白桃書房Note出張所

白桃書房は主に、経営学・経済学などの優れた研究を元にした書籍の出版を行っています。この…

白桃書房Note出張所

白桃書房は主に、経営学・経済学などの優れた研究を元にした書籍の出版を行っています。このNote出張所では、刊行書籍に関連したさまざまな情報を提供していきます。 http://www.hakutou.co.jp

マガジン

  • 『暗号資産とNFTの税務』フォローアップマガジン

    国税庁の質疑応答集やFAQに基づき、重要なものは抜粋を掲載しながら、暗号資産とNFTの税務について体系的に解説を行う貴重な書籍のフォローアップマガジン

  • 『クリエイティブ・ジャパン戦略』フォローアップマガジン

    日本のクリエイティブ産業の振興と文化政策のあり方を問う『クリエイティブ・ジャパン戦略』。フォローアップ情報を公開していきます。

  • 『エネルギー・トランジション』(白桃書房刊)フォローアップ

    エネルギーをめぐり政策や環境が目まぐるしく変化しています。 橘川武郎著の『エネルギー・トランジション』刊行後、押さえておくべきポイントを橘川先生にご寄稿いただきます。

最近の記事

暗号資産(仮想通貨)の定義-法定通貨担保型ステーブルコインの取扱い-

にわかに注目を集めているステーブルコインのステーブルは「安定した」という意味で、ステーブルコインとは価格が大きく変動しないようにブロックチェーン(分散型台帳)上で設計される決済手段をいいます。そして、価値安定の手法により、法定通貨担保型、暗号資産(仮想通貨)担保型、コモディティー担保型、無担保型の4つに分けられます。 このうち米ドルを担保にしたテザー(tether)等法定通貨担保型ステーブルコインは、令和5年6 月1日に改正された新資金決済法により電子決済手段と定義されまし

    • 関係3団体に苦言、暗号資産の税制改正の議論が盛り上がらないのはなぜなのか

      暗号資産(仮想通貨)の税制改正の議論が盛り上がっていません。それはなぜでしょうか。一言で言えば、現行税制の分析が全くできていないからです。ですから、論点を絞れていないので、その議論と提言が説得力に欠けるということではないかと思います。 日本ブロックチェーン協会(JBA)は「暗号資産に関する税制改正要望(2024 年度)」を金融庁に提出し、⑴第三者発行トークンに対する期末含み益課税の撤廃、⑵個人の暗号資産取引に対する課税方法を申告分離課税に変更し税率を一律20.315% とす

      • 暗号資産とNFTの税務にあたり、租税法の専門家の役割を果たすために

        暗号資産(仮想通貨)とNFT の税務について、SNS 上の議論の迷走が続いています。暗号資産(仮想通貨)とNFT に係る取引に現行税制がどのように適用されるかについて、暗号資産(仮想通貨)やNFT の租税法の専門家と称する方の記名投稿、匿名投稿が入り乱れています。SNS 上の議論の主流は、例えば、暗号資産(仮想通貨)やNFT に係る取引から生じた所得は、原則、譲渡所得に該当するといった納税者有利の根拠のない主張に特徴があり、正にカオスの状態にあります。 暗号資産(仮想通貨)

        • 9/26開催「グローバル化・デジタル化が進むコンテンツビジネス、日本の機会と挑戦」イベント、出版パート概要固まる!

          9月26日(木)、本屋B&Bで『クリエイティブ・ジャパン戦略』刊行記念イベント「グローバル化・デジタル化が進むコンテンツビジネス、日本の機会と挑戦」が開催されます。 このイベントでは、同書の編著者河島伸子氏(同志社大学教授)・中村伊知哉氏(情報経営イノベーション専門職大学(iU)学長)・徳力基彦氏(noteプロデューサー)という、この分野での研究業績・発信で多大な実績があるお三方に加え、出版元:白桃書房の担当編集者寺島が登壇し、コンテンツビジネスの1分野である出版業界につい

        暗号資産(仮想通貨)の定義-法定通貨担保型ステーブルコインの取扱い-

        マガジン

        • 『暗号資産とNFTの税務』フォローアップマガジン
          3本
        • 『クリエイティブ・ジャパン戦略』フォローアップマガジン
          5本
        • 『エネルギー・トランジション』(白桃書房刊)フォローアップ
          12本

        記事

          「グローバル化・デジタル化が進むコンテンツビジネス、日本の機会と挑戦」イベントが本屋B&Bで9/26(木)開催!

          下北沢でイベントなどユニークな取り組みをする書店、本屋B&Bにて、本年6月に刊行した『クリエイティブ・ジャパン戦略』の刊行記念イベントとして、「グローバル化・デジタル化が進むコンテンツビジネス、日本の機会と挑戦」を開催いたします。 モデレーターに編著者の一人、河島伸子氏(同志社大学教授)を迎え、本書の推薦コメント、また書評を頂戴した中村伊知哉氏(情報経営イノベーション専門職大学(iU)学長)、加えてコンテンツビジネスの現状に関する記事をnoteやYahooニュース個人に頻繁

          「グローバル化・デジタル化が進むコンテンツビジネス、日本の機会と挑戦」イベントが本屋B&Bで9/26(木)開催!

          敦賀2号機「不合格」の影響と、退陣する岸田政権のエネルギー政策への評価─エネルギー・トランジションをめぐる2024年7〜8月の動き

          はじめに 2024年7〜8月にも、エネルギー・トランジションをめぐって、注目すべき二つの動きがあった。 一つは、原子力規制委員会が、日本原子力発電(日本原電)の敦賀発電所2号機について、新規制基準に照らして「不合格」だとする方向性を打ち出したことである。 もう一つは、岸田文雄首相が、24年9月をもって退陣すると表明したことであり、この政権は菅政権に続き、原子力政策の「転換」やGX(グリーントランスフォーメーション)の推進に取り組んできた。 本稿では、この2点について

          敦賀2号機「不合格」の影響と、退陣する岸田政権のエネルギー政策への評価─エネルギー・トランジションをめぐる2024年7〜8月の動き

          原子力の有効活用と石炭火力退出への道─エネルギー・トランジションをめぐる2024年4~6月の動き(3)

          はじめに 2024年4〜6月にも、エネルギー・トランジションをめぐって、いろいろな動きがあった。本書(橘川武郞『エネルギー・トランジション 2050年カーボンニュートラル実現への道』白桃書房、2024年3月31日)で詳しく取り上げた閣議決定「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針 〜今後10年を見据えたロードマップ〜」(2023年2月)にもとづき、2024年5月17日、水素社会促進法(「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及ひ

          原子力の有効活用と石炭火力退出への道─エネルギー・トランジションをめぐる2024年4~6月の動き(3)

          第7次エネルギー基本計画の実現は野心的というより空想的─エネルギー・トランジションをめぐる2024年4~6月の動き(2)

          はじめに 2024年4〜6月にも、エネルギー・トランジションをめぐって、いろいろな動きがあった。本書(橘川武郞『エネルギー・トランジション 2050年カーボンニュートラル実現への道』白桃書房、2024年3月31日)で詳しく取り上げた閣議決定「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針 〜今後10年を見据えたロードマップ〜」(2023年2月)にもとづき、2024年5月17日、水素社会促進法(「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及ひ

          第7次エネルギー基本計画の実現は野心的というより空想的─エネルギー・トランジションをめぐる2024年4~6月の動き(2)

          第7次エネルギー基本計画策定をめぐる岸田政権の混乱─エネルギー・トランジションをめぐる2024年4~6月の動き(1)

          はじめに 2024年4〜6月にも、エネルギー・トランジションをめぐって、いろいろな動きがあった。 本書(橘川武郞『エネルギー・トランジション 2050年カーボンニュートラル実現への道』白桃書房、2024年3月31日)で詳しく取り上げた閣議決定「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針 〜今後10年を見据えたロードマップ〜」(2023年2月)にもとづき、2024年5月17日、水素社会促進法(「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給

          第7次エネルギー基本計画策定をめぐる岸田政権の混乱─エネルギー・トランジションをめぐる2024年4~6月の動き(1)

          日本のエネルギー政策は世界で批判されるほど悪くない 橘川武郎氏インタビュー(後編)

          日本は石炭火力を止める時期を明言すべき ― ご著書では既存インフラを使い倒せ、ということを何度も指摘されていますね。   橘川 カーボンニュートラル火力がまさにそうですし、先に触れたメタネーションもそうです。メタネーションを行い、水素とCO2からメタンを合成して利用する際には、水素を直接利用するより、メタンを合成しなくてはいけない分、エネルギーのロスが大きくなるんです。ところが水素はメタンに比べ、容積当たりの熱量が小さいため、現在の需要規模を前提として水素をメタンガスのよ

          日本のエネルギー政策は世界で批判されるほど悪くない 橘川武郎氏インタビュー(後編)

          自動車など需要サイドのエネルギー見通しと、カギとなるカーボンフリー火力  橘川武郎氏インタビュー(中編)

          需要サイドの動きとして注目すべき、部品製造業者、自動車、データセンター ― 原発の割合を減らす一方、増やさなければいけないのが再生可能エネルギー発電です。なかでも、日本独自の“武器”となるのが、アンモニアや水素を石炭の代わりに使うカーボンフリー火力と、水素から都市ガスの主成分であるメタンを合成するメタネーションであると主張されています。   橘川 加えて重要となるのが需要サイドの動きです。カーボンニュートラルといえば、大企業が取り組む話だという反応が多いですが、実はそうで

          自動車など需要サイドのエネルギー見通しと、カギとなるカーボンフリー火力  橘川武郎氏インタビュー(中編)

          カーボンニュートラルでも見られる専門家のタコツボ化を排せ 橘川武郎氏インタビュー(前編)

          時間軸を縦軸に、幅広いエネルギ―源に横串を通して分析、施策を提示した本書 ― 2024年3月に発売された本書は2020年9月に上梓された『エネルギー・シフト』のいわば姉妹書という位置付けです。わずか3年半のうちに、“妹”版を世に出された理由を教えていただけますか。 橘川 エネルギーを巡る世界と日本の状況変化があまりに目まぐるしいからです。前著はおかげさまで7刷まで刷を重ねたのですが、重版の際、たいてい「おわりに」に補記を追加する必要がありました。その内容は白桃書房ホーム

          カーボンニュートラルでも見られる専門家のタコツボ化を排せ 橘川武郎氏インタビュー(前編)

          クールジャパンを乗り越え、豊かでクリエイティブな社会を実現するために―生稲史彦(中央大学大学院教授)

          クリエイティブ産業をめぐる近年の変化―デジタル化とグローバル化― 私が編著者の一人となった『クリエイティブ・ジャパン戦略』では、日本の文化的なポテンシャルを活かし、国内外の人々にとって魅力的で、経済成長を実現できる国になるための政策と戦略について考えてきた。序章では、クールジャパン政策に至る経緯とその変質を振り返り、それが思ったほどの成果を上げ得なかった「挫折」が示された。その背景には、文化とそのビジネスを取り巻く環境が予想外に変化したこと―急速なグローバル 化とデジタル化

          クールジャパンを乗り越え、豊かでクリエイティブな社会を実現するために―生稲史彦(中央大学大学院教授)

          文化政策の魅力的なアイディアが横溢─中村伊知哉氏(iU:情報経営イノベーション大学学長)書評

          本書『クリエイティブ・ジャパン戦略─文化産業の活性化を通して豊かな日本を創出する』は、アートやコンテンツなどクリエイティブ産業を活性化する文化経済政策を分析し、展望する。私も参加した東大・未来ビジョン研究センターの研究会によるアウトプットだ。    座長の河島伸子さんは「クールジャパン政策」が2000年代に始まったものの、その後変遷を遂げ、焦点が定まらず、政策としての本気さに欠けるという。米韓と比して、文化産業の国際プレゼンスが低いという認識である。クールジャパンは三原龍太郎

          文化政策の魅力的なアイディアが横溢─中村伊知哉氏(iU:情報経営イノベーション大学学長)書評

          「文化と経済の好循環」の実現のために─河島伸子(同志社大学教授)

          本書『クリエイティブ・ジャパン戦略』は、日本のクリエイティブ産業が持つポテンシャルが最大限発揮されるための政策と現場における課題を様々な角度から分析・検証し、日本にとっての今後の課題を提示するものである。各分野における気鋭の研究者、実務家による論考が集められており、各自が得意とするフィールドと強く持つ問題意識を勘案しながら、1 章につき 2 名の著者をカップリングし、一つのテーマに違った視点から接近する様相を見てもらえるように工夫してある。 本書は、政策的視点を意識した第

          「文化と経済の好循環」の実現のために─河島伸子(同志社大学教授)

          エネルギー・トランジションをめぐる2023年10月〜2024年3月の動き─GXに取り組む企業や地域の実際:GXの進展と次世代燃料の具体化(2「下」)

          はじめに 『エネルギー・トランジション:2050年カーボンニュートラル実現への道』の原稿を白桃書房に提出したのは2023年10月のことであり、本書には、2023年9月末までの事実がカバーされている。その後、校正、印刷、製本、配本などの手続きを経て、本書は、2024年4月に刊行されることになった。 この半年のあいだにも、エネルギー・トランジションをめぐっては、いろいろな動きがあった。2023年10月〜2024年3月のエネルギー・トランジションをめぐる動きのなかから、特に重要

          エネルギー・トランジションをめぐる2023年10月〜2024年3月の動き─GXに取り組む企業や地域の実際:GXの進展と次世代燃料の具体化(2「下」)