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お米の味を見失わないように

何十年か振りに流行りのモノに罹った。
嘔吐、下痢、発熱。おそらく胃腸炎だろう。
病院には行かず、手持ちの薬で対処しながら3日間寝込んだ。
今は回復しつつあるけど、胃だけいつまでも元気がない。無理してお粥を食べるとゴロゴロと不満を垂らすし、何も食べずにいるとシクシクと泣き出す。
なので消化に良いものを無理せず食べ、胃薬を飲み、ゼリー飲料で栄養補給をしている。
洗濯や掃除などを休み休みやりながら、お腹が空いてくるのを待つ。

夫はまだ休職中で、私が寝込んでいる間に冷蔵庫の中身を消費期限順に料理して食べてもらった。
以前、テレビにつられて買った業務スーパーの冷凍食品も。



先日、
「これから1カ月くらいは同じものは食べられないと思う。」
と宣言して、私は私の食べられそうなもの、食べたいものを作って食卓に出すようになった。私好みの薄味で。
かぼちゃの煮物、ほうれん草のおひたし、カブと油揚げの煮物、白菜と白ネギの味噌汁。
まだ副菜しか胃が受け付けないので、夫にはメインを自分で用意してもらっている。
生姜焼き、お惣菜、味付け肉を焼いたもの。

ここ数日そうやって料理をしていると、少し楽しくなっている自分がいる。
今までは料理が嫌いで、どうやって手を抜いてやるかばかりを考えていた。
ひとり暮らしなら絶対料理はしないのに!と思っていた。
食べたくないお肉、キツイ香味野菜やスパイス、喉が渇く濃い味。ほとんど食べないのに作り続けるのが面倒くさくて仕方がなかった。
今は自分のために味を調節するのが楽しい。
夫には悪いけど、これからもずっとこのままでいこうと思っている。
きっと夫の体にも良いと思う。
メインは別のものを食べるとかでもいいよね。

胃腸炎が治って初めてお粥を食べたとき、お米の味がちゃんとしたのが良かった。今までちゃんと味わってこなかった味だった。
見失わないようにしたい。


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