No.0036 ゲームで学んだ失うことと得ること
※約2000文字の内容の記事です。
小島秀夫さんという方がいる。現在ではコジマプロダクションを設立して2019年11月に「DEATH STRANDING」(デス・ストランディング)を発売させ、日本だけじゃなく海外にも活躍の幅を広げている方です。
以前はコナミにて今では皆さんご存じの「メタルギア」シリーズを28年にも渡って世界に出されていました。(現在は小島さんの手を離れて発売されていますが、ここではMSX版のメタルギアからメタルギアソリッドⅤファントムペインまでの小島さんが関わってきた期間をさしています)
小島さんのファンならそれだけでなく「スナッチャー」「ポリスノーツ」「Z.O.E」「ボクらの太陽」など多くの作品を輩出したと声高に叫んでいることと思います。
小島さん自体映画好きなので、それが色んな作品で影響が随所に垣間見られる所も魅力の1つでもあります。「スナッチャー」なんて小島さん自身が「ブレードランナー」に影響されて作られたそうですし、映画をご覧になられた方はニヤニヤしてプレイされた事でしょうね。
一番の代表作として上がるのは「メタルギア」シリーズ、特に長年のシリーズの作品として決定づけた「メタルギアソリッド(1998年発売)」でしょうね。自分は当時としてはアクションゲームなどは余り関心がなく、そういうゲームがあるという感じだったのですが、今さらながらに改めてゲームを見てみると「小島さんってすごい人なんだなぁ…」って感嘆しました。
・今でも通用するストーリー(特にメタルギアソリッド2のお話は今そのままの状況にあてはまります)
・映画好きならではの話の進め方や小ネタ(人によってはムービーの中にゲームがあると思われているようです。私は特に気にしなかったんですが…)
・メタを利用したゲームと現実の分離を上手く表現している。
・メタルギアソリッド~ソリッドVまでの後付けを最低限の矛盾だけにとどめて、非常に上手くまとめてられている。
・各作品に出てくる個性・魅力のあるキャラクター達
これほど長くゲーム作品のシリーズが続いてるのは思いつくあたりざっとですと、国内では「スーパーマリオ」「ゼルダの伝説」「ドンキーコング」「ファイナルファンタジー」「ソニック・ザ・ヘッジホック」「探偵神宮寺三郎」くらいでしょうか?やっぱり数えるくらいしかありませんねぇ…。
物語の根幹になるのは最初のメタルギアで対立関係にあったソリッド・スネークとビッグボス(ネイキッド・スネーク)の2人になるでしょう。ビッグボスはソリッド3と5で主人公を務めましたし。
改めてこの二人の関係を見ると、生き方がそもそも正反対なんだなぁと。ソリッド・スネークは傷つき失いながらも必死にあがいて生を得て、わずかな希望を見いだしていく物語。大してビッグボスはただひたすらに大切なモノが失われ、師の思想から違った生き方をせざるを得なかった上に、ビックボス自身が何かを得た事はわずかしかない物語。
ソリッドは親友を失いながらも新たな親友を得たり、ヒロインを得て自分が持っていた唯一の生以外の生と希望を見いだし(親友のオタコンも父のヒューイと違って失いつつも歪んだりせずに前を向いて進むことをやめなかったですし)。自分の死の直前までずっと任務のために戦士として全うした。
方やビッグボスは師を、自分の最初の仲間の兵士を、国境なき軍隊の皆を、自分の身体の一部を失い、親友達とも仲違いになってバラバラに(これが結果的にメタルギアソリッドの話として長く続くことになるのですが)、最後には自分の送り込んだソリッド・スネークにアウターヘブンにて自分の半身を、ザンジバーランドで自らの肉体・意思を失うことになります。
この二人はメタルギアソリッド4のお話で最後の最後で腹を割って話したというか、親子関係として和解したというか、ソリッド・スネークにわずかな余生に希望を残して終わりになりました。
4は作品としては小島さんがメタルギアからプレーしてくれたファンへのプレゼントみたいな感じで作ったのかなぁと私は思っています。小島さんがそういうのもしっかりと分けて作品を作っていったのかと思うと本当に驚きを得ませんね。
最近ではゲーム障害・ゲーム脳の関係でゲーム時間を規制する動きも出てきていますが、ゲームにはゲームでしか経験し得ないプラスの影響があると私は感じます。(とはいえ生死に関わる事態になるまでのゲームプレイは論外ですが)
少なくとも自分はこの二人のゲームでの活躍に今更ながら少なからず影響を受けていますから…生き方、規範で学ぶ事が多かったです。
現実世界で日本国内でこのゲームの事をするのは無理ですが、それで学んだことを活かす事はできるのでこれから出来れば…いいですね。欲を言えばもう少しだけ希望が欲しいところ…w