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エンジニア向けのコーチングサービスを1年間運営してみての振り返り(2022)

運営しているサービス

TECH FOR YOUというソフトウェアエンジニア向けのパーソナルコーチングサービスを2022年の1月から運営し始めました。
活動して丸一年がたったため今年一年の振り返りを簡単にまとめてみます。

このサービスの特徴としては、『プログラミングや技術的なことを教えるサービスではない』という点があります。

基本としてマンツーマンのコーチングセッションを通じて、クライアントの目標達成のためのサポート、ソフトウェア開発における考え方、より良い仕事をする、キャリア形成のためのサポートなどを行っています。

なぜこのサービスを始めたのか?

以前より『自分の持っている知見を誰かに伝えていきたい』という気持ちから、メインのソフトウェア開発と並行して、細々と人にプログラミングを教える講師業やメンタリングの仕事をしてきました。

しかし、活動のなか、自分にとって本当にやりたいことが「教える事」なのか?という疑問がどこかにあり、2022年始に新しいチャレンジとして、『エンジニアリング + コーチング』というテーマで新しいサービスをはじめました。

1年間でサポートした実績

2022年で契約した実績は次のとおりです。

■ 個人契約 4名
■ 法人契約 1社 (対象3名)

現在は人数でいうと7名のクライアントに対してコーチングを行っています。クライアントのエンジニア歴は、「未経験 ~ 1年未満」が多く、ほとんどの方のはじめの目標は「学生からの就職」「他業種からのキャリアチェンジ(転職)」になります。

活動時期も関係しますが、実績の一例としては1名の方が約4ヶ月の活動でプログラマの職場へ転職されました。

私は基本的にはソフトウェア開発をメインにフル稼働していて、多くの人数は受け入れることは難しい状況ではありますが、ありがたいことに定期的な申込みをいただいています。現在は、一人ずつ余裕がある範囲で順番に受け入れさせていただいている状況です。

所感

このサービスを始めるにあたり、私には検証したい一つの仮説がありました。それは『考え方や情報の取捨選択ができれば、カリキュラム(どんな道筋でどんな内容の勉強をするか)を提供しなくても自主的に成長できるのではないか?』という仮説です。
この仮説に対しては、この1年である程度は実感を得れたと感じています。

サービスの中で私がクライアントに対して、『何を勉強したら良いか?』『いつまでに何をすべきか?』といったことを指示することは基本的にありません。ですが、皆さん勉強内容や目標を自ら計画しながら確実に目標へ向かって前進できています。個々人のフィールドバックとしても、成長を実感していると言っていただけたのは嬉しい限りです。

「未経験からの転職」という一つのモデルケースにおいて実績を出せたというのも良い事例かなと思います。

私個人のコーチングの振り返りについては、まだまだ勉強が足らないことも多いなと感じていますが、今まで経験してきたエンジニアリング、マネジメントなどとは異なる新しい分野に対して、非常に学びが多く、やってよかったと感じることができました。


なぜコーチングだったのか?

前述のとおり、今までプログラミングの講師やメンタリングなどを通じてプログラミングを「教える」ということをやってきました。ですが、なんとなくそれが最適解なのか?という疑問があり、本腰を入れられなかった背景があります。

そのようななか後述するようないくつかの仮説があり、その仮説の検証のための手段としてコーチングを選択することにしました。

特定のカリキュラムによるティーチングはその人の可能性を狭めてしまわないか?

世の中には、様々な技術を安価に提供していくれているサービスやコンテンツが多く存在し、ソフトウェア開発のスキルは昔より格段に学びやすくなっています。

そんななかで、学校のように個人のスキル依存になるようなカリキュラムや勉強方針を決めてしまうのは、ユーザーの可能性を狭めてしまうのではないかという懸念を感じていました。

勉強コンテンツは豊富に存在しているので、本人がやりたい勉強方法を探すサポートをするほうが有益だと考えたのが1つ目の理由です。

問題解決を主な仕事としているソフトウェアエンジニアにおいて、最初からルートやカリキュラムが決まっているティーチングは有益なのだろうか?

ソフトウェア開発は、ソフトウェアという道具を使いますが、本質は課題点を調査し、数ある解決策から現状に適切なものを取捨選択し、計画的に実行する仕事です。

プログラミングスキルも当然ながら重要ではありますが、上記のような思考力、問題解決力、意思決定力がどこかのタイミングでは必要不可欠になってきます。

学習を始めるにあたり、まずこのあたりの重要性を知ってもらいたいという想いがあり、特定のカリキュラムに特化したものを提供するのは辞めようと決めました。

つまりは道具の使い方は優秀なコンテンツで自ら学習してもらい、考え方や道具の使い方を教えることをサービスの本質とするほうが、成長に直接貢献できると考えたということです。

セッションの内容

具体的にクライアントとのセッションでどんなことをしているか。一部を紹介します。

目標の設定と振り返り

私が話すことはこれがほぼすべてと言っても過言ではありません。

目標設定 => 実行 => 振り返り => 目標の再設定(修正) => 実行…

このサイクルについて、クライアントと一緒にともかく深堀りして、精度を高めていけるようにサポートをしています。

目標の定期的な見返しや振り返りについては、セッションの中で何度も同じ話をすることになります。日々の活動の中で目標を見返すことは思っているよりも難しく、ここにはコーチとしてのサポートが有効だと考えているからです。

このような目標 > 振り返りのフローは、ソフトウェア開発での要件定義 > 設計 > 見積もり > 開発 などのフローにも通じていると個人的には感じています。ですので、このあたりの話と絡めて話すこともあります。

意思決定

ピンとこない人もいるかもしれませんが、自分で自分の行動について意思決定することにも力をおいています。

実は会社に所属していて、意思決定を行う機会はそれほど多くありません。そのため意思決定に対して経験自体があまりない方も意外に多いのです。

エンジニアリング、キャリア計画など、成長のためには多くの意思決定が必要です。そんな意思決定において、迷いがある時にどのように意思決定するのが良いか?  後悔しない判断をするにはどのような準備が必要なのか?などセッションを通じてサポートしています。

その他ソフトウェア開発・キャリアのことなど

設計で大事なこと、見積もりで大事なこと、デバッグするためのコツ、開発組織の傾向、チームメイトとのコミュニケーションの仕方、会社選びのポイント、etc。
このようなソフトウェア関連の悩みや疑問の相談もしています。
この辺は個人によって悩みや不安も異なるため、特定のノウハウはあまりないのですが、私の今までの経験などを可能な限り全て公開して選択肢の幅を広げられるようにサポートしています。

まとめ

長くなってしましましたが、2022年のエンジニア向けコーチングについての振り返りでした。

2023年の話としては、まだこのサービスを大きく拡大していこうとは思っていません。もう少し、プロダクトの品質を見直したり、方向性を模索しようと考えています。

とはいえ基本的には可能な限りは受け入れる予定ですので、法人、個人に関わらず興味がある人は、気軽に問い合わせからいただけると幸いです。
ユーザーに価値のあるプロダクトを提供できるように引き続きがんばります。

以上、読んでいただきありがとうございました。



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