すき、を記録する。
カメラがすき。写真がすき。
結構前から、写真が趣味になった。
ずっと、携帯で風景や食事などを撮っては
ちまちまとSNSに放流していたけれど、
誰かからの誕生日プレゼントでもらった、
再流行の兆しをみせていた『写ルンです』も
わたしの背中をそっと押した。
加えて、かねてから、自分のいいね!♥が
他の人のタイムラインにお邪魔してしまうのが
なんだかどうにも耐えられなかった。
趣味の知り合いが半数以上相互フォローに
なっていたのもひとつ。
共通の話題で活発なタイムラインに、関係ない
ジャンルの投稿を流してしまうことになる。
わたしの『すき』が誰かを不快にしてないか?
⸺⸺そんな感覚が拭えなくて。
アカウントを複数作りジャンル毎に仕分けると
ようやく気持ちが落ち着いた。
そこでしか交流のない、名も知らぬ写真家や
純粋に写真への評価をくれる場所は、文字通り
癒やしの空間になった。
現在は、人を撮った写真をアップするものと、
風景やこころ動いたものをアップするものの
2種類のアカウントを動かしている。
写ルンですや類似のフィルムカメラなどで
撮った写真は、どうしても現像やフィルム代等
ランニングコスト面で不安が残る。
この先ずっと、よりは、まとめて設備投資して
永く愛せるものを手にしては。という助言で
型落ちのNikon D3500と出逢った。
以来、場面で使い分けながら楽しんでいる。
写真には撮れない景色
再現したくてもできないもの。
それを共有できるのも言葉だと思う。
夜の街明かりを眺めるのが、すき。
真っ直ぐに夜景を見るのもすき。
水面に映る灯りを一緒に撮るのもすき。
画面越しに玉ボケになるのもすき。
でも、いちばんすきなのは、
両目の焦点をずらしてぼんやりと見た、
花火のようにふんわり広がった街明かり。
ダリアやポンポンマムのように、まあるく
小さな光が柔らかく拡散する、あの光。
イルミネーションは、電源を取っている
光特有の音がするから、ちょっとうるさい。
都会すぎると、周りも明るいからまた違う。
ベッドタウンがちょうどいい。
住宅地や商店街、最近増えてきた集合住宅の
灯りを少し遠くから、外れた焦点で見る。
ひとりだけにしか見えないけど、
だいすきな風景のひとつ。