クソ野郎戦法不発

クソ野郎戦法の基本は、こっちもアホみたいに早く指し、向こうもアホみたいに早く指している状況で、急に24歩とつくことである。

そして、このクソ野郎戦法は、事前の準備を必要とする。

まずは、電波の良い状態でやることである。電波が悪いと、その分のタイムラグが生じてしまい、こっちが急に突いたつもりの24歩が向こう側に目立ってしまうのである。


クソ野郎戦法を得意とするこの私、ハクション中西であるが、このクソ野郎戦法は、不発してからが真価を問われるのである。



下図。


クソ野郎戦法をしようと、下心でソワソワしながら、どうもやりにくいなと判断している状況である




上図で、24歩とついてはいけない。


いや、別にいいのだが、それではクソ野郎ではない。


上図の24歩は、あり得る手だからである。


あり得る手は、向こうも警戒する。それに、取られずに放置されたところで23の地点に金銀が効いているので突破できない。


下図あたりが、クソ野郎戦法のやりどきである。


とりゃあっ!

と素早く指して、下図である。



この時、相手が54歩、などとしてくれることを一瞬の間に祈ることが大切だ。そのためには日ごろの行いも良くしないといけないのは当然である。

食べる時は、いただきます。食べ終わったらごちそうさま。

必ず僕は言っている。


それに対する相手の答えがこれである。



俺の日ごろの行いに対する答えが、これか?

後輩には優しく、先輩には媚びてきたのに!!


このクソ野郎め!



などと怒ってはいけない。ここからが勝負である。


上図から35歩と突き捨て、55に銀を出た。


それに対して63銀と歩を守った。

切れ負けである。考える暇はない。



86角。64の歩を守るために、65歩などとはつけない。53角成で終わる。

防ぐためには、62飛車だが、それなら37桂馬とはねて45の歩を狙う。以下、36歩、45桂なら、この時に37歩成と成る余裕が向こうにはないと判断した。

53桂成とできるので。


実戦は別の進行になったが、相手の時間切れで勝ちをおさめることができた。


下図は最終図。時間切れ負けでなくても、普通に詰みがある。投了図と言っても差し支えないだろう。



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