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映画日記 世界一の美少女だったオリビア・ハッセーのこと



女優のオリビア・ハッセーが亡くなった。…女優と書いたけれど、今は俳優と書かないといけないのかもしれない…。亡くなったのは去年の12月27日、73歳だった。一説によると癌で闘病していたようだ。



オリヴィア・ハッセーというと、私が思春期の鳥羽口にいた頃、同世代に圧倒的な人気のある女優だった。

彼女が主演した『ロミオとジュリエット』は、私の世代にとっては、外国映画を見るようになった最初期に見た映画だ。その頃『ロミオとジュリエット』は、映画館でもテレビでも繰り返し上映されていた。

私も何回も見ている。同級生たちは、みんなオリビアのファンになった。私はというと、微妙だった。

ジュリエット役のオリビアは、まぎれもなく美少女だったが、なんとなく太っているように感じられたのだ。ロミオ役のレナード・ホワイティングもピンとこなかった。ジュリエットが一目ぼれするほどの美少年には見えなかったのだ。

その当時、私のイメージする美少女、美少年は、当時、なぜか読んでいた少女マンガ誌の『りぼん』が基準になっていた。りぼんのマンガに中に描かれている美少女、美少年が、私の視覚的な基準になって刷り込まれていたのだ。

もっと正確に書くと、一条ゆかりのマンガに出てくる少年、少女たちだった。

だから、オリビア・ハッセーやレナード・ホワイティングでは太すぎなのだ。少女マンガを基準に現実を評定するなど、なかなか滅茶苦茶だが、オリビア・ハッセイーには、もう少し細くいて欲しかったのだ。

それに映画の中では、レナード・ホワイティングの裸やお尻がやけに映っていて、それにも私には違和感を覚えていた。

私がもっと違和感を感じたのは、ロミオとジュリエットが、会うたびに抱き合ってキスしたりすることだった。お互いの人となりをそれほど知りもしないのに、この飛躍はなんだろうと、思ったのだ。

物語のクライマックスも私には、ピンとこなかった。命を賭けるほどお互いを必要とする理由が、私にはまるでわからなかったのだ。身も蓋もないけれど、後追い心中するなど、頭のおかしい変な人たちにしか見えなかった。

そんななので、私は『ロミオとジュリエット』には、あまり感動しなかった。



オリビア・ハッセーとレナード・ホワイティングは、この映画公開から半世紀以上たった2022年に、映画会社を相手に連名で裁判を起こしている。

映画撮影当時の二人は、理解力のないまだまだ子供で、裸のシーンも当日に強要された不同意な撮影だった、というのだ。

まだ十代の二人にとって、あの撮影はトラウマになったらしいのだ。

「#MeToo」の世界的な流れがあったとしても、この訴訟の報道は、私にはビックリだった。

二人の訴えは棄却された。棄却されなかったら、同じような訴えがたくさん出て来て、面白いことになるなと、無責任に思っていた私は、やっぱり認められなかったかとガッカリしたのだった。

二人は、その後、この映画のDVD化の時にも、同様の訴えをして、またしても棄却されている。

だから、オリビア・ハッセーは、裁判に訴えたけど、受け入れられずに、失意のまま?亡くなってしまったことになる。彼女の気持ちを誰かが受け継いでいるのだろうか?

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d105becf6f6d3bf53a780ad1d36e66c7be22ab86




私がオリビア・ハッセーにはまったのは、『サマー・タイム・キラー』という映画を見てからだ。『ロミオとジュリエット』でスターになったオリビア・ハッセーを起用した、日本で言うとアイドル映画みたいな作品だ。

クリス・ミッチャムが演じる若い殺し屋と、殺し屋に狙われたマフィアの大物の娘をオリビア・ハッセーが演じている。殺し屋が娘を誘拐して、二人が恋仲になるという、よくあるパターンの映画だ。

私はこれを見て、オリビア・ハッセーにはまってしまった。

オリビアは、非の打ちどころのない美少女だったし、相手役のクリス・ミッチャムも美青年で、『ワイルド7』のヒバちゃんなみにオートバイを乗りこなすし(例えが古すぎる……)、この二人なら恋愛映画をやっても遜色のない見てくれをしていると、納得したのだ。って、ルッキズム丸出しのひどいことを書いているなあ。


その後は、『暗闇にベルが鳴る』や『ナイル殺人事件』、『復活の日』など、オリビア・ハッセーの出演している映画があれば、映画館に足を運んだ。

日本では、布施明と結婚して、大きな話題にはなったが、知名度の割にハッセーの出演映画はずいぶんと少ない。その後のきちんとした主演作は『マザー・テレサ』くらいだろうか。

と、こんな風にファンめかしたことを書いているけれど、実は私はオリビア・ハッセーのことなど何も知らないのだ。

ハッセーが、アルゼンチン人でブエノスアイレス生まれだったと知ったのは、1998年のサッカーワールドカップ・フランス大会の絡みで、アルゼンチン代表をネットで検索していた時だ。

アルゼンチン出身の有名人として、オリビア・ハッセーの名前が出て来て、へえっと思ったのだ。

そんな程度なのだけど、でもやっぱり、私にとって世界一の美少女といえば、オリビア・ハッセーなのだ。


合掌。







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