【持駒清貧双裸玉】殷鑑不遠 20.10.30.
逆王手限定中合の紛れ
盤上に眠っていた図を揺り起こす。この前の30手台持駒清貧双裸玉以来、2例目の探索成果で今回はケチらないで作意手順を載せてある(探索成果だから作意手順と書くのはおかしいよな、と毎度ながら思う)。双裸玉は人の作意が混ざらないいわば天然の手順を見る楽しさがあるのだけど、作意手順に隠れた面白い攻防があるから探索はやめられない。例えば、下記の手順で進行したとしよう。
【仮手順】
▲3九香 ▽4二玉 ▲3三香成 ▽同 玉
▲4四角 ▽3二玉 ▲2四桂 ▽4一玉
▲7四角 ▽5一玉 ▲5九香(下図)
玉方は絶体絶命のように見えるけれども、ここで唯一の妙防手があった。▽5三桂(下図)という逆王手限定中合があって際どく詰まない。攻方の玉がいなければ▲5二角成以下簡単に詰んでしまうというのは詰将棋をかじっていればひと目だろう。
双玉詰将棋を作る際にはこの手を裏に組み込んで作図してみたいと思わせてくれる紛れだった。ぶっちゃけ、この双裸玉は初形図を発見したことよりも作意手順には現れないこの一手の方が発見であって、感動が大きかった。
では、最後におまけとして下記に作意手順を示しておこう。
【手順】
▲4四桂 ▽3三玉 ▲3四歩 ▽4二玉
▲5四桂 ▽5三玉 ▲7五角Ⓐ ▽6三玉①
▲5二角Ⓑ ▽7二玉 ▲7四香② ▽8三玉Ⓒ
▲7三香成 ▽同 玉 ▲8五桂 ▽7二玉
▲7四香 ▽8一玉 ▲6三角成 ▽9一玉③
▲7三馬Ⓓ ▽8二歩 ▲同 馬 ▽同 玉
▲9三角成 ▽8一玉 ▲7一馬 ▽9一玉
▲9二歩 ▽同 玉 ▲9三桂成 ▽9一玉
▲8二馬 まで33手詰
Ⓐ:限定打
▲8六角以遠だと▽6三玉で詰まない
Ⓑ:単一駒非限定
下の①図から▲5二角、▲4一角どちらでも可
Ⓒ:変同微キズ
下の②図(香は限定打)から▽8二玉・▽8三玉どちらでも良いから変同になるが、以降の手は変わらない
Ⓓ:単一駒非限定
下の③図から▲7三馬・▲6四馬どちらでも可
二枚飛車で遊ぶのもやってます
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