見出し画像

今熱い、シビックテック新世代

最近、学生のシビックテック活動への参加が盛り上がっています。「ちょっと手伝っている」とかいうレベルではなく、プロジェクトをしっかりとリードするレベルで活動しており、まさにシビックテック新世代として頼もしい限りです。

現在「Civictech Challenge Cup U-22」という、学生による学生向けの社会課題解決型コンテストが行われているのですが、そのコンテストの一環として、COVID-19対策で活躍した学生エンジニアとさくらインターネットの田中邦裕社長がプレゼンとディスカッションを行うイベントが開催されました。(イベントページはこちら

学生を中心に100名近くが参加し、大変盛り上がりましたので、その模様を中心に次世代の活躍についてお伝えしていきたいと思います。

当日の模様は、下記の動画や Togetter まとめからも閲覧できます。

COVID-19に挑んだ学生エンジニア大集合!〜さくらインターネット田中社長と考えるこれからのシビックテック〜まとめ2020/08/13 19時〜21時に行われた、学生たちがシビックテックの経験について語るイベントのまとめです。各自の活動togetter.com

各地の新型コロナ対策サイトの多くは、学生に支えられている

東京都の新型コロナウイルス対策サイトのオープンソース化をきっかけに始まった各地の新型コロナウイルス対策サイトですが、実は多くの学生が開発に関わっています。今回も、滋賀県、新潟県、三重県、兵庫県などに関わった高校生がライトニングトーク(LT)をしてくれました。すごいのが、ただ関わったというよりも、きっかけを作ったり立ち上げの中心人物になっている人が多いところ。中でも三重県版を立ち上げた弓削さんは、サイトを作っただけでなく、先生などを巻き込み三重県庁ともやりとりを行っています。関わったメンバー全員が学生だったということで、他の地域にも大きな影響を与えました。

派生版を作る時に多くの人が参考にしたであろう以下の記事を書いた人でもあり、多大な貢献をしています。

私が直接知っている限りでも北海道や山口県版にも学生が関わっていますし、イベントの司会である渡邉さんは東京都版のメインコントリビューターをしています。

一方、日々のデータ更新が自動化できていない地域では日々の更新作業を学生が担っているという点は、課題だとも感じました。学業に影響が出たり、他にやりたいことを我慢しなくてはいけない状況は避けなくてはいけません。データ更新であれば分担できたりするはずなので、大人の助けも必要なのではと感じました。ぜひ周囲も気にかけていただきたいです。

接触確認アプリへ貢献した人も

また、東京都派生版の取り組み以外にも、接触確認アプリ(COCOA)のオープンソース版リポジトリに貢献した高校生 あんはるさんや、感染防止の取り組みや医療従事者への感謝の気持ちをシェアするツール Yobikake を作った野崎さんなども発表していました。

私が特に感動したのは、あんはるさんが接触確認アプリに貢献しようと思ったきっかけ。

画像2

「そんなに原動力とかモチベーションというほどのものはなくて、たった一行でも更新すれば貢献になるので、何か改善点があったらやってみようかなという気持ちで参加した」と語っていて、この自然体でオープンソースリポジトリにコミットできる感覚は本当に素晴らしいと思いました。

コラボレーションネイティブな世代

他にも大変興味深いLTがたくさんあったのですが、Code for Japan でインターンをやっており、今年の2月からプログラミングを初めたという、八谷(やたがい)さんが素晴らしいことを言っていたので共有させてください。画像2

「かっこいいから」という気持ちでプログラミングを初め、プログラミングスクールで学び、いろいろなエラーをなんとか乗り越えて、今では npm モジュールを公開するくらいまで成長した彼ですが、書いていたコードのクオリティについて、ツイッターなどで結構心ないコメントなどももらったようです。「そんなことをやっていたら初心者が減っていってしまうから、やめたほうが良い」と思ってのこのスライド。

ちょっとした間違いに対してマウントを取りに行く心の狭い技術者が多い中、なんという素晴らしい心がけでしょうか。ググレカスとか使いたがるみなさんは反省しましょう。

新世代を応援しよう

とにかくみんな発表もうまいし、シェアしてくれた事例や発言もとても素晴らしかったです。このような時期にシビックテックに触れ、経験した学生達が将来社会に出ていくのが楽しみでなりません。Over22 の皆さんも、ぜひ動画を見て、刺激を受けていただければと思います。

今回のイベントを含む、一連の Civictech Challenge Cup u22 は、企画から運営まで全てを学生が中心となり行っています。「インターンの機会を失ってしまった学生の助けになりたい」というコンセプトで、絶賛エントリー募集中です。

応援いただける企業も募集中ですので、学生を応援したい企業の方はぜひご連絡ください。

最後になってしまいましたが、ご講演いただいたさくらインターネットの田中社長、素晴らしいお話をありがとうございました。クリエイティビティが大事な時代であり、
* やりたいことをやる
* いまやるべきことをやる
* じぶんらしくある
の3つを忘れずにいこうという講演は学生にも響いたようです。

学生も大人も、この夏はぜひシビックテックを初めてみましょう!
Happy Civic Hacking!

いいなと思ったら応援しよう!