見出し画像

久しぶりの通勤生活で

5月から週に1回、都心部に行って仕事することになった。
ここ数年完全在宅だったので、電車で会社に出かける生活は久しぶりすぎてできるかどうか正直不安気味だ。
着ていく服に悩んだけど、とりあえず汚れや破れがなくて、ツルツルした素材の服を着て、時々しか履いていない20年ものの革靴をひっぱり出して、片道1時間半の電車旅。

5月からの業務開始準備としてPCとスマホを配布してもらい、設定や使い方を教わったり、仕事の内容を説明していただき、社内のいろんな部署や設備の使い方などこまごましたことを案内して頂いてみなさんにご挨拶。
新入りだけどフレッシュじゃなくてごめんなさいねと心の中でなんとなく謝りながら、基本年齢層高めの会社なのでみなさん落ち着いていて、あたたかい雰囲気で迎えて頂けて嬉しかった。

夕方帰宅中、出社日の晩ごはんは前日に作っておくかな~と考えながら電車を降りて改札に向かっていたら、目の不自由なおじいさんが白杖で一生懸命壁を触りながら行ったり来たりして、たくさんの人がぶつかりそうになりながらスレスレでかわして進んでいくような感じだった。

さすがにちょっと心配だったので、「どちらに行かれますか」と聞いたら、改札へ行きたいとのこと。改札口を出たところでも白杖を振り回していて人にぶつかりそうだったので、目的地を聞いたら「〇〇線に乗りたい」とのことだったので、その路線の改札口へ。

「私は別の路線なのでここまでですけど大丈夫ですか」と聞いたら、「あ」と言ってそのままのスピードであっという間に雑踏の中に消えて行った。
無事に目的地まで辿りつけるのか心配だなと後ろ髪ひかれつつ、慣れている感じもあり、きっと大丈夫なのかなと思うことにして帰り道についた。

数週間後、またそのおじいさんに同じ場所で遭遇した。今度は介助する人がついていたので、なんだかほっとした。知らない人のことを勝手に心配するのは、おせっかいかもしれないけど、オンラインでは起こりえない、日常の一コマだなとしみじみ思った。





いいなと思ったら応援しよう!