ブラック企業、社長に抗した結果。。。
※始めに、会社の素性を長いこと書いてます。
結果どうなったかだけ気になる方は、目次から一気に「社長と闘う」へ飛んで読んでみて下さい。
長時間労働&残業代無し
私は現在カナダに在住し、2024年で11年目に入りました。
ここで書いている内容は、まだ日本に住んでいた頃の話です。
私は、小さな貿易会社に勤めていました。
上司二人と同僚三人、合計六人で仕事を回していた小さな会社で、 我々以外は数名のアルバイトのみでした。
海外のスニーカーやアパレルを並行輸入し、 実店舗や小売業者に卸販売していました。
1日12時間、休憩はお昼の食事の時のみ。 トイレに行く時、給湯室でコーヒーを作る時以外はデスクに座りっぱなし。
また、土曜日も隔週で出勤だったので、週末連休でないこともあるわけで、なかなかプライベートの予定も組めません。
残業代は出ませんでしたが、夏と冬にボーナスがあり、それぞれ約2ヶ月分の給料に値していたことと、 他の会社では、もっと長時間働いてる会社があることも知っていたので、ボーナスがもらえるだけマシ、ボーナスが長時間働いている残業代なんだ、としてプラスに捉えていました。
有給五日間
通常、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務したのち、10日間の有給が初年度に与えらえ、勤務年数とともに日数も増えるはずですが、私の働いでいた会社は、年に5日間しかありませんでした。
誰も有給を使っていなかったので、気に求めていませんでしたが、詳しく聞いてみると、消化しなかった5日間は翌年に繰り越しせず、”年間5日間のみ”ということでした。
じゃぁ使わないと勿体無いと思って、両親連れて旅行へ行こうと、土日を挟んで5日間まとめて取る時に「ちょっとご迷惑をおかけしますが、連休頂いても大丈夫ですか」と勤務年数10年以上の上司に聞くと、「ええと思うけど、今ままで有給使った人おらんからなぁ」と、驚愕の答えが返ってきました。
告知無く、ボーナスカット
夏のボーナスの月、給料と一緒に入ってきていたボーナスが入ってきませんでした。来月かな?っと期待しても、入ってこず、秋になっても入ってきませんでした。
社長の元愛人?と噂されていた経理の人に気に入ってもらえてたので、理由を知っていないか聞いてみると、社長の勝手な行動が明らかになりました。
1、外貨まとめ買いによる損失
海外取引していたので、為替の変動は利益に大きく反映されます。海外通貨をまとめ買いをしておくと、通常の為替よりも安くで購入することが可能なんだそうです。ただし、購入した以上、それを使い切ることが条件で、実際の為替がまとめ買いした時のレートより安くなったからといって、その時の安いレートで取引することはできないんだそうです。
その年は、東北大震災があり、日本円がぐんと下がりました。そのため、為替差損が多く出てしまい、数字上は黒でも中身は赤字になっていたそうなんです。。。
2、株主への固定配当
それだけの状況にも関わらず、毎年固定で、株主への配当金が配付されていました。しかも、株主は全て社長の家族のみ。。。売上利益に関係なく、社長を含めた家族は、毎年お金を受け取っていたことになります。
愚痴が止まらない
その事実を上司と社員に伝えると、週一のミーティングで社長や給料の愚痴が出るようになりました。今まで黙っていた大人しい上司でさえ愚痴るようになりました。
パーテションを挟んだ向こう側には、バイトの子達がいて、社員が集まってお金の話をしてるのは、見苦しいと思うようになったので、「社長に直接話しに行きましょう!」と提案すると、ずっと文句を言っていた彼らが「いやぁそれは。。。」
そりゃそうなりますよね。。。みんなクビが怖いですからね。
「じゃぁ俺、一人でも行きますね」
社長と闘う
社長には、次のことを伝えました。
残業代出なくてもボーナスがあったので納得していた
毎年目標達成、不景気でも黒字にしていた
有給の件
今回のボーナス未払いの件
完全に違法ですよ
その他もろもろ
大人しく聞いていた社長から一言
「考えとくわ」
二週間後、社長から呼び出されました。
「署名しろ」一枚の紙を渡されました。
そこには、
おいおい、そう来たか!
一瞬、頭が真っ白になりましたが、すぐに我に返って、こんな社長に付いて行きたくないし、素性が分かって逆に良かったと気持ちがすぐ切り替わりました。
また、会社が使っていた弁護士と電話させられ、タイムカードのコピーは違法だとまで、追い打ちをかけるように言われました。
しかも、この確認書をもらった日は、11月25日だったので、五日後に辞める、辞めさせられることになります。
私「わかりました。社長の望み通り退職はします。でも、私が抱えてる仕事量は、5日間で引き継ぎできる量ではないので、年末まで残ります。」
社長「5日間あったら十分やろ」
私「社長、ほんと働くうちらのこと分かってないんですね。何がなんでも残りますから」
退社後の会社の反応
冒頭でも述べました通り、私は経理の人によくしてもらっていたので、今回の退社を「事業縮小による解雇」にしてもらえ、彼女のおかげで失業保険ももらえることができました。
私が退社したのち、同僚から連絡がありました。
社長が無茶苦茶なことをしてきたそうです。
入社時にも出てこなかった就業規則をこの後に及んで出してきたというんです。
まず、就業時間は、「8:30-20:00でそのうち3時間の休憩がある」それでも残業時間発生してますけどね。。。そして、この規則が入社時からあったことにしろ、と言われ、署名させられたようです。「気に入らんかったら、辞めてもらってもいい」とまで言われたそうです。もちろん、3時間の休憩なんてあるはずもない。
家族のいる上司が、留まることを選ぶのは分かりますが、ひとり者がこれだけの悪どい社長を目の前にして、署名したってのが信じられません。
私が社長にしたことで、みんなにはさらに重い空気を与えたかもしれませんが、こういうことはちゃんと変えていかないといけないと思います。
私の取った行動は身勝手かもしれませんが、全員に了承を得た上で行なった行動です。
おまけ
社長に対談を要求する前に、実は、弁護士事務所にて会社の実態を事前に聞いてもらってました。
タイムカードのコピーは違法ではなく、逆に褒められました。
社長がやってきたことは、脅迫罪にもなるとのことでした。
また、タイムカードから算出された未払いは約500万円でした。未払いは過去2年間遡ってまでしか請求できないようです。
弁護士いわく、「未払いの半額くらいまでは、ほぼ確実に取れる。一年位かかる。さらに全額を求めるのであれば、さらに時間もかかるし、複雑化するし、場合によっては、負ける可能性も出てくる。」ということでした。
私が訴えたかどうかは、ご想像にお任せします。