心の整理整頓、そのいち。

はじめて書いてみた前の記事を読み返して、
自分の端末で『1行20文字』が表示の上限
なのだと知った。
編集途中の、今開いているこの画面上では
うまく収まっていたものが、実際の表示は
文章の最後の方が次の行に食み出しており、
なかなかに読みにくくてもどかしい。
そのため今回は20文字でおさめる練習。
プレビュー機能は、今日、今知った。
説明書は読まずに触って覚える性質です。

職場で配布資料を作るときなどは、いつも
特に気を配る。文章の途中で単語や内容が
わかれてしまうと、読むときに画面や紙の
端から端まで視線を飛ばす必要があり、
そうなると読み上げ・黙読に限らずとも、
続くと結構な労力になってしまう気がして
ついつい1行におさめようとしてしまう。
パソコンでルビを振ると、システム上で
上手に分かち書きを回避してくれることも
あって、もやもやはそんなにないけれど、
議事録や会議資料などは、それを元にして
議事進行や発言がされることもあり、更に
気にするポイントが増えていく。

わたしと、記録

最初は、講義で寝ないためのものだった。
何もしないで話だけをただ聞いていると、
だんだんぼんやりとして意識が遠のく。
はっと目を開けたら、時間が飛んでいた。

何か書いていれば、手が動いていれば、
頭が働き続けるから、眠気を感じる余裕が
なくなることに、大学に入ってからすぐに
気が付いて、ひたすら聞いて書く行為に
集中したのを覚えている。

昔、こっそり教科書の下に隠して書いた
小説の真似事やへたなイラストなど、
何かを『書く』ということは好きだった。
筆跡は使う筆記具によって変わるけれど
書くこと、ペンをとることが好きだった。

大学に入り、ゼミ内で顔見知りが少しずつ
できてきた頃に、今思えば運命の出会い。

『ノートテイク募集 ひとコマ1200円』の
張り紙を見つけた。障害のある学生の
サポートをする部屋の、吊り戸に貼られた
それに、軽いバイト感覚で興味を持った。

聴覚障害のある学生と一緒に講義に出て、
教授の話を紙にひたすら書き連ねていき、
講義内容が伝わるようにサポートする、
『喋らない通訳』のような仕事。
スピードと読みやすさが求められた。
基本はふたり一組でスタートし、熟達した
『テイカー』になると、ひとコマ90分を
1人で担当することもあった。
違う専攻の講義も、違う学年の講義も、
空きコマが合致すれば聞くことができた。

自然と、そこがわたしの居場所になった。

講義もテイクもない時間はその部屋に行き、
読書や課題をし、それ以上に話をした。
耳が聴こえにくい人とは、砂鉄の入った
ホワイトボードで筆談をしたり、携帯メモに
打ち込んだり、そのうち簡単な手話の単語を
交えて会話をするようになった。

大学生活は、間違いなくわたしの『今』を
形作っていたと思う。

情報保障、ということ

現職に就いたのも、あの場所にいたから。

法律家を志したはずの自分が、何故だか
障害福祉の一端に触れ、驚くくらいに
馴染んだ。肌に合った。深く繋がれた。
活動を通じ、縁あって出会った今の職場で
在学中にヘルパー資格を取りアルバイト。
卒業後はそのまま、障害者の地域生活を
支える仕事をしている。 

そのなかで『情報保障』にふれることが
最近とみに増えてきた。

聴こえない人に手話や筆談で会話したり、
パソコンで文字通訳をする。
見えない人へは文書の代読や状況説明で
情報を取得できるようサポートする。
難しい表現や文章がわかりにくい人へは
会話や会議の内容を説明しなおしたり、
シンプルでわかりやすい言葉を選んで、
写真やイラストを交え、振り仮名をふった
わかりやすい資料を作る。

情報を、誰もが取得できるように。
どんな障害があっても、会話や周囲から
置いていかれないように。多くの中から
その人自身が必要な情報を取捨選択できて、
自分らしく生活するために。

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これは最早半分、ライフワークと言っても
過言ではないかもしれない。そのくらい、
手書きでも、キーボードを叩くのも、
資料に載せる可愛いイラストを選ぶ時間も、

『書くこと、つくること』が、すき。

任せていただいたページのレイアウトや、
デザインを考えるのも。
職員間での業務連絡ノートに、見出し感覚で
小さいイラストを添えるのも。趣味。

趣味が仕事になったというよりも、
仕事の一部が趣味になったという方が、
何だかしっくり来る感じがする。
気がついたらここで1800文字。

ぴったり1800文字だった。
すっきり、びっくり。

……こころの整理整頓というか、思い出話に
なってしまった気がしないでもない。
でも、不思議と満足するものだな、と。

やっぱり、『書く』っていいな。

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