未発表の詩を書き溜める必要が迫っているような感覚がある。
寒波季節に鯉は三匹 こちらにおられましたでしょうか 水面に映る枯れ木は明度も増して美しい。 木々に咲いた花に目を奪われていると 足元に気づくことはない。 残された フィルムを眺める そこには ベンチがあった わたしはいつかそこに座ってみたいと思う いつもの時間だろう なにをするわけでもなく ただ腰をかけてみたい
わたしは植物や花の名前に疎い 梅の花が咲いていた 明日雪が積もって潰れてしまうのは あまりに儚い どうか持ちこたえられますようにと それでも 次にこちらに来る時には また別の花が咲いている その結末を知ることはないのだ お元気でと言って別れた日の朝に 曇天の寒空に咲いていた花
詩の一編も書かずに一月が終わる あと三日もあるではないかと そんな間に合せで 創られたものなどいらぬ 日誌とは違う その性質を大切にしていかなくては
追憶を眺めていたら そこにはちゃんとあった 思い出せた 触れたことがあったこと その日がいつだったのか まだわからない 感覚と暖かさが 確かにあった ずっと思い出せずにいた なかったことだと信じていた それがあったのだ 懐かしく暖かい日 また忘れてしまわないように #最近の学び
シアトリカルな黒 歪む鉄骨 音の波紋 あの美しいひとが僕の知っているひとならばそれほど嬉しいことはない 熱した鉄を飲みこんだはずなのに 美しさはそのままでいきいきとして芽吹いている。 あの美しいひとが私の知っているひとならばこれほど嬉しいことはない
普通の生活がしてみたい 週5で学校に通ったり、週5で昼間お勤めしたり 家族を持って 陰口を言って 健やかで 穏やかな日常が続いていく。 何一つ叶うことはない 現世ではもう何一つ叶うことは無理なのだ 生きる理由は特にない ないのが当たり前でしょう それでもくたばる勇気がないから のんべんだらりんと 時間がすぎるのをただ待ち続けている。
何がしたいのか?ともし問われることがあるとすれば、 わたしはすべてを手に入れたい とでも答えようか 強欲でしょうが、神様はいないので地獄に落ちることもなし
落ち込んでいたい気分の時がある 涙を流していたいから予定になかった映画でも見に行こうか 群馬の詩人が好きだ 私のルーツがそこにあるがゆえの冒涜な既視感に囚われているだけだという醜さは拭いきれない
天上から映り出される世界を頼りに 知らない街に向かう 見慣れたチェーン店の地域の店舗名は そんな時にとても役立つ 住宅街に入り込む 思いの外早く辿り着けた 食事を控えめに、お化粧をしてもらい、新しい耳飾りをつけた これはお気に入りで、フランスで買い付けた古いボタンで作られたそうだ。 なびく白いシャツはどのように仕上がるのか 400近くからのセレクトは終わり まだその、先には辿り着けない
真夜中3時半目が覚める もう眠るのもいやで からだはせわしない コンビニに切手を買いに行く 用事はなんでも良い 誰もいない道はやはり美しいもので 街灯の灯りがよく見える 呂律が回っていないらしく 見覚えのないタバコを出された 帰りには遠くからバイクの音 すれ違う またバイクの音 新聞屋さん
ひとりより そとの世界の 孤独さは うちにこもるに ふさわしきかな
雑踏に 彷徨うわたし 人並みは 嫉妬くらいか それいじょうか
こわがられ 忌み嫌われ 外される 嫉妬深いと あの空さえも
雨のなか 歩く私は 後悔と 邪悪のなかで 夢を見る
甘いあめ それがなにかと わからずも 触れる痛みに 生を感じる