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バイバイが上手くできない


父親が老いていく姿を見ると、上手に娘としての役割ができなくなる。

別れ際、何度も手を振る父の姿を見ると、泣きそうになる。たとえ3日後に父の住む実家へ引っ越すとしても。

一度帰省して部屋の掃除をした私たちは、また今の住処へ戻って、そして3日後に引っ越しの日を迎える。

父との共同生活は2年ぶり。今回は夫もいる。上手く生活が回るだろうか。

上手にできることばかりに目がいく。完璧主義の性格をいつまで眠らせておくことが出来るだろうか。わたしが頑張れば、わたしばっかりとなり、父に頼れば、申し訳なさで潰れてしまう。面倒くさい自分と他2人の共同生活が怖い。帰りたがっていたのはわたしなのに。

でも、もう父にバイバイを言わなくていいというのは少しだけ気が楽だ。

一緒に住んでいた頃、おやすみの挨拶は「バイバイ」だった。これからは「またね」にしようかな。

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