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意思決定力を鍛えよう


意思決定とは

意思決定とはなんでしょうか?Wikipediaには以下のように書かれています。

人や団体が特定の目標を達成するために、ある状況において複数の代替案から、最善の解を求めようとする人間の認知的行為である

Wikipedia

こう考えると少し大げさに聞こえるかもしれませんが、私たちは日々の行動の中で多くの意思決定を行っています。

例えば、

  • 目的地に行くための最適な乗り換えルートの選択

  • 今日の夕食に何を作るか

  • 友人と一緒に食事するレストランの選定

  • 仕事の後にジムに行くかどうか

など、些細なことを含めれば、私たちは日常的に数え切れないほどの意思決定をしているのです。

仕事において、意思決定する機会はそれほど多くない

前述のとおり、私たちは日々の生活の中で多くの意思決定を行っていますが、実際には仕事中に意思決定をしている人はそれほど多くはありません。

振り返ってみると、仕事中に「自分の意思で複数の選択肢から一つを選ぶ」という行為を日常的に行っている人は、意外と少ないのではないでしょうか。実際、経済活動において意思決定を行う人の数は限られており、それは希少価値の高い行為といえます。

一般的には、管理職や経営者、リーダーなどが意思決定の大半を担っており、多くの人は指示に従って行動しているだけということが多いのです。

意思決定は、クリエイティブなタスク

前述のとおり、意思決定というタスクはある程度重要なポジションにいる人々に集中するため、「希少価値が高い=報酬が高い仕事」と言っても過言ではありません意思決定ができる人ほど、世間的な評価も高くなりがちです。

事実として、事業活動において正しい意思決定を行うことは難易度が高く、「正しい意思決定ができること」は「事業の成功」と直結しています。そのため、意思決定というタスクは非常に「クリエイティブ」なタスクだと言えるでしょう。

意思決定の経験が少ない人は、最適な意思決定をすることは難しい

よくある話として、これまでチームメンバーとして活動していた人が、あるタイミングでリーダーや役職に昇進し、何をすべきか分からなくなって失敗してしまう、というケースがあります。

意思決定には、内容に対する経験も必要ですが、それ以上に「選択する」という行為に対して責任や根拠を持つことが求められます。その根拠を基に、数ある選択肢の中から最適なものを選び抜くことは、実は非常に難しい作業です。なぜなら、多くのケースで「どれが正解か?」を明確に判断する根拠は多くはないからです。

このような状況で最適な意思決定を行うためには、多くの試行が不可欠です。しかし、今までそのような意思決定を自分の仕事として経験してこなかった人が、突然それを求められても、すぐにできるようにはなりません。

これまでの仕事では、ただ自分が行動すれば済んでいたものが、突然、多くの選択を迫られる立場になると、焦りや不安に陥り、結果として失敗してしまうことが多いのです。

組織的な課題

組織的な課題として、意思決定の経験が少ない人は、そのポジションに到達できず、逆に意思決定の経験者には何度もチャンスが回ってくるという問題があります。

これはよく見られる構図であり、意思決定の機会が少ない環境で何年も過ごしてきた人が、突然影響の大きな決定をすることは難しいため、結果としてチャンスが巡ってこないという問題です。

たまに巡ってくるチャンスであっても、前述の通り、突如として選択を求められることで上手く結果を残せず、評価に繋がらないということも多いように思います。

シミュレーションにより、意思決定力を鍛える

それでもなんとか意思決定ができる人材になるためには、前述のように意思決定の試行回数を増やす必要があります。

そのようなときに有効なのが、「意思決定をシミュレーションする」という方法です。例えば、実際の意思決定の場で自分が決定者でない場合でも、「自分ならどう選択するか?」と考えることで、リスクなくシミュレーションが可能です。

もちろん、得られる情報や責任などに違いがあるため、完全に同じ条件とはいきませんが、こうした意思決定の予行演習を日々行うことで、いざ自分に意思決定の機会が訪れた際に何もできなくなるということを避けられると思います。

エンジニアにとって意思決定とは

私はソフトウェアエンジニアなので、エンジニアにとっての意思決定についても触れておきたいと思います。

ソフトウェアエンジニアは、他の業種と比べても意思決定の頻度が高い職種の一つだと思います。設計やアーキテクチャの意思決定、問題解決へのアプローチなど、日常的に多くの意思決定を行う機会があります。
プログラミングにおいて、「どんな変数名にするか?」なども細かく分ければ意思決定の一つであり、重要なタスクです。

また、ソフトウェア技術は非常に速いペースで進化しているため、未来を見据えた技術への投資やツールの選定といった、作業以外の上流工程でも意思決定が求められます。

前述した内容と同様に、エンジニアリングにおいても経験が浅い間は、チームの意思決定者の指示に従うことが多く、自分で何かを決めることに意識が向かないかもしれません。しかし、経験を積むにつれて、こうした意思決定を適切に行えるように、「なぜこの技術がプロダクトに採用されているのか?」や「自分だったらどのような選択をするか?」といったことを日々意識してシミュレーションすることが重要だと思います。

終わりに

意思決定は、日常生活から仕事に至るまで、私たちが常に直面する重要な行為です。しかし、その重要性や難しさを仕事の中で上手く伝えられる場面はそれほど多くないのかなと思い、記事にしてみました。

ソフトウェアエンジニアとしても、日々の仕事の中で意思決定を意識し、シミュレーションを行うことは、将来的な成功に繋がる重要なステップです。自分の判断に責任を持ち、根拠を持って選択を行うことで、よりクリエイティブで効果的な意思決定ができるようになるでしょう。

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