【短歌28首】誰だったっけ
誰だったっけ
カーテンの重なる箇所がゆれている再び肉を凍らせねむる
新聞紙ほそくこまかく八月に生まれた君へ降らせる雪だ
どうしようミロに注ぐミルクがないわたしはつよい子にはなれない
みずたまりみたいに消えた猫がいてでもカメラには写る気がする
ピノキオのこれは鼻先あたりだろうキオのあたりは棄てられるだろう
死ぬときに後悔できるように今海へ来ている友達として
いつだって君の料理はおいしくて眠気が強 烈にきてし まう
ならば聞くけどどうやって忘れたら こっちの平凡まで壊してさ
それぞれがひとりぼっちの星に住み受信と発信し続けている
一族でCO2を吐きすぎてもうすぐ温室になる屋敷
「りんごではなくなしだよ」と繰り返す 時々口に運んであげる
一ケ月先に生まれただけなのに「好き」まで先に言ってくるなよ
心だけ体はなれて中国の山の大きな月を見ている
泣きながら燕の子安貝なんて持ってくるから愛してしまう
ベルトコンベアの誤作動 逆走を始めた体内のビッグマック
吸収性◎のタオルになるまでのきみと一緒に過ごした期間
電気屋のテレビにぼくが映り込む 嬉しくなって何度も通る
「世紀末 いつ」とGoogleに聞いた 灯台の灯がゆっくり回る
君の住むまちに線路は続くから白いガーベラ網棚に置く
新鋭が叩かれまくって削られて円熟になるうれしいですか
美しいところで止めたはずなのに造花は生花よりも売れない
きみはそうなんだよねバームクーヘンも斜めに半分にしたりする
怒り出し切ってゴールまで駆ける俺は猿蟹合戦の栗
眉のない女(?)の人が微笑んで(?)大地(?)を背にし座っている(?)絵
疑わず強いねピーポくんの眼はもうすぐ五時のチャイムが鳴るね
上様は暴れん坊でおわします時々白き菊をくれます
親友に突然肩を抱かれてうちとは違う柔軟剤だ
コックリさん途中で抜けてそのまんまいなくなったの誰だったっけ
短歌投稿サイト うたの日 に毎日投稿しよう! と9月3日に突然思い立ち、9月いっぱい続けることができたのでまとめました。これからもつづけたいです。
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