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ミュージックコンクレート
こんにちは。
僕ことハクです。
今回は元祖サンプリング「ミュージックコンクレート」についてお話させていただきます。
現代音楽の範囲になりますので、少しお堅い話になってしまいます。
完全に外伝だと思って聞いて頂けるとありがたいです。
■事の発端
なぜこのタイミングで、このお話をすることになったかというと...バンドというキーワードを上げると、切っても切れない作品があるからです。
それがビートルズの「レボリューション9」です。
はい、またしてもジョンがとんでもない事をやらかしてくれてます。
お堅い現代音楽の話なんて、このシリーズで持ち出したくなかったですが...サンプリングといったらもう絶対この話になるでしょ。
そして、絶対影響与えたでしょってなるのが、ジョン嫁ことヨーコネキ。
しかもフルクサス時代、ネキの音源が残ってました。
はい、トイレの水を流す音...だけですw
前衛アート集団のフルクサスらしい音源を提供してますね。
この作品はミュージックコンクレートとは言い切れない部分もありますが、ジョンは影響受けてるって言ってるっぽいです。
なので通称「世界で一番ポップなミュージックコンクレート」で通せると思います。
■ミュージックコンクレートとは
ということで録音芸術、ミュージックコンクレートについてざっとクロニクルをお話ししましょう。
1950年代前半のフランス、電気技師であったピエール・シェフェールが作曲家ピエール・アンリ と出会いミュージックコンクレートの作曲を始めました。
更に1950年代後半には、GRMというそっち系の音楽を作る人たちの研究機関を作ってしまいます。
GRMにはリュック・フェラーリやヤニス・クセナキスなど、そっち界隈のヤベー奴らが錚々と集まってきました。
時を同じくしてドイツ、こっちにもカールハインツ・シュトックハウゼンっていうヤベー奴がいました。
ドイツでは発振器をつかってメロディを作る、つまりシンセサイザーのご先祖様的な音楽を作ってました。
そんで、シュトックハウゼンがまさかのミュージックコンクレート×初期電子音楽みたいなミクスチャーをやってしまいます。
このことで電子音楽と録音芸術の境目がどんどんとなくなっていきます。
流れで言うとこんなところでしょうか。
一旦、そういう世界で音楽をやってる人たちがいるってことだけイメージしてもらえれば大丈夫です。
■そもそもの源流~現代音楽的な話
ようは録音ができなかった時代、その時からこの議題は上がってますよということ。
ルイージ・ルッソロの創作楽器イントナルモーリ、たぶんこの界隈では1万回以上は擦られてるでしょう。
「具体音を音楽として取り入れた~」いや、今となってはスクラッチがあるんだから当たり前です。
でもこの頃はクソ真面目にこれについて研究がされていました。
この頃の人たちにJディラのループとか聴かせてあげたいです。
あなた達の発想は間違ってなかったし、今ではこんなに音楽の中に親和してまっせーってね。
もうちょっと大きな括り、現代音楽についてお話しましょう。
いろいろ源流や派生があるんですが...一番有名なのはジョン・ケージの「4分33秒」でしょうね。
ピアノの前に座って...つまり、あの何もひかないやつです。
これっていろんな解釈ができるんですが、一つに「何もひかないことで聴こえてくる聴衆のざわつきも音楽」っていう...はい、具体音ですね。
あとはサイコロを振って次の音を決める、音の塊を引いて音楽とするトーンクラスタ、ラジオの選局を指示しているだけ...パンクですねw
この音をサウンドとして音楽に組み込む試み、図らずも僕らDJの領域と同じなんです。
そういう意味ではDJの原点と言ってもいいのかもしれませんね。
■まとめ
こんな感じで、昔からサンプリングのアイディアについては研究されてきてますよということでした。
こうやって歴史をさかのぼっていくと、なかなか僕らDJがやってることもチャラくないでしょって言えるんです。
結構インテリジェンスに見えてくるし、アカデミックな系譜でもあるんですよって!
最終的にかっこいい音楽を作ったら勝ちなことは、どの時代でも同じことのような気がしますが...
それではまた。
アディオス!