくましさに感動を覚えます。

そして、木をつつく音が聞こえたら、それはアカゲラ(キツツキの仲間)。白と黒の模様に赤いアクセントが特徴的なこの鳥は、森の鼓動を感じさせる存在。
雪の中でその姿を見ると、不思議と心がほっと温かくなります。


鳥たちに喜ばれる餌

冬は食料が不足するため、鳥たちにとって人間が用意する餌は重要な生存源。スウェーデンの庭先やベランダでは、ヒマワリの種が多くの鳥に好まれています。また、ナッツも脂肪分が高く、特に寒い冬にはエネルギー補給に最適。
さらに、脂身のボールを用意すると、シジュウカラやヤマガラのような鳥たちが特に喜んで訪れます。
そして、乾燥ミミズも栄養価が高く、鳥たちにとって貴重な食料となります。
これらの餌を用意し、小さな餌小屋や吊り下げる仕掛けを作ることで、鳥たちとの触れ合いを楽しむことができます。

大型スーパーやホームセンターのようなところには、必ずといっていいほど、この鳥たちの餌が売られています。

脂身のボールとナッツ、ヒマワリの種は購入したことがありますが、大きなバケツいっぱいに入れられた乾燥ミミズにはまだ手が出せません。

鳥たちが喜ぶことは分かっていますが、あの見た目がちょっと厳しい……。

庭やベランダの鳥たちを静かに観察していると、彼らの仕草や表情が驚くほど豊かで、自然の生命力に圧倒されることがあります。
そして、寒い冬の中でも、彼らの活発な動きや仲間との交流を見ていると、心がじんわりと温かくなってきます。


鳥を観察することが心に与える影響

冬の鳥たちを眺める時間は、マインドフルネスの視点から見てもとても有益。日々の忙しさの中で、私たちはしばしば過去の後悔や未来の不安に囚われがちですが、鳥たちの動きを観察することで「今」に意識を向けることができます。

鳥たちの穏やかな動きやさえずりは、自然そのものの癒しの力を感じさせてくれます。
特に、外の冷たい空気を感じながら鳥たちを見守る時間は、気分を落ち着ける効果があると言われています。
また、鳥の観察は注意深い行動を必要とするため、私たちの心は「今ここ」に集中し、雑念が自然と消えていきます。
その結果、心の安定と集中力の高まりを感じやすくなります。

さらに、鳥たちは季節の変化や自然のリズムと密接に関わっています。
その姿を見ることで、私たち自身も自然の一部であることを再認識。
自然との一体感を感じる時間は、心に深い安らぎをもたらしてくれます。


スウェーデンの冬の自然は、人間に静かな癒しを与えてくれます。
その中で、鳥たちとの触れ合いは、心の中に温かさをもたらしてくれる大切な時間。

餌を用意し、彼らがやってくるのを待つ間、私たちの心もゆっくりと落ち着いていきます。
鳥たちが元気に飛び回る姿を眺めていると、日々の小さな悩みが少しずつ消えていくのを感じられるかもしれません。

ちょっとした時間ができたら、パンくず持参で、お散歩がてら暖かくして出かけてみるのはどうでしょうか?
公園のベンチなどでひとやすみしながら、鳥たちの観察をしてみると心が落ち着いてくるかもしれません。

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