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店主の読書「プラネタリウムのふたご」

こんばんは、ハコニト店主・タカハシです。

いしいしんじさんの小説が好きなのですが、一番好きなのが「プラネタリウムのふたご」です。
プラネタリウムも好きだし、サーカスも好きだし、兄弟モノも好きだし、熊も好きです。

店主、一人っ子なのですが、一人っ子として生きていると、どうしても実感したことがない兄弟姉妹(以降兄弟と省略)ならではの感覚ってあると思うんですよね。一人っ子として生きていては絶対考えもつかない発想とか、思いもよらない行動とか、そういうところがすごく不思議で。
一時期、兄弟のいる人を観察したり、兄弟ものの小説読んだりしていたのですが。
双子ってのは、また別ジャンルの不思議もありますよね。
他の兄弟モノとしては小川洋子さんの「ことり」も好き。

そして、この小説にはウイスキーも登場します。
このウイスキーはサーカスの熊をおとなしくさせるための「熊用ウイスキー」なので、きっと、普通に飲むようなちゃんとしたものではなく、すごく雑なウイスキーなんだろうけど。
でも、もし、今あるウイスキーのなかだったら何に近い味だろう。
って、ウイスキー飲むようになってからよく考えています。

【ジャンルを絞り込む:原料篇】

まず、何系のウイスキーなのか絞り込もう(原料篇)となった場合
・モルト系(モルト癖の強いのブレンデッドも含む)
 ・グレーン系(バーボンとかも含む)
 ・バランスのいいブレンデッドウイスキー

の3種類で絞り込むとして。
(分類が雑なのは堪忍してください)

ウイスキー飲んでなかった頃って、なんとなく、ハードボイルドなイメージのあるバーボンが「怖そうなお酒」だったので、きっと、バーボンだろう。
と思っていたのですが。

ウイスキーをちゃんと飲むようになってからは、いや、意外と、バーボンは優しい。ということに気づき。
もちろん、度数がっつり高いバーボンもありますが。
グレーンウイスキー隊は、優しいから、違う気がするんだよなー。

そして、今市販されているような、バランスのいいブレンデッドウイスキーも違うかなぁ。
飲みやすいから飲みすぎちゃうっていうのは、もちろんあると思うので、テンペルが、はまっちゃうならまだしも。熊を屈服させるには弱いと思うんですよね。(いや、熊の生態はよく知らないのですが、物語上の「熊」のイメージからして)

グレーンも、ブレンデッドも優しすぎ判定とすると。
やっぱりモルト系と、言うわけで。
自分のなかでの有力候補としてはモルトなのですが。
消去法でそうなったというより、自分の中ではモルトだろうとおもっていたので、ほかがそうじゃない理由を考えちゃったって方が強いのですが。
グレーンも捨てがたいのですが。

【ジャンルを絞り込む:風味篇】

とりあえず、モルトでしょう。として。
次はどんな香り・味わいかということを考えていこうと思うのですが。

ちょっと大げさにフレーバーホイールを持ち出してみました。

ケミカルな香りのするものは、動物が嫌がりそうなので、サリファリーとフェインティはないかなぁ。

 ・フルーティ:果実の香り
 ・フローラル:花などの芳香を感じる華やかな香り
 ・ピーティー:植物の化石になる前段階の泥炭を焚いた香り
 ・シリアル:穀物を連想させる香ばしい香り
 ・ウッディ:文字通り、木を思わせる香り
 ・スパイシー:スパイスの香り

テンペルが飲めちゃったということは、ピーティーも違うのかなぁ?とは思うのですが、飲んだ感想として「それは意外にも酒と思えない味だった。薬草を煎じて砂糖と煮詰めた、胃薬のような風味がした」とあり、ピーティーもありか。
飲みづらい薬の味じゃなくて、意外と2口3口4口と飲めちゃう味で「砂糖で煮詰めた」とあるので甘味もあるようです。
花の香りや香ばしさについての記述はないのでフローラルとシリアルはとりあえず外して。

 ・フルーティ:果実の香り
 ・ピーティー:植物の化石になる前段階の泥炭を焚いた香り
 ・ウッディ:文字通り、木を思わせる香り
 ・スパイシー:スパイスの香り

ということで。甘味の表現としても砂糖が使われているので、果実系ではないとすると、フルーティも外してもいいかもしれないです。
木っぽい香りの記述もないですが、ウッディにはバニラも含まれるので、バニラの甘み感を砂糖っぽく感じたのかも…。

・ピーティー:植物の化石になる前段階の泥炭を焚いた香り
 ・ウッディ:文字通り、木を思わせる香り
 ・スパイシー:スパイスの香り

砂糖がどこに属する甘味なのか。というところで、悩むところですが。
とりあえず、薬っぽさの表現から、安直ですが、アイラ系の中で甘みのイメージがあるもので、絞ろうかな。安直かな。

アイラモルトのウイスキーは、スコットランドのアイラ島で造られているウイスキー。アイラ島は、島の約1/4が、野草や植物などが炭化してできた「ピート」という泥炭で覆われているのが特徴で、海に囲まれたアイラ島のピートには海藻などが多く含まれているため、強いピート香に加えて、潮の香りや、薬のようなヨード香を感じられる銘柄が多いのが特徴です。

【お酒の種類を絞る】

アイラモルトの有名どころというと。

・ブナハーブン:マイルドな味わいを楽しめるシングルモルトのアイラ
ピートをほとんど炊かない製法で造られていて、アイラウイスキー特有のピート香が控えめ。
甘い香りと、バニラやフルーツの風味が特徴。
・カリラ:ボリューミーで飲みごたえ抜群
ピートが効きスモーキー。その中にシガーやハーブしそしてナッツを感じる。どちらかといえば辛口のオイリーな味。
フレッシュ、甘くフルーティで、スムーズな飲み口で、淡い麦わらの色とデリケートなバランスの味わい。ドライな味わいなので、お魚料理によく合います。
・アードベッグ:癖の強い「究極のアイラ」
アードベギャンと呼ばれるファンがいるほどにコアなファンが多い。
アードベックはクセが非常に強いく、ピート香、ヨード臭、スモーキーフレーバーが非常に強い。しかしその中に洋梨、綿飴のような甘い香りにオレンジピールや酒粕のようなフレーバーも感じる。オイリーでほろ苦く、深いコクと柑橘。そしてヨード臭。口当たりは、最初少しぴりっとした刺激があり、その後重厚感が現れ甘美な味わい。
・ラガヴーリン:「アイラの巨人」とも称されるアイラモルトの決定版
長い時間をかけてじっくりと蒸留・熟成しているのが特徴です。
ヨード・海藻・ピートのスモーキーで深みのある甘い香りを楽しめます。
マイルドで強い甘さのなかに潮やウッドの風味が感じられ、上品な後味が長く続くのも特徴。
・ラフロイグ:濃厚な風味と爽やかな磯の香りが楽しめる「アイラの王様」
爽やかなピートや磯の香りと、コクのある濃厚な味わいが特徴。バーボン樽の熟成によるバニラの甘みと、クリームのようななめらかな風味も楽しめます。海藻をイメージさせる個性的な後味が続き、余韻までしっかり堪能できるのが魅力です。
・ボウモア:上品なスモーキーフレーバーが持ち味の「アイラの女王」
スモーキーで香ばしい香りをベースに、レモンやハチミツなどのフルーティーでマイルドな香りがバランスよく溶け込んでいます。ダークチョコのようなコクを感じさせるあたたかい味わいと、繊細でエレガントな余韻を楽しめるのが魅力
・ブルックラディ ポートシャーロット:バーベキューのような心地よい煙
ピート香が豊かでスモーキーな風味を楽しめるのが特徴。
一方で、ヨード香はせず、かすかにスパイシーでオレンジのような爽やかな香りを楽しめます。味わいはまろやか。
・キルホーマン マキヤーベイ:ヘビーピートのモルトを用いているのが特徴
バーボンバレルを使った原酒をメインにブレンド。
ヨードを感じられるアイラウイスキーらしいパワフルな香りと、やわらかいフルーツのアロマを楽しめる味わい。 新鮮な柑橘にバニラの甘さ、さらにコシのあるピートスモークが口内に広がります。
・エリクサーディスティラーズ ポートアスケイグ 100プルーフ
ハイプルーフで瓶詰めされた、アルコール度数の高いアイラウイスキー。
100プルーフはアルコール度数57.1%。
薪で焼いたハムステーキのようなスモーキーな香りと、レモン・オレンジ・パインなどの果実香が特徴。力強いピートスモークの味わいに、アップルシナモン・ミルクコーヒー・チョコ・リコリスなどの風味が加わり、程よい甘みを楽しめます。蒸留所名が公表されていないシークレットアイラ。
・アイリーク(イーラッハ):気軽に楽しめるコスパの高いアイラモルト
蒸留所非公開のミステリアスなシークレットアイラ。
アイラ島のシングルモルトを使用しているのが特徴です。
本格的なスモーキーフレーバーとクールな口当たりが魅力です。


(年数表記が特にないものはフラグシップボトルになっている年代のモノを比較しています。ボトラーズや限定品は除外して、通常販売されているウイスキーの中で考えます)


味わいがクールめ、ドライめなアイリーク、カリラ、クセが控えめなブナハーブン、上品な印象が特徴のボウモアは外していいかな。

・アードベッグ:癖の強い「究極のアイラ」
・ラガヴーリン:「アイラの巨人」とも称されるアイラモルトの決定版
・ラフロイグ:濃厚な風味と爽やかな磯の香りが楽しめる「アイラの王様」
・ブルックラディ ポートシャーロット:バーベキューのような心地よい煙
・キルホーマン マキヤーベイ:ヘビーピートのモルトを用いているのが特徴
・エリクサーディスティラーズ ポートアスケイグ 100プルーフ

どちらも度数の高さがあるから捨てがたいけど…薬っぽさ(ヨード香)より、スモーキーさが強いポートシャーロットとエリクサーディスティラーズ ポートアスケイグもイメージとは違うかな。

・アードベッグ:癖の強い「究極のアイラ」
・ラガヴーリン:「アイラの巨人」とも称されるアイラモルトの決定版
・ラフロイグ:濃厚な風味と爽やかな磯の香りが楽しめる「アイラの王様」
・キルホーマン マキヤーベイ:ヘビーピートのモルトを用いているのが特徴

どのウイスキーも、薬っぽさもありつつ、甘みも感じられる特徴があるウイスキーですがキルホーマン マキヤーベイはストレートで飲むとアルコールの刺激を結構感じるので、お酒普段飲まない人はお酒っぽさを感じてひるんでしまうかも。

・アードベッグ:癖の強い「究極のアイラ」
・ラガヴーリン:「アイラの巨人」とも称されるアイラモルトの決定版
・ラフロイグ:濃厚な風味と爽やかな磯の香りが楽しめる「アイラの王様」

ここまでくる、もう、それぞれそれっぽくて選びきれませんが。
ラフロイグは薬草を煮詰めた胃薬感はあるのですが、熊を屈服させるには味のインパクトがさわやかすぎるような…。別に、味のインパクトで勝負してるわけじゃないんですが。
ウイスキー評論家のマイケル・ジャクソンさんに「熊の抱擁」と評されたラガヴーリンも捨てがたいのですが…味わいのクセも強くて、甘みをしっかり感じられて、アルコール度数もちょっと高め(46%)のアードベッグが、本命かな。


とか、まぁ、長々と考えていましたが、冒頭のほうでも書いた通り、熊用のウイスキーなので、市販されているものとは比較できないくらい雑なウイスキーなんでしょうけど。

「この熊用ウイスキーってどういう味なのかなぁ?」
と想像しながら、いろいろ飲み比べてしっくりくるものを探すのも、楽しいですよね。

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