裸玉の検討追加、及び【清貧双裸玉】二重の限定合の罠とか。
|3一玉|角角金金銀香歩の検討NOTE(2手逆算)を追加しました。
|2二玉|角角金金香歩、 15手 、 岸本雅美 氏、 王将天狗 1964-11
|3一玉|角角金金銀香歩、17手、はる筆線屋、NOTE 2020-4-21
先人ってすごいですよね。
|3五王|1四玉|飛角歩歩
【手順】
▲2四飛 ▽1五玉 ▲2五飛Ⓐ ▽1六玉
▲2六飛Ⓑ ▽1七玉 ▲1八歩 ▽同 玉
▲1九歩 ▽同 玉 ▲7三角Ⓒ ▽1八玉
▲2八角成 まで13手
Ⓐ:限定合逆王手の妙防が隠れている
Ⓑ:歩切れを衝く限定合が隠れている
Ⓒ:▲8二角、▲9一角の以遠打でも可
この清貧双裸玉は手順だけ見たらめっちゃ簡単そうに見えますけど、限定合の罠が2つも隠れています。
Ⓐ:一つ目の罠(限定合逆王手の妙防)
まずⒶの▲2五飛に変えて▲3七角としても詰みそう。▽1六玉なら▲2六飛▽1七玉▲1八歩▽同玉▲1九歩▽1七玉▲2八角までの詰みだし、▽2六歩なら▲1六歩▽同玉▲2六飛以下同手順で詰みます。万策尽きたようですが、玉方には▲1六歩を防ぐ逆王手の妙防がありました。
▽2六角なら▲同角▽1六玉▲3八角▽2七合▲1四飛で詰むので選択肢から外れます。ここでは▽2六銀が限定合逆王手となります。▲同角と取るよりなく▽1六玉と逃げて詰みません。一般的な詰将棋の創作でこんなかっこいい逃れ方が自由に組み込めたら楽しいことこの上ないでしょうね(自分にはこんなの到底無理)。
Ⓑ:二つ目の罠(歩切れを衝く限定合)
Ⓐと同様に▲2六飛に変えて▲3八角としてみましょう。▽1七玉なら▲2七飛▽1八玉▲1九歩▽同玉▲2九飛▽1八玉▲1九歩▽1七玉▲2七飛▽1六玉▲2三飛成▽1五玉▲2五龍までの詰みだし、▽2七歩合なら▲1七歩▽同玉▲2七飛以下同手順で詰んでしまいます。「んじゃ、これも▽2七銀とすれば詰まない?」と錯覚するかもしれませんれど、あれはちょうど逆王手になっていたから成立していたのでした。今は盤上の条件が変わっています。
玉方には詰方の歩切れを衝く▽2七桂がありました。こうすることで▲1七歩▽同玉▲2七飛▽1八玉▲1九歩▽同玉▲2九飛▽1八玉となったときに持駒が桂だけになるために詰みません。前に利きがない▽2七桂の代わりに▽2七角とすると、▲1七歩▽同玉▲2七飛▽1八玉▲1九歩▽同玉▲7三角▽1八玉▲2八角成までで詰むので、▽2七桂は上手いこと限定合となっています。
( ˘ω˘ ).。oO( 簡素な持駒の割には限定合で逃れになる罠が2つも隠されているという、とても満足感のある清貧双裸玉でしたね