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【縄文ニュース】「ねこ頭形の土製品」の愛称を募集中です
「吾輩は猫である 名前はまだない」と書いたのは夏目漱石ですが、郡山市西田町の鬼生田で出土した「ねこ頭形土製品」にも、名前はまだないそうです。
そこで同市の大安場史跡公園は、1月31日(当日消印有効)まで、その愛称を募集しています。なお結果発表は、2月22日。
愛称に採用される最優秀賞の応募者には、賞状と図書カード1万円分などが贈られます。また、正式採用されませんが、優秀賞2点には、賞状と図書カード5,000円分などがプレゼントされます。
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愛称を考えるうえで、改めて、この「ネコの頭のような土製品」について調べてみました。残念ながら、当該土製品についての詳細がネットでは見つけられなかったのですが、とりあえず出土したのは西暦2000年のこと。出土地は、福島県郡山市西田町の|鬼生田《おにうだ》(町B遺跡)です。縄文時代の情景は分かりませんが、近くを阿武隈川が流れています。
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大きさは高さ4.6cmで幅5.6cm 、厚み4.3cmとのこと。手のひらに、ころんと載せられるサイズ感ですね。数少ない資料には「少し横長の丸めた粘土に三角形の突起を2つ並べています」とあります。その形がネコのように見えたので、仮に「ネコ形土製品」と名付けたそうです。※ちなみに「土偶」は、人または人型の人形のことを言うらしく、動物などは「土製品」に分類されるとのことです(Wikipediaより)。
ただし本当にネコであれば、目や鼻、口などを表現しても良さそうですが、この土製品には、そうした表情が描かれていません。つまりは、本当にネコをかたどったものなのか分からない、ということです。
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もしかすると、こんな風に、逆に使う……置く……ものなのかもしれません。
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棒の先に付けて、集落の酋長さんの権威の象徴だったのかもしれません。
兎にも角にも、実際にネコを模して作られたのか、何に使われていたのかは一切不明なので、愛称を考える時には、まずはネコの形状というのから離れて考えてみるのも良いでしょう。もちろん「ネコ」路線で考えても良いですけどね。
ちなみに、こちらの土製品は、郡山市の教育委員会が管理元のようですが、現在は大安場史跡公園で展示されているとのこと。一度、実物を見てから考えるのがベストですね……って、わたしは郡山までは、ちょっと遠いので……。
※こちらの土製品は、2019年に福島県立博物館で開催された企画展『あにまるず』で展示されて、一時期、ネットなどで話題となりました。そのため福島県立博物館に所蔵されていると記しているブログもありますが、前述の通り、現在(2023年1月14日)は大安場史跡公園で展示されています(常設なのかは不明)。
★★
ちなみにイエネコが縄文時代に日本列島に生息していたのか? という問題もあります。現在、日本に“いわゆるネコ”であるイエネコが居たという最古の証拠は、弥生時代です。つまり、縄文時代にイエネコが居たという証拠は、まだ見つかっていないのです。
詳細は、2022年6月に港区立郷土博物館から発行された『歴史館だより』(PDF)に記されています。どうやら同館では『 Life with ネコ 展』という特別展が開催されていたようです。
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