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無原罪 

           


生まれついての罪を持たない白い花

百合の花

穢れなき香

死に向き合う夢想のように

淡く純真な花

無から産まれいづる光は

環になり融合へといざなう

麻薬のような平和と一致が

麻痺した人間の心に合致する

黒い海の波打ち際で

熱に溶けた足を差し出す

星はうろたえて輝くことをあきらめた

取れなくなった足枷

涙の鎖でできた足枷

錆びて二度と外れない血の枷


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