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「新陳代謝と継承」

今回は算命学的な事は
書いていません
そのつもりでお読みください

死と再生

「新陳代謝」というテーマになっていますが
「再生」といっても良いかも知れません

古来より
洋の東西を問わず
「死と再生」は人類にとっての
共通の意識だったと思われます

昼と夜の繰り返しは
古代の人達にとっては
明確な現実(事実)だった事でしょう

つまりは
太陽の登場と退場による
昼夜の切り替わりは
太陽の死と再生として
理解されていたようです

脇道に逸れますが
古代中国の殷(いん)では
十個の太陽が順番に登場し
十日間で一巡りすると
考えられていました
この十個の太陽の名前が
甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の十干です
なので
十干は日付けを表していたのです

話を戻します
誕生する(再生する)には
その前に死んでいなければなりません
死んでこそ再び生まれる事が可能なのです

変わることによって変わらない

人体を見ても
細胞は短いサイクルで入れ替わっています
私が生まれた時の細胞は
ほとんど残ってはないのではないでしょうか

※心臓の筋細胞や脳の神経細胞は
 相当に長く
 数十年から一生ものらしいです

であるにも関わらず
私という存在は継続して
変わらずにあり続けているのです
部分的に破壊と創造が繰り返されてこそ
全体が維持されていると言えるのです

つまり
変わることによってこそ
変わらないでいられるのです

成長や発展は
人体でも会社でも
正常な新陳代謝のお陰だと言えるでしょう

らせん状に発展して行く為には
淘汰による継承のプロセスは不可避なのです

根上がり

最後に私の好きな話をひとつ
「根上がり」という現象があります

慶野松原・根上がり松

森林において
老木が倒れる時があります
これは自然の理です
その事によって
陽が射さなかった場所に陽が射し
新しい芽が出る空間も生まれます

新しい木の種は
土壌に落ちれば
そこにある菌によって
発芽できない事も多々あるようです
また下草などに邪魔されて
陽が射しにくく発芽条件が厳しいようです

そんな状況なので
倒木の上に運良く落ちた種は
菌にやられる事なく
日当たりも確保できて
無事に成長して行けるのです

新芽は倒木というゆりかご(温床)を得て
倒木上から倒木をまたぐように根を伸ばし
大地から栄養を得る様になって行きます

若木がドンドン成長していくと共に
倒木は徐々に朽ちて行き
遂には土に還ります

成長した樹木は
エッフェル塔や東京タワーのように
大地に足を張った姿になります
かつて倒木があったところは
ぽっかりと空間として残るのです
そんな樹木の姿を
「根上がり」というのです

人間はそんな樹木の姿を見て
かつてそこにあった倒木を
親と見立て
その親の恩をいつまでも忘れずに
自分の立姿に残す親孝行の手本と感じたのです

親の恩を忘れずに心に刻み
生き方に反映させることを
人としての美徳と考えるのです

***

最後まで読んで頂き
ありがとうございました

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羽久風
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