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【最遠双裸玉の探索】√65 19.09.16. (x3_ヽ)_

双裸玉はどれだけ遠距離のものが存在するのか?という素朴な疑問が湧いたので調べてみようと思います。最遠をどうやって決めるかですが、はじめは王が玉まで移動するのにかかる手数で分類しようと思っていました。しかし、それでは9九王|1一玉と1九王|1一玉が同じ8手ずつになってしまうので、より厳密な評価方法が必要だということに気がつきました。そこで下図のように、王と玉との距離で最遠を定義することにしました。

29 2921 飛金銀3桂2+++2

距離の計算は中学校で習うピタゴラスの定理を使います。はじめに、隣り合うマスの距離を1とします。例えば、図中において7七王|3四玉の双裸玉があるとすると、その距離ABは横幅AC=4と縦幅BC=3の二乗の和「25」の平方根(ルート)となります。距離の大小の比較は、このルート内の足し合わせた数字で行うこととします。

この評価方法を使うと、ABの取り得る範囲は最小「」(3一王|1一玉や5六王|5四玉 等)から最大「128」(9九王|1一玉や9一王|1九玉 等)まであることが分かります。現在の最高記録は「49」――9一王|2一玉|飛角金金、北原義治氏、詰パラ、1964年5月――のようですが、昨日その記録を「65」に更新する完全作の双裸玉が見つかりました。距離「65」のイメージは下図の通り、双裸玉としては結構離れています。

29 3921 飛金銀3桂2++2

ルート内の数字が大きくなっていくと、双裸玉はだんだん裸玉状態へと近づいていきます。手数が伸びると共に余詰や変長も出現しやすくなるため、完全作の発見はより困難になっていくことが予想されます。

追記:この探索においては裸玉でも成立する配置や、既存裸玉作品から逆王手を利用して4手逆算を行っただけの配置は考慮から除外しています。

そうした根拠を一つ示しましょう。
A:――2二玉|角金2銀3歩4、小沢正広氏、近代将棋、1981-11――

B:――9九王|2一玉|飛金2銀3歩4――
例えば、既存裸玉作品Aを元にして作った双裸玉Bは▲2三飛▽2二角合▲同飛成▽同玉の4手でAと似た図となり、9九王は後の詰み手順に何ら影響を与えません。

このような事態が想定されるため、最遠記録を認めるのは下記の条件
をクリアした図に限ることとします。
①:既存裸玉作品を4手逆算した図ではないこと
②:王が駒打ちの拠点や待ち駒になるなどして
詰みに参加すること

更なる探索により、この「65」を超える双裸玉が見つかるはずなので、当面の目標を「80」超えとして、引き続き探索を行っていきます。投げ銭を頂ければ、以下の非表示としている「65」双裸玉の配置と詰み手順がご覧いただけます。また、投げ銭は更なる探索のために費やします。この酔狂にご興味がある方はどうぞ。

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