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チョップという新しい答え

こんにちは。
僕ことハクです。

前回は音楽ってこういうもので、サンプラーってこういうことができるよねというお話でした。
そしてその為には、中毒性もしくは耳に残るフレーズによってループを構築する必要があるという内容でした。
待ってください、これって極めるところ...楽器なんです。
そういうことじゃないんですよ💦
DJ、ひいては再生屋という存在が音楽を作るというのは。
ということで、今回はチョップについてお話させていただきます。


■チョップとは

ある曲の一部分を切り取り、切り取った音を使って再構築し、新しい曲を作るテクニックのことを言います。
正確には「チョップ&フリップ」と言って、割と短めにチョップ(切り刻んだ)したフレーズをフリップ(並び変える)するってことです。
小難しいことは抜きにして...こんな感じです↓

ほらね、簡単でしょ。
簡単なんだけどある意味難しくなってますねw
センスがあれば結構すぐ構築できるんでしょうけど...ない場合は根性との闘いです。

これこそザ・再生屋がする音楽の所業だと思ってます。
前回お話させていただいた音楽の構造とか、ハーモニーの違和なんか気にする必要ありません。
なにせ元からある曲をそのままそっくり構築し直していくだけなんですから、同じタイミングでなった音のリズムとハーモニーはくずれませんね。

■もうちょっと掘り下げ

「チョップ&フリップ」を開発したのはDJプレミアだと言われています。
あんまり、この辺の差は詳しくないんですけどDJプレミアの事を3大トラックメーカ(他Drドレー、Large Professor)、3大サンプラー(他Madlib、Jディラ)って括ってる人もいます。
ほぼドラムとベース(たまにスクラッチ)だけの超硬派なトラックとかも作ってて、これは男気ものですね。

そして、すごく有名な曲の話なんで紹介させていただきます。
ハウス?いや僕はエレクトロだと思ってるんですけど、ダフトパンクです。
彼らの代表作「One More Time」の最高に印象的なフレーズはチョップを使って作られてますね。

某ジャズ系アジテーター曰く、あれはサンプラーによる最後の名フレーズ、MPCという肉体性がなければ成しえなかった。
デスクトップで音を切り貼りする現代のやり方では生まれることはなかった...だそうです。
ちょっとべた褒めすぎですねw

余談ですが、この再生時間を極端に短くしたり、更に短くしたフレーズを引きのばしたり、なんて技もあります。
たぶんスライスって方法論がこれに近いような気がします(それについてはまたの機会で)
スライスはどちらかというとテクノとかエレクトロの人の方が馴染みがあると思います。

■まとめ

サンプリングという新しいルールはループという新しいゲームを作り、そのゲームもまた、チョップという新しいテクニックを生み出しました。
局所的な方法論としてですが、ほぼ答えが出そろったと言えるでしょう。
あとは各々のセンスを頼りに音楽を作り進めるだけです。
逆に、これはこれで過酷な答えですが…やりがいはあると思います。

また、著作権など新しい問題も発生してますが、そこは創意工夫で乗り切るしかないと思ってます。
賛否両論ですが、AI生成された音楽って誰の所有物なんですかね?
著作権の切れたパブリックドメインのクラシックなんかはみんなの持ち物ですよね?
僕はその辺に答えが落ちているような気がしています。

それではまた。
アディオス!

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