2人声劇『ずっと傍に』
前に投稿した『守るべき人』の続編です。
あわせて合わせて演じてくれるとありがたいです。
ずっと傍に
桃山久美
車田リキ
久美「リキはずっと私の味方でいてくれる」
リキ「俺はずっとあいつを守る…そう、ずっと傍で」
久美(N)私はリキに助けられた…元彼にDVを受け、身も心もボロボロの私をずっと傍で支えてくれてた。
リキの隣にいるのが私の中では当たり前になっていた。
久美「リキ?」
リキ「……ん?あぁ、ごめん!ちょっと考え事してた」
久美「もう!今週末の2人でキャンプに行く予定立ててる最中なのに…」
リキ「いや、何を作ろうか…何をしようか考えてたんだよ」
久美「警察官なのに…な、何をする気なの⁉️」
リキ「ばぁか、ぶち込むぞ!まったく…久美はすーぐガタつくんだから」
久美(N)こんなやり取りを続けてるうちに私の中では当たり前が愛へと変わっていった。
でも、その気持ちはリキには話さないでいる。
リキ(N)あの日以来、俺は久美を守り続けてる。
隣で、すぐ傍で…でもそれが正しいのか分からなかった。
久美の幸せ…それを願うなら俺は居ない方が良いのか…それとも、ずっと傍で守り続けた方が良いのか…考えても答えは出なかった。
そして週末のキャンプの日は来た。
久美「ほら、リキはテント立てておいて!
私は火起こしして、ご飯の支度するから」
リキ「1人で大丈夫か?直ぐにテント立てるから手伝うよ?」
久美「大丈夫!テント立てたら私が作ってきたツマミでも食べながらビール飲んでて」
久美(N)このキャンプは私にとって大切な日。
彼の気持ちを確かめる日。
言えなかった気持ちを…伝えるか判断する日
リキ「火も1人で起こせるようになって、美味い飯も作れて、いやぁ最高のキャンプだなぁ」
久美「前まではほとんどリキがやってくれてたもんね」
リキ「だって危なかっかしいだもん。
怪我でもしたら俺が心配して禿げそうだし」
久美「大丈夫よ、今も髪…そんなに無いでしょ?」
リキ「おぉ?いい度胸してるなぁ、久美」
久美(N)そんな他愛もない話をしていると日は暮れて、すっかり夜になっていた。
リキ「なぁ…久美」
久美「ん?なぁに?」
リキ「あの日、久美を助けられて良かったと思う。
あの時、電話に出れて良かった。
出来れば俺はこのままずっと…」
久美(N)その一言で私の気持ちは決まった。
どんな結末になろうとも…
久美「ねぇ、リキ…私、リキの事が好き」
リキ「久美…」
久美「怖くて言い出せなかったの…この気持ちを話してリキに拒絶されたらって考えたら…隣にいるのが当たり前になっていたのに、急にいなくなったら…って」
リキ「……久美…ごめん」
久美(N)あぁ…やっぱりダメだった
リキ「そんな思いをしながら俺の傍にいてくれてたんだな……俺も、迷っていたんだ。
この気持ちを久美に話すか…
…久美、愛してる」
久美(N)そう言うと彼は優しく私を抱きしめた。
リキ「これからずっと傍で…」
久美「2人一緒に…」