こないだのつまみ #14 ちぢみほうれん草のソテー
実は、ほうれん草があまり得意じゃない。
独特のえぐみと、噛んだときにちょっと歯に残る感じが苦手なのだ。なので『きのう何食べた?』でシロさんが常夜鍋をやるとき、あらかじめほうれん草を下ゆでしてから鍋の具にするのを見て「なるほど~」と膝を打った。
だが、ちぢみほうれん草はえぐみが少なく食べやすいので、よく手に取る。味が濃くて、サクッとした食感もいい。むしろ好物であり冬場のたのしみだ。
買ってきたらしばらく水に浸けてから、よく洗って土を落とす。まとめてゆでて、しぼらず容器で保存。「青菜はゆでて、しぼらず保存」は料理研究家・瀬尾幸子さんの本で学んだ。「使うときにしぼればいい」のだ、と。せっかくゆでて菌が少ないのだから触らないほうがいいという考え。やってみて「なるほど理に適っている」と納得した。
ゆでて保存してあるちぢみほうれん草を冷蔵庫から取り出して軽くほぐし、フライパンにオリーブ油をひいて少々のにんにく、生ハムと一緒にサッと炒めて塩でいただく。味つけはこれだけのほうが、ちぢみほうれん草ならではの甘みが引き立つと思う。ちなみに生ハムは昨日のつまみの残り。
黄色のうつわとよく合うな、と思いながら白ワインといただいた。
もう河津桜も咲き出してきて、冬もじきに終わり。ちぢみほうれん草よ、また来年。