「命式の解明と解釈」
命式を解明する時には
算命学のいくつもの技法を用います
陰占で言えば
位相法で冲動があるとか
半会があるとかを確認します
また
天中殺の有無も見ます
陽占では純濁法や身強身弱などを見ます
しかし
命式をいくつかの技法を用いて
分析(解明)ができたとしても
どう解釈するかという問題が残ります
命式だけを見て
解明したところで
それは命式を整理して
把握したことにはなりますが
現実世界で生活しているその人を
分かったことにはなりません
命式の解明は
その人を知ることの第一歩ではありますが
命式だけを見ていても
その人の人生の本当の姿や意味は
見えてきません
今回はそんなことをあれこれ考えてみました
命式の解明(読み解き)
陰占の命式(干支)を
単に宿命ということもありますが
大きな意味での宿命と区別して
ここでは命式としておきます
命式をアレコレの技法を用いて
整理して読むことは出来ますが
それをそのまま現実の世界に持っていって
現実を決めつけることは出来ません
命式から出た答え(解明)を
現実を踏まえてどう解釈するかという
問題があります
言い方を変えれば
命式が現実世界でどのように展開しているかを
確認しないといけないということです
簡単な例として
ここに生年中殺の若者がいたとしいましょう
ご存知のように
生年中殺は親の場所の中殺ですから
親を頼ることが出来ない
親と縁が薄いという宿命です
たとえ
寅卯天中殺で二代目運であっても
生年中殺であれば
親の跡は継げないというのが
この命式を解いた答えになります
この若者が老舗の後継ぎであっても
家業の跡を継いでいれば
何らかの禍が出るでしょうとなります
しかし
この若者の実際に置かれた立場や
状況を見てみないと
命式を読んだ結果をそのまま
押し付けることは出来ませんね
もし
この老舗が父親の代で経営が難しくなっていて
相当の借金で何とか成り立っている
そんな状態であればどうでしょうか?
更には
父親が体を壊して
十分に働けないような状況であれば
どうでしょうか?
命式の解釈
上述のような状態であることが分かれば
命式を解いたその結果(答え)を
その現実に照らして
解釈しなければなりませんね
この若者が親の代で傾いてしまった家業を
必死で立て直そうと奮闘するとすれば
それは大変な苦労ということになります
親が作った借金を背負って
泥沼を渡るような立場です
この若者が
このような家業を継ぐとすれば
親を頼ってはいけないどころか
親の尻拭いをするわけですから
それは生年中殺を消化している姿になります
借金を自分が背負うことで
家業を継ぐことが出来るのです
生年中殺は実家を出ることだけが
消化方法ではありません
親元に留まって消化することも
状況によってはアリなのです
上格の宿命
宿命(命式)には
上格の宿命というのがあります
守護神が透干(天干にある)していると
「科挙の宿命」と言われ
上格になります
出世街道を進んでいけます
しかし
これとても
環境を見て解釈しないといけません
上格は環境が整っているところで
思う存分力を出せる宿命です
万が一
アレコレ整わない開発途上国や
紛争に明け暮れる動乱の国に
放り込まれれば
淘汰されてしまうかもしれません
逆に忌神透干の下格は
そんな環境を肥やしにして
むしろ芽を出して伸びて行ったりします
命式自体の良し悪しだけではなく
置かれた環境を考慮した解釈が大切です
命式自体の解明と
次には環境を踏まえた解釈が必要です
実例を分析して
命式が環境の中で
どのように活かされるのかを
学ぶ必要があります
***
今回は単純化して書いていますが
実際にはもっと複雑ですから
さらなる研究をしていかないと
いけないでしょうね
最後まで読んでいただき
ありがとうございました