誰も言わない
誰も言わない。誰も言わないのだ。誰も言わないだけだ。きっと、多分、おそらく、メイビー。明らかに、誰も言わない。ただ、誰も言わない。誰も言わないのだ。誰も言わない。だから、誰も言わない。誰も言わないから、誰も言わない。わからないから誰も言わないのか、わかっていても誰も言わないのか。誰かが言うと思っているのか。だけど、誰も言わない。誰も言わない。誰も言わないまま、時間だけが過ぎていく。有限の時間が、一人の人生が、無情にも浪費されていく。誰も言わない。誰かが言わないので、誰も言わない。ただ、誰も言わない。誰も言わないだけ、だから、誰も言わない。誰も言わない。それだけ。
自分が書きたかったもの
仕事が忙しくて、なかなか小説が書けない。などとのたまう人間がいる。僕だ。鬱屈しているときのほうが、良い小説が書けると思う。それが何故なのかを考えると、僕は小説を通してなんともいえない自分の鬱屈した気持ちを発散しているからとしか言いようがない。つまり、僕は没入型(そんな型があるかは不明)なのだと思う。何か伝えたいことがあるわけではないが、ただ自分が感じたことや思ったことをつらつらと知らん主人公に言わせてるだけなんじゃないか、と思ったりする。多分そうで、そう考えると昔に友人から言われた「クズを書くのがうまい」というのは、ある意味では僕の性根が腐っているからに他ならないような気もする。
世の中には真面目系クズという分類があるそうだが、僕もそうなんじゃないかと考えたときもあった。ときには、僕は天才なんじゃないかと思うときもあった。つまり、日々自分は変わっていて、結局のところ、自分は何者でもなかったんじゃないか、などとぼんやりと考えている。例えば、この文章なんかは、何も考えずに書いている。伝えたいことがなくなったのか、そもそも考えることがなくなったのか。。
鬱屈した気持ちがなくなったのか、と言われればNOだと思う。でも、過去にあったどうしようもない心というのは、日が経つにつれて、どうでも良くなってしまった。日常の中の非日常が書きたくて、少し変わったひとたちが、普通の世界で生きていこうと頑張っていく話が好きで、でも今は何も浮かばないのは、結局のところ、今の僕が普通の世界で生きてしまっているからなんじゃないか。
過去の僕は世の中を斜めに見ていたし、自分の未来が不安だった。一方で、自分で決めることもできなくて、日々鬱屈とした気持ちで生きていたように思う。自分の居場所、とまでは言わないが、自分がどこで生きたら良いかも良くわかっていなかった。ところが、本当に縁というのは不思議なもので、普通の世界で生きていけるようになって、お金も貰えて、地位も貰えて、助けてくれる人がいて、むかつく人もいるけど、別にそれはどうでも良くて。変な話、普通の世界で生きていく方法を悩むことはあるけども、そもそも普通の世界での生き方を知らずに悩んでいたあの頃と比べると、やっぱり何かがとんでもなく違うんだと思う。
そして、その違いが、僕が小説を書けなくなった理由な気がしている。今の普通の世界で生きている僕が書く、日常の非日常であったり、少し変わった人たちが普通の世界で生きていこうと頑張っていく話というのは、薄っぺらくて、どこか他人事な気がする。
まだ、僕が手に入れていないものはあるだろうか。ふと考えると、やっぱり無償の愛なんじゃないかな、と思う。でも、この無償の愛っていうのも、別に要らないと思いはじめている。無償の愛がなくても、平等の愛だけでも生きていけるような気がする。そもそも、無償の愛なんて、誰もが当たり前のように手に入るものじゃなかったのかもしれない。僕は選ばれなかったのだ。そして、自分が選び与えようと思わなかったのだ。それだけの話なんだろうな。
平和な日々よ
一人暮らしをはじめてどれぐらい経ったのかわからない。多分、2週間は過ぎている。でも、実際は1週間ぐらいしか住んでいない。今日は電子レンジが届いた。明日はケトルが届く。インターネットがちょっと遅い気がする。今は、何もかも新鮮だけど、少し経ったらどうでも良くなるんだろうな、なんて思ったりする。と、考えたら明日の仕事のことが頭に浮かんだ。小説書けない原因って、絶対これだな。いろいろ悩んだり考えたりする時間が、すべて仕事に吸収されている。あれこれ書いたけど、ただ仕事が忙しいだけだった。チーズサンドイッチを作ったら、また記事を書こう。
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