真冬の凍てつく大地をただ歩いた記録
当たり前に凍てつく景観
氷の打ち上がる海岸
たいして人の乗っていないたった一両の汽車が広大な大地をとことこ走っていく
そいつに乗る
汽車はしばし海岸線を行く
小一時間揺られて降りる
そしてひたすら真っ直ぐな道を歩く
途中3枚目のような景観を見下ろせる丘に寄り道したりしつつ歩き続ける
枯れた景色の向こうの海沿いを貨物列車が行く
当たり前に凍てつく景観がひたすら続くのを横目に歩く
都市間を結ぶ国道。車はそれなりに通過していく。
だけれど歩く人とすれ違うことは終日なかった。
その国道から曲がった道。なにかしらの獣の足跡こそあるものの、人のそれは全く無い。明け方以降に一度道を慣らしてはいるのだろうけれと、少なくともそれ以降ここを歩いた者など誰もいないようだ。
海岸へと続く道
駅入口。ただしこの駅はまもなく駅としての役割を終える
かつて人の住んだなにか
時間の経過に寄り崩れたなにか
そんなものばかりが並ぶ駅前
少し前に映画のロケ地として用いられ、そのセットとして造られた建物
煤けたガラスに夕焼け
なにもないだれもいない
自分の足跡だけが残る道の向こうがただ暮れていく
ぐるぐる歩いてやっと駅
たった一両のたいして人の乗っていない汽車が来て
去っていく
あっというまにまた静寂に包まれる
これでもたいして寒くはないという終日氷点下な冬の道東の一日になんとなく尺別観光。人はいない。駅もなくなる。ただそれでも、車とかなくても、まだここへは隣の音別駅から歩こうとも思えば歩ける程度の距離にある。そして歩く道中では様々な北の大地らしい景観をこれでもかと味わうことができる。