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失敗するって大事だなぁ
こんにちは、HAKUです。
動画&公開用型紙の制作に追われている中、久しぶりに書いたnoteが「公開設定」されていなかった。ショック!
というわけで蔵出しnote記事をお届けします。時期としては前々回の「ラウンドファスナー型レザーボックス」の動画をUPした後に書いたものです。このアイテムを作りながら感じた「失敗の大事さ」について書き綴っています。
いやー、今回の編集は結構シビレたなぁ…。その原因は何かといえば、試作段階でたくさん失敗したせいです。…意味不明ですね。
詳しくは順を追って書いてみましょう。言いたいことは、タイトルの通り「失敗するって大事だなぁ」ということです。
今回もたくさん試作をしました
毎回のことではありますが、今回も型紙を煮詰めるにあたって何度か試作を繰り返しました。今回は…都合7回かな。
試作を繰り返すと、型紙の修正からの再制作と時間もかかりますし、当然材料費もかかります。つまりコストが掛かる訳ですね。
「そんなの材料費がもったいない!」
「ひとつの作品にそんなに時間をかけるのだったら、もっと他のものを作りたい!」
という方も多いと思います。ですが、世の中よくデキているモノ。かけたコストに見合うだけのリターンもあるのです。
それは「経験」であり、その経験から生まれる「発想」「アイデア」です。
そしてたくさんの気づきがありました
今回、私が取り組んだ「レザーボックス」でも、試作を繰り返す中で様々なアイデアが生まれました。
例えばこちら。
これはコバ処理をしているシーンですが、何度目かの試作の際、「あれ?これ先に芯材を貼ってあげたほうがハリが出てコバ処理しやすいよね?」と気づきました。
そして、そこから派生して試したのがコチラ。
0.8mm厚、40cmのパーツに仮止め用の両面テープで定規を貼り付けました。目的は先に芯材を貼り付けるのと同じ。ハリがあるほうがコバの仕上げがしやすいからです。
おかげでスムースにコバの仕上げができました。
こういう事はCADの設計画面を眺めながら「うーん…」と唸っていても閃くことはないでしょう。実際に制作を行い失敗したり、もっと良い方法はないかと考えたからこそ生まれた発想ではないかな、と思います。
今回の制作ではこのようなアイデアが結構いろいろと浮かびました。それをすべて動画の中で紹介しょうと思ったら、動画の尺が40分OVER…。最終的には23分にまで尺を縮めました。その過程でかなり端折ってしまった部分もあります。
端折った部分は型紙に添付している「制作ガイド」に盛り込みました。ちょっとした「購入者特典」的な?冒頭の「たくさん失敗したから編集が大変だった」というのは、そういう事。動画の尺に収めきれないほど色々な気付きがあった、ということです。
「教室は間違うところだ」
ふと小学生の3年生頃かなぁ、学校の黒板の上に貼ってあった掲示物の文言を思い出しました。「教室は間違うところだ」。なかなかキャッチーなコピーですね。
その後も文章が続いていたと思いますが、さすがに覚えていません。ただ、間違えて当たり前!だって、そもそも分からない事・知らない事があるからこそキミたちは勉強するんだろ?!そうやって間違えながら分かることが増えていくことが成長なんだ!だから恥ずかしがらずに手を挙げて前のめりに授業を楽しもうぜ!みたいな事が書いてあったような覚えがあります。
私はどちらかと言うと引っ込み思案な方だったので、意外とこのコピーが深層心理に刺さっていたのかもしれないです。今でも覚えているくらいですから。
私は「ゆとり世代」よりも前のいわゆる「詰め込み教育世代」。何をしても揶揄されてしまいがちな教育現場ですが、いつの時代もちゃーんと良いことを教えてくれるもんです、学校って。
レザークラフトは趣味の世界ですが、同じことじゃないかな、と感じました。商売としてやられている方でしたら、失敗は許されない(というよりも失敗している時間がない)のかもしれませんが、趣味でやっているうちはむしろ「失敗するためにやっている」くらいの心持ちでいいんじゃないかな、とも思います。
私自身も今回の制作で「失敗っていいなぁ」と思いました。たくさん失敗したからこそ、「これは皆さんにシェアしたら役に立つんじゃないかな?」ということにたくさん気づけたワケですからね。
実はたくさん失敗しています
私はYouTubeをやっていますが、更新頻度がものすごく低いです。もうまもなくYouTubeを始めて2年半くらいになるのですが、今だにあがっている動画は43本…。(う、まだ50本にも届いてないのか…)
もちろん専業でやっているワケではないので仕方ない部分もあるのですが、動画が上がっていない間は何をしているかと言えば、あれこれ悩んだり失敗したりを繰り返しています。
動画だけを見ると致命的なミスもなくスムースに(?)制作をしているように見えてしまうかもしれません。でも全くそんなことは無いのです。私自身、特別不器用ではないと思いますが、かといってひときわ器用でもないですから…。
最近は動画の中やサムネイルに「本番撮影前に作った試作品」をちょっと意図的に映しています。なぜそんな事をしているかというと、「コレが出来上がる前にもたくさん失敗してるんだよ」という事を示すためです。
少し前に視聴者の方からこんな質問を頂きました。
どうしたら緻密な型紙が作れるようになりますか?
それに対して私は次のようにお答えさせていただきました。
私の場合は、何か特別なノウハウがあるわけではなく型紙が緻密になるまで試作と修正を繰り返しています。
何だか禅問答のような回答になってしまいましたが、これが現実。何も出し惜しみをしているワケではなく実際にそうなのです。私が試作品や失敗作を動画に写すようになったのは「ホラね、たくさん失敗を繰り返しているでしょ?」っと暗に示すためでもあったりします。
ちょっと写真の画質が悪いですが、今回の制作過程でも例えばこちら。
ずいぶん前に海外のサイトで購入した安い「コバ塗り機」を試したところです。これが使えたら楽だなぁと思って試してみたものの、結果は大惨敗…。色々と調整・工夫をしてみましたが、塗りムラが激しくて大失敗でした。
他にもこちら。
これは漉きが甘かったり、構造や制作の手順に問題があったために背面部分が凸凹になってしまった試作品。ちょーカッコ悪いでしょ?
動画を撮影していない間は、こうやって色々と実験をしてみたり、失敗を克服するためにアレコレ悩んだり…そんな時間を楽しんでいます。こうやってたくさん失敗をするからこそ、成長を感じられたりもします。
ちょっと手前味噌ですが、私自身最初の頃にUPしている動画にくらべて今のほうが「我ながら上達したんじゃないか!?」って思うことがあります。たくさん失敗をしてきた賜物です。
きっと「すげーなぁ」と思うような作品を作っているプロの方たちは私なんかよりももっともっと多くの失敗を経験されているのだと思います。失敗する=上達できるノビシロがあると思うとワクワクしちゃいますね。
失敗したっていいじゃない。ノビシロだもの。はくお