DJの表現拡張
こんにちは。
僕ことハクです。
今回からルーツ・オブ・バンドDJ、第三章マニピュレータ編が始まります。
前回までのスクラッチきめたり、サンプリングでループ作ったり、これは主にヒップホップの領域でした。
しかし、DJは元をたどせば再生屋...つまりディスクジョッキーです。
驚くべきことに「ディスクのどの部分を再生して繋げていくか」この屁理屈だけで音楽を作り上げてきてしまいました💦
ところがヒップホップでもTR‐808、TB‐303が導入され、一時期トライトンのプリセットだけでトラック作るのも当たり前でした。
こんな感じで電子楽器がバンバン使われていきます。
一方、電子楽器と言えばハウスやテクノ、エレクトロといったジャンルの方がメインと言っても過言ではないでしょう。
こっちの領域では、ディスクジョッキーとしてのDJ文化は残りつつ、作曲という面ではとっとと電子楽器に移行していました。
元々皿を回していたDJ達でしたがそれだけでは収まらず、どんどん表現の拡張を試みていきました。
ということで、今回から「どこまでがDJなのか?」この問いに答えられるように、解説していきたいと思います。
■まずはおさらいから
基本に立ち返りましょう。DJはディスクジョッキー、つまり皿(レコード)をジョック(乗りまわす)する人、すなわち特殊再生屋です。
この基本に忠実的なのは①スクラッチを決めるターンテーブリスト、②サンプリングで音を切り貼りする人。
しかし、サンプリングのお話の際にでたサンプリング・シンセサイザー、これは音の原理を利用してドレミを作り出してます。
フェアライトCMIで作られた「オケヒ」これはめちゃくちゃ有名ですね。
また、サンプリングを本格的に導入したPCM音源のシンセサイザー、これは立派な電子楽器です。
このように、サンプリングはある領域から電子楽器としての役割帯びることになりました。
■電子楽器の導入
シンセサイザーをバッキバキに導入すること、それがDJの領域になのかはちょっと微妙ですが、下記は明白な事実です。
それはヒップホップもテクノもEBMでさえ、TR‐808、TB‐303というシーケンスによる電子楽器を使ってドラムとベースパターンを作ってきたこと。
そうなると、ある意味「シーケンスによって作られた音楽」をジョックしていた...これは再生屋の流儀に反していないような気がします。
また、これは僕の独自の見解ですが、テクノのミュージシャンってパート名で言うと表記のしようがないと思ってます。
トラックメーカ?コンポーザ?シンセ?一時期「プログラミング」って表記されてるときもありましたw
いやー、これはどれもしっくりきませんでしたね...どう呼ばれても突っ込みどころが残ってしまいます。
■機材をプレイする=マニピュレータ
そんなときある考え方が頭の中に舞い込んできました。
これって、DJが今までマニピュレータと呼ばれていた人達のジャンルの一部って考えたら、結構しっくりくるんじゃないかってことです。
シンセ(キーボーディストのようにバッキバキにプレイしなければ)も機材、ターンテーブルも機材、ダブワイズ用のエフェクタも機材、自作楽器も機材。
あと裏方と違いを述べるのであれば、積極的にステージの上に立って演じる(=プレイする?)ことですかね。
明確に何かを表現する意思を持ったプレイヤー、これは演奏者としてのマニピュレータと言って差し支えがないと考えています。
これが今のところの僕が思うDJがやっていい範囲の答えかなと思ってます。
■進化するDJ
これは最近の潮流ですが、サウンドメイクもDJの役割かなって思ってます。
主にシンセを使ったトラックを演奏に合わせる感じです。
まだまだバンド界隈では「同期」と呼ばれて裏方がやるイメージですが、そのフレーズがなかったら全然別の曲やんっていうのもちょくちょく見ます。
バンドで同期のフレーズを入れるなら、阿吽の呼吸がとれるメンバーとしてステージ上でやるべきですね。
また、以前お話させていただいた「兼任」「パフォーマンス(煽り)」「パフォーマンス(存在)」という...もはやDJでも何でもない役割さえありますw
これはバンドのメンバーとして許される範囲内でのお話ですね。
■まとめ
僕の考えるDJの領域って、こんな感じでマニピュレータとしての範囲かなと思ってます。
しかし、もっと何でもありでしょって考えの人もいると思われます。
最低限DJとしての役割が何なのかを踏まえた上でプレイヤとして立ち振る舞ってほしいですね。
あと、いるだけDJってパターンもあるんですが、それはそれで音楽を繋げる役割として御の字かなと思って許容してます。
それではまた。
アディオス!