最終盤もクソ野郎精神で
クソ野郎戦法を使う以上、心構えをしっかりしていなければならない。
対戦相手の赤ちゃんの頃など、想像してはいけない。
対戦相手が生まれた時に、両親がどれだけ喜んだのだろう、などと想像してはクソ野郎戦法をやる気力が削がれる。
クソ野郎戦法は、単なる将棋の戦法ではない。
生き方なのだ。
さて、序盤、相手が94歩と突いたところである。
実は、こういう端歩をついてこられたタイミングでは、クソ野郎戦法は不発に終わることが多い。
実際にこう進んだ。
今、かけがえのない命、24の歩を取られたところ。つまり、不発に終わったのである。
さて、なぜ端歩をつかれたタイミングで24歩は不発に終わることが多いのか?
相手の心理によるものだ。
端歩は挨拶とよく言われる。
「俺が端の歩をついたんだから、挨拶を返してくるかな?」と思い、相手はパタパタと指しながらも、注意深くなっている。
そこへ、24歩である。
会話にすると、こんな感じだろう。
「こんにちは」
「クソ野郎め!」
「は?お前の子供(24の歩のこと)を殺すから!」
というわけで、クソ野郎戦法は不発。しかし、ここから勝負に持ち込むのがクソ野郎たるゆえんである。
ところが、いきなり、一番の難敵を迎えてしまう。
向かい飛車である。
飛車を回られて、大苦戦は必死である。
読者のみなさんも、クソ野郎戦法は向かい飛車相手に使ってはいけない。このケースは、後から飛車の転換をされてしまったのだが……
下図は最終盤である。
序盤に苦戦はしたけれども、そこは手練手管、なんとか粘って、それでも断然不利な状態。
ここでの僕の指し手は62角
相手の持ち時間の少なさを考慮し、いきなり無駄な王手をした。
以下、卑怯の限りを尽くして、なんとか勝利を収めることができた。
勝負が終わったので、相手が赤ちゃんだった頃を想像するのも良い。
あら、可愛いでちゅね〜。将来将棋をするんでちゅか〜。そうでちゅか〜。
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