『恋読』
『恋読』
著者:小橋めぐみ
出版社:角川書店
発行年:2015年9月30日
小橋めぐみさんの読書エッセイです。読書エッセイで思い出したのですが、昔、「桜庭一樹読書日記」を読んだとき、桜庭さんってバリバリお仕事しながらこんなにたくさんの本を読んでいるのか……と絶望した記憶があります。それはそれとして、本書の著者である小橋めぐみさんですが、お恥ずかしい話、あまり詳しくない俳優の方でした。しかし、本好きの方によるエッセイであれば何となく惹かれるものです。本の帯を見ると、豊﨑由美さんが推薦している! となると、ただの感想文ではないなと思ったので、手に取ってみました。(で、最近まで積んでいたわけですが。)豊﨑由美さんは、〈小橋めぐみの感性に、わたしは嫉妬を覚える〉と仰っています。本書を読み終えた後、確かにそうだなあと羨ましくなって思わずため息をついてしまいました。読んだ本の感想に、ご自身の経験がうまく組み合わさっていくと、それはもう素晴らしい個性になります。参りました。そして、ミステリ好きの私としては、小橋さんがミステリも国内外問わず多めに読んでいらしたのでニコニコしながら読みました。特に、私が好きな『地上最後の刑事』が登場したときはテンションが高くなりました。その一方、私が積んでいる作品をすでに読破されているので、まだまだ私は精進が足りないなと気づかされました。『二流小説家』も『ハリー・クバート事件』も『みんなバーに帰る』も読まないと……。
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