見出し画像

動き回った1月12日

ダラダラしてちゃいかん、と思い立った。
うちからはアクセスかなり面倒くさいんだが、世田谷美術館へ向かう。「倉俣史朗のデザイン 記憶の中の小宇宙」、行っておきたかったのだ。『日曜美術館』で彼の特集を見て、はげしく興味をかき立てられて。

見事にどこからも遠い

渋谷で乗り換えて用賀駅から歩く。
風のない、わりに暖かな日でありがたい。砧公園の中にあり、平日だが来館者多し。写真は不可だったけれど、目当ての『ミス・ブランチ』を見られてうれしかったな。アクリルの中に閉じ込められた造花の薔薇……テネシー・ウィリアムズが創造したあのヒロイン、ヴィヴィアン・リー演じるブランチがこの椅子に座っているところを想像する。テネシー・ウィリアムズで卒論を書いたのはもう23年ぐらい前。倉俣さんの愛読書のひとつとして『欲望という名の電車』(黄色い表紙の文庫版)が飾られていた。夢日記も面白く。知らないのに出てくるリアルな人々は前世の関係者か、みたいな言葉が印象に残る。

『ハウ・ハイ・ザ・ムーン』

倉俣さんが手がけた飲食店に行ってみたかった……。静岡の『コンブレ』は絶対訪ねたい。イッセイのショップ、もっとちゃんと見ておけばよかったな。彼自身、インテリアデザインというのは儚いものだと「残らない」覚悟もあったよう。


同じ道を帰るのは好きじゃない。
帰りはバスで千歳船橋まで出る。14時ちょい過ぎ、腹が減ってウロウロしてたら、こちらのお店が14時30分までランチをやってたので入ってみた。

ヒレと牡蠣フライのセットが1100円、さっくり香ばしい牡蠣がいいねえ、おしんこも豚汁もうまかった。ごちそうさまでした。ご近所さんとおかみさんがずっと世間話をしてたの、耳に快かったな。あたたかい空気の流れるまちのカツ屋さんでしたよ。

千歳船橋に寄ったら和菓子店の『東宮』に行く。
花びら餅、酒まんじゅう、きんつばを購入。花活けがきれいだったので撮らせてもらった。

さよなら千歳船橋

19時ぐらいまで時間をつぶしたい。
小田急線で新宿に出て、駅ビルなどをのぞく。

丸の内線にのって淡路町で降り、パタゴニアのショップに行った。リュックを愛用してたんだが、ぼろぼろになってきたので買い替えたかったのだ。同じ型のはもうなかったが、3リットル容量の多い新型を購入。しかし神田にショップをつくるなんてパタゴニアも渋いな。目立たない裏道にあるのもいい。

銀座に出て歌舞伎座へ。
中村壱太郎さんと尾上右近さんが半月替わりで『娘道成寺』を踊るというので観ておきたく。その前にデパートの三越と松屋の地下をまわる。親の誕生日プレゼントの手配も済ませることができて、よかった。松屋地下は甘いもののセレクトがいいなと毎度思う。

『娘道成寺』は壱太郎さんのを拝見。
うーん。私は日本舞踊を学生の頃からやってきて、自分も稽古していただいたことのある曲だから正直、中啓から手踊り、「恋の手習い」含めてもっとこうあってほしい、という思いはあるのだけれど、「ただ頼め」から鐘入りまではさすが役者さんの踊りだな、いいなと引き込まれた。

おや、歌舞伎座隣りのプロント、今月で閉店しちゃうのか。ここを利用してる人は多そうだったのに。次は何になるんだろう。

どこかで一杯やっていきたい。
金曜の銀座、どこも混んでるだろうと思って丸の内線に乗ってまた淡路町に戻り、友人がやっている『わたる食堂』へ。

いかとブロッコリーのすみ煮がうまかったな、写真のワインも。
よく動き回った1日だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?