西和賀暮らしがあなたの武器になる。ネビラキカフェヘルパー1か月の記録
あなたはネビラキカフェを知っているか。
岩手県は南部、秋田県寄りの西和賀町というところに位置する、ちょっと巷では有名な絶景レイクビューのカフェである。
2024/6/25〜7/20
これは、そのネビラキカフェと、瀬川家のご家族に大変お世話になりながら、はたらき、生活をした記録。ヘルパー1号の体験記。
あなたに、西和賀のまちと、そこにあるネビラキカフェの魅力が伝わればいいなと思い、書きます。
3秒だけ自己紹介。
神戸市在住、大学2年生、休学中。
去年は精神的に落ち込んでいたが、この世には自分の知らない世界、見たことのない景色がたくさんあり、自分の世界に閉じこもっている場合ではないと思い一念発起。
4月、ゲストハウスヘルパーから始まり、そこからご縁を繋いで、全国各地で素敵な生活を送る方にお世話になり、刺激を受け、よく暮らすことについて考えたりしている。
古民家が好き。
カフェヘルパーのお仕事
フリアコ(宿代分のお手伝い)形式だったため、週に3日、4時間ほど働いた。
朝10時ごろ出勤。14時半ごろ上がり。
・開店準備
・メニューを覚えながらレジ対応
・ドリンク作り
・テラスまで配膳
・洗い物
・ケーキの仕込み
など、その場に応じて必要なお仕事を、わからないところはお聞きしつつ行いました。
◎風通しの良い明るい職場!!
人のせいにしないオーナーさんなので変に気負いすぎず本当に楽しく過ごしました。
おでかけで来るお客様が多いので、西和賀のことに詳しくなると話の幅が広がります。
ケーキのデコレーションや、ドリンクの作り方、フードの準備などは覚えるまで少し時間がかかりましたが、いつでも聞いて確認できる上、そう複雑ではないので自然と覚えました。
以下は、ヘルパーをしながら、西和賀で暮らして、感じたこと。
この町を好きにならざるを得ない3つのステップを紹介する。
ネビラキカフェのヘルパーで、
特大の刺激を受ける。
ヘルパー生活はネビラキカフェの瀬川家にお世話になる日々だ。
瀬川さんご夫妻は、なんとネビラキカフェのみならず、ネイチャーツアーガイドをし、法人を立て、さらにゲストハウスも開業する。
カフェを回し、教育を考える会を発足し、1歳半と3歳の男の子を育てる。
私が滞在していた間はゲストハウスのクラウドファンディングの準備を進めていて、中学生の職場体験、数々の取材、お子さんのこと、舞い込んでくるいろんな出来事を越えて日々が進んでおり、近くで生活していただけの私から見ても目まぐるしくて眩しい日々だった。思った以上のスピードで、物事が進んでいく。
忙しい渦中に私のようなぽっと出の異分子が家にいて、いろんなことを聞いてくるのに、嫌な顔ひとつしない。明るくて、優しい。
忙しない日々の中、ご夫婦のお人柄が輝いていた。
「こういう生活をして生きていきたい」というのは、考えたことがあっても、実際は現実にならずに流れていくことが多いと思う。
時間がないから、お金が心配で、などいろんな理由で諦める。
自分で道を切り開くことなんてできないと思ってしまう。
いろんな制約を感じてしまう世の中で、瀬川さんご夫妻は叶えたい未来を持って、生活の理想があって、それを目印にひたすら切り開いて進んでいて、そこがすごくかっこいい。
このお二人の生き方を近くで見ることで、自分で仕事をつくっていくことに対しての抵抗や壁は、乗り越えられるものなのだと思えた。
日々、あくまで自然体なのが、本当にすごい。
刺激的で価値観の変わる、ホームステイ経験だと思う。
そして、西和賀のかっこいい人物はなんと瀬川さんご夫妻だけではない。
西和賀の、人に惚れる。
この町には多様ななりわいを持った人がいる。
酪農家、いちご農家、劇団プログラムを主催する人、ゲストハウスをする人、ヤギ飼い、議員、工芸作家、まちの交流を図るお仕事の人、…
この方々は同時に、まちをより良くしていこう、より良い形で未来につなごうとしているプレイヤーでもある。
瀬川さんご夫妻に誘っていただき、たびたび私はご飯会に参加した。その場に、上の方々も集まる。どの方も生き生きとしていた。ご飯会からご縁がつながって牧場を見学させていただいたりもした。
皆さん、暮らしながら、人口と次世代とのことを考えて、何か変えていかなければならないという感覚を持っている。それが西和賀への愛と相まって、高校教育や、外部への発信、駅前の活性化計画など、それぞれがいろんなことに取り組まれている。
誰も止まっていない。誰かの発信が、また誰かにアイデアを蒔いて、さらに大きく発展していく。ご飯会が一つの、アイデアの土壌になっていた。
そんな有機的で理想的なプレイヤーたちの関係性が、西和賀にはあった。
西和賀に来ると予想より多くのかっこいい大人との出会いがある。
触発されて、私もなにかやってみようかな、という気持ちになる場所だ。
潤沢にサービスのない地域だからこそ、挑戦すれば先駆者になる。
そしてそれが受け入れられるあたたかさがある。
また、店舗を持ったり開業をせずとも、
ネビラキカフェでゲストカフェができる。
私自身、急須にシェアする魅力を感じて、
休業日の店舗をお借りし、日本茶カフェを二日間開催した。
そう簡単に人は集まらず、いろんなことを考えた。
コンセプト、メニュー、装飾、営業時間、告知宣伝、
自分と向き合う時間があった。やってみて見えたものがあった。
次やるなら何を変えるか、何を勉強したらもっと強くなれるか。
でも、何より、自分が考えたことを実際に形にできたことがすごく嬉しかった。
良い経験をすることができた。
ご来店いただいた皆さま本当にありがとうございました。
その日までに知り合った方がたくさん来店してくださり、西和賀のあたたかさと繋がりを感じられる2日間だった。
まちは人で成り立っている、そういう実感を得られる場所だ。
まるごと好きになる。
まちの人と、いち人間として心を交わすと、もう忘れられないまちになる。
西和賀はゼロから始まった新しい土地ではない。厳しい冬の自然環境が故に、積み重なってきた歴史がある。土地に厚みがある。
先人たちが紡いできた知恵と伝統の上に生活が成り立っているのだと思える瞬間は、暮らしをより豊かに感じさせる。
わらびを始めとする、たくさんの山菜食の工夫。
野山に咲く野草に、野鳥、昆虫。
医療の歴史。
これらを人づてに聞くことができて、尊い伝統を感じられた。
どこの土地にも生きた伝承が残っているわけではない。
そして、自然。
ネビラキカフェのテラスからは、
その日の錦秋湖を眺めることができる。
天気、湿度、いろんな要件によって、毎日違った顔の、でも変わらず美しい錦秋湖を眺めるのはとても清々しかった。
瀬川家に滞在し、西和賀の人と関わり、
あなたも、もう一つ、故郷作ってしまいませんか。
ささやかにカフェヘルパーQ&A
・食事はどうしていたか?
-ご当地おもしろスーパー「オセン」があり、そこで食材を調達してキッチンをお借りして私は自炊していました。
車で連れて行っていただくことが多かったです。
お米と調味料はあるものをいただいていました。
・洗濯は?
-洗濯機、乾燥機を使わせていただきました。ありがとうございます。
洗剤はいただいていました。
・プライベートは守られるか?
-2階の個室で寝泊まりします。
お子さん二人が階段を登ってきてしまうことはあり、はじめは距離感に慣れていませんでしたが次第に楽しく接することができるようになりました。今となっては超寂しいです。元気ー?
お子さんと同じ家なのでどうしても苦手な方は無理しないほうがいいです。
・一日のスケジュール
-アバウトに、
10:00-14:00 カフェではたらく
ちょっと休む、散歩する、料理する、
18:00-19:00 温泉にいく
19:00-20:00 ごはん
徒歩五分の駅に温泉がついていて、最高です。
・車がなくても暮らせる?
‐暮らせないことはないです。私はなかったので…
車でスーパーやご飯のときは連れて行っていただいていました。
交通手段は、徒歩、町内バス(100円、本数はあまりないが)、レンタサイクル、車で連れて行っていただく
あると行動範囲は圧倒的に広がると思います。
楽しい1カ月を過ごして
冬の景色、生活も気になるのでぜひ行ってみたい。
学問的な学びを得て、また、私は西和賀で実践をしていきたいと思う。
滞在中に、クマは冬眠中に出産したりすることを知り、衝撃を受けた。
そこからインスピレーションを得た、冬ごもり考える合宿、冬眠合宿みたいなのができたら楽しそうだと思う。
なにかテーマを決めて、それについて学んで、考えて、議論して、考えが混ざり合うことで一人ではたどり着かなかった境地に至る。そんな化学反応、掛け算が起こる合宿が西和賀の冬にできたら楽しいかもしれない。
素敵な土地で暮らせたこと、事業を進めていく姿を見れたこと、いろんな働き方を知れたことは、今後、自分の選択に良いものをもたらしていく。
だから確実に、わたしの武器になっている。
1か月もすれば状況の変わっている瀬川家だと思うので、他の方のヘルパー記も読んでみたい。
最後に、西和賀でお世話になった、然さん、瑛子さん、かいくんとけいくん、そして他にもたくさんの方に支えていただいて一か月過ごすことができました。本当にありがとうございました。また行きます!!!
長い文章ですが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
あなたの明日に、なにか良い事がありますように!
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