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Photo by
happea_nyanko
エッセイ さくら
僕の近くの公園のサクラは、
濃いピンク色がとてもきれいだ。
まだソメイヨシノは咲いてない。
ウメが咲くのと、ほぼ同じ時期に咲くサクラ。
調べたら、河津桜というらしい。
2月下旬から3月上旬にかけて咲き、
1ヶ月近く咲いてるらしい。
そういえば、毎年長く咲いてた気がする。
ソメイヨシノは咲くと、すぐに散ってしまうから、
河津桜のほうが長く見ることが出来る。
河津桜が咲いたばかりの頃は、春を告げるサクラだけに、
たくさんの通りかかる人が、スマホで写真を撮る。
でもしばらくすると、誰も見向きもしない。
主役のソメイヨシノが咲くからだ。
その堂々とした咲き誇りぶりに、
皆が、魅了される。
そして、満開を迎えると同時に、
散り始め、
観客を魅了したスターは、
舞台を去ってしまう。
同じ時期に咲くけれど、
少し脇役的な枝だれザクラ。
そして、少し遅れて咲く八重サクラ。
僕はこの八重サクラが好きだ。
歩道に沿って、何本か、八重サクラが咲く。
咲いている姿もきれいなのだけれど、
春の激しい雨に打たれて、
歩道に散る桜の花びらが地面にひろがった時、
水面に映る桜の花のように見えて、
その美しさは、言葉に出来ない。
しかも、多くの人が歩くと、
足跡でサクラの花びらがチリジリになるので、
本当に偶然にしか、見る事が出来ない。
僕はそれを1度だけ見たことがある。
そして、毎年、見たいと思うのだけど、
毎年見る事が出来ない。
今年は見る事が出来るだろうか。
楽しみである。