【宇宙】光は重力で曲がってんの?あと哲学とか
本エッセイはテーマ「重力」に関する物理的知識があまりない自分がイメージと偏見とを織り交ぜて語っていく物理系 "本当かどうか知らんけど" NOTEです。堂々と間違ってる部分や考え方があるはずなので、そういう体で読んでいただければと思います。興味のある方はどうぞ最後までお付き合いください。
1.古典力学で習う重力
出発点は高校物理で習う古典力学の第一歩、万有引力です。質量を持った二者間、たとえば、地球と月の間で働く引力が例に挙げられます。ちなみに、地球が及ぼす万有引力のことを特に重力と呼ぶそうですが、以降は万有引力と重力は同じ意味合いを持った言葉として使っていきますね。
初めて万有引力の大きさFを表す式を見た時、自分は「何か知らんけど万有引力定数Gがいきなり式にでてきたわ」と不思議に思ったことを覚えています。今でも式を成り立たせるために掛ける数字程度の認識しかありません。ネットを調べてみると、この定数Gの数値は未だに正確な値が求められていないそうです。その理由は重力が極端に小さくて、定数Gを測定する実験環境を作るのが難しいからなんでしょうね。
2.で、光は重力で曲がってんの?
万有引力(重力)Fの式を再掲しました。Fは質量M・mと距離rがプラスの数字なのでマイナスになることは絶対にありません。この式が意味するのは反重力なるものはSF(Science Fiction;空想科学小説)の世界の中にしかないと言うことです。ちなみにSFの呼び方は別にもあって、伊藤計劃作品のような空想科学小説に哲学的要素を取り入れた作品群も同じようにSF(Speculative Fiction;思弁小説)と呼ばれています。名前は変わらないですけど、意味合いは少し違ってるんですね。
さて、ここで一つ疑問に思うことが出てきます。光の元である光子はどうして太陽のような大きい星やブラックホールから受ける重力によって曲がるのでしょうか?質量ゼロの光子に対してこの式を適用したら、Mかmのどちらかにゼロを代入するのでF=0となってしまいます。計算式からすると光子は重力を受けないはずなのに、実際は光が重力によって曲げられて進んでいます……。これは矛盾していますよね。
3.重力の本質
この矛盾に対する一つの答えといいますか、新しい解釈の仕方を提示したのがアインシュタインでした。彼は「重力の正体は質量を持つ物体が引き起こす時空の歪みである」と考えました。宇宙系のドキュメンタリーでよく使われている説明ですが、(時空を表す)空中に張った布にボウリングなどの球を乗せた時にできる "たわみ" が重力です。下のスライド右側に描いたような凹みのイメージですね。
この状態でビー玉を投げ入れると、ビー玉はボウリングの球の作ったたわみに沿って運動し始めます。実際にはビー玉によってできる小さなたわみもありますけど、スケールが違うのでその影響は無視できるほど小さいです。そう考えると、一つの物体のたわみ圏内に別の物体が入ってきた場合、観察者は両者のたわみが相互作用した結果の運動を目撃することになると言えそうです。
このことを自分の言葉でまとめると「長い間信じられてきた物体同士に働く万有引力なる力というのは、いわば "時空布" が作り出したたわみの結果を見ているに過ぎない」という感じになります。
そうすると、冒頭の素朴な疑問「光は重力で曲がってんの?」というのは正解でもあり間違いでもあると言えます。【原因】物体の質量が時空布にたわみを作りだし、【結果】光がそれに沿って進んでいるのを見た観察者が「光が重力で曲がった」、あるいは2つの物体間に万有引力が働いていると認識しているので、答えには少なくとも原因の文言を添えておく必要があるでしょう。
4.まとめ
・古典力学の万有引力の大きさを表す式は質量ゼロのものについては計算できず、光が重力で曲がることを示せなかった
・光が重力で曲がるように見えている原因は物体の質量が作り出す時空布のたわみだった
5.哲学×物理
全く物理とは関係ないんですけど、以前に【哲学の話】クオリアと純粋経験っていうNOTEを書いたのを思い出しました。
人間の脳内で変換される前の情報のことを(西田幾多郎が提示した)純粋経験と呼び、変換されて認識できる情報(質感や感じ)のことをクオリアと言います。例えば、「赤い」という色のクオリアに対して、「赤い」という情報に脳内で変換される前(目に入っただけ)の状態が純粋経験です。生まれた時から全盲な人に「赤い」クオリアを伝えることが極端に難しいのは、それが質感や感じだからです。
このNOTEにおいては「光が重力で曲がった」「万有引力が働いている」というのがクオリアに当たり、時空布のたわみが純粋経験に相当すると感じました。まぁ両者の関係が似ているなと感じただけで特に深い意味はありませんよ。
6.個人的な重力に対する想像
最近書いたNOTEでは、重力がこんなにも小さくなった理由は「重力に関する素粒子が宇宙誕生時からずっと単独でいるから弱くなったんじゃないか?」と想像していました。今回、このNOTEを書いてて思い浮かんだのは次のようなことです。
質量を親とするならば、重力(時空布のたわみ)は子という親子関係にあります。そうなると、質量を作り出す場であるヒッグス場と、重力布が宇宙全体に広がって重量を作り出している重力場も親子関係にあるんじゃないか?と予想しました。違った性質を持つ場(世界)に存在しているという点では共通していますからね。
このヒッグス場と重力場の両者を橋渡しする場というか、媒介する場というか……そういう力場があると仮定したら1万円札を燃やして暖をとるような変換ロスが多い力場だということでしょう。そのせいで、見た目の重力は極端に弱いように見えているんじゃないか?と想像しましたね。
( 'ω' ).。oO( まぁ根拠も無いのによくここまで妄想膨らませられるよなーって感じでしょ