エッセイ タンポポ
会社帰りに郵便受けを見ると小冊子が
入っていた。
僕は関心もなく、台所のテーブルに投げ
置いた。
翌朝、ご飯を食べながら
目が何かを読みたいと探す。
ふと、
目についた小冊子に目を落とす。
コラムが載っていて、
そこに、タンポポについてのうんちくが
載っていた。
二ホンタンポポである。
タンポポには、
二ホンタンポポとセイヨウタンポポの
2種類ある。これは僕も知っている。
見分け方がある。
もちろん僕は近所のタンポポの調査に
出かける。
家近くの公園のタンポポを観察すると、
つけ根の外総苞片(花の受け皿のような
緑色の部分)は
皆、外側に反り返っていた。
なるほど。
確か、二ホンタンポポは絶滅危惧種に近く、
めったに見れないと学生時代に理科で
習った記憶がある。
近所をあちこち見たけれど、
つけ根の緑色の部分は外側に反り返っていた。
僕は調査範囲を少し外に拡げる。
近所の森で二ホンタンポポを見たという
情報があったのだ。
散歩がてら、その森に急行する。
すこし前までは木がうっそうと茂って
いたのに、
木が刈られて、森というよりは広場の
ようになっていた。
森の入り口に看板が立てられていて、
読んでみると、
”ナラ枯れ”被害に遭ったらしい。
この”ナラ枯れ”は全国的に広がっている
らしく、この病に侵された木は周りに
広がるのを抑えるために切るしかない
らしい。
(ナラ枯れ被害報告になってしまうので
詳細は割愛します)
タンポポに話を戻す。
二ホンタンポポは気温が20度を超えると
花が咲かないらしい。今日の気温は22度。
こんなに日当たりが良くては咲かない
のではと思った通り、
いくら探してもタンポポは見当たらない。
あきらめきれず、
しばらく探し回ったけれど、
二ホンタンポポどころかセイヨウタンポポ
すら見つからない。
歩き回って(といっても30分くらい
ですが)、あきらめかけたとき、
森の出口付近でタンポポが咲いているのを
見つけた。
僕はさっそく花のつけ根を確認する。
外総苞片は上向きで反りかえっていない。
二ホンタンポポだ。
(あくまでも僕の観察においてです)
僕はもしかしたら初めて見たかもしれない。
茎が太く、花も大きく、黄色い色も鮮やか
に見えた。
僕の近所にもまだ二ホンタンポポは
咲いていた。
あなたの近所にも
咲いているかもしれませんね。
ちなみに二ホンタンポポは春しか
咲かないそうです。
まるで桜のようですね。
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