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「被害届を出した日」もう15年が経っていた

I think, think, think ... there is no end.
Round and round, thinking is do not end.
Because I live my life.

15年前の性被害について被害届が1件受理された。更に15年前のもう1件の被害が相談中。また、別の1件の届け出についても受理されるのかどうか、といった現在にわたしはいる。

被害届を出したことで見えたこと

受理されたのは管轄は都内のA区。けれど、他県の小さな田舎の署にて、被害届の制作をして頂いた。
話もしっかり聞いてもらえた。

ただ、被害者支援の被害者給付金等は被害からの時間が経ちすぎていて申請できない。

それでも、確かに一歩、進んだんじゃないか。そう思えた。

届け出たのは15年前の被害


15年前(平成21年/2009年)の5月半ばの性被害で、強姦罪が強制性交等罪になる前のこと。

罪名は【強姦致傷罪】として受理された。
それは、明らかな『暴力や脅迫』を用いて性交を強いて、怪我も負わせるという罪。

私は現在に至るまでの心理的外傷を負っていることが【致傷】の枠に捉えられた。

公訴時効の延長の法改正が《令和5年(2023年)7月13日》にあった。

でも、【強姦罪】だと、法改正をしても15年間という時は既に経っていて公訴時効を迎えてしまっている。だから、【強姦罪】では被害届はもう無効となる。

けれど、【強姦致傷罪】であれば公訴時効は20年に延びたから、法改正があったおかげで処罰を含む被害届を出すことができた。

ただ、私は一度「"証拠が無い"から被害届は出せない」とその署のある男性警官2人に言われた。

その時、非常に不適切な言葉での対応をされて、あまりのショックを受けて、怒りで死んでしまおうかと思い詰めた。
3時間以上をしゃくりあげて泣きながら市内を徘徊したし、明日を迎える方法すらわからなくなった。

けど、とりあえず死なないですんで、わたしは、#9110 に苦情を入れた。
それについて、地元の署から回答も得たけど、「当該警官に聞き取りをしたがそのような発言をしていないとのこと、誤解を与えた可能性もある、今後気をつける/指導していく」が回答で、更に強い不信感を持つことになった
(#9110 にまた苦情を入れることに決めた)。

だから、改めて被害届に関しての聞き取りをしたいと警察から連絡があっても、署の回答をもらう前に二度に渡って本部に苦情を入れたことからか?と不信ばかりが募った。

前回、被害届を出したいと申し出たのは2月3日のことだ。
そのときの話。怒りのままに書いていたものは、下記にある。

被害届のための聴取


上記のときに資料として持って行った自作の印字した被害概要を読んだ刑事課の方から【重大事件】を無かったことにはできない的な説明と共に被害届を受け付けると言われた。内容が内容だから、と。

疑念はありまくり。形だけですか?と冒頭で聞いた。
何なら『××署への不信感について』という資料まで作って持参したわたしだ。

でも、その日は、署内を見渡したけれど、わたしの苦手(嫌い)な男性警官2人はいなかった。そのことに心底ほっとした。

被害の概要をまとめたものを読んでもらい、それについて更に詳しく話す形での聞き取りとなった。
聴取をされるならこの方がいいだろうと、わたしが勝手に制作した。
これは正解だった。取り留めなく話すことを防げる。

まず、ここが多くに被害者にとっての大きな負担である。
私は感情や感覚が麻痺していて、自身のトラウマに関しては全くツライがない。直接的な卑猥に聞こえる単語が大嫌いなだけで、それさえ避ければいくらでも話せる。
笑いながら話すことも多いから、誤解されがち。何なら、冗談を交えて面白おかしくだって話せる。

大丈夫ですか。体調が悪くなったら遠慮なく言ってください。
この配慮は有難いものだと思う。被害内容を詳しく詳しく話すことは大抵の人は苦痛すぎることだろうから。
性被害の被害届を出すときにおススメしたいのは、被害届を出すことを性被害のホットライン #8103 (はーとさん)や、地元を管轄するワンストップセンターに前もって相談し、面談を重ねて資料制作などを補佐してもらうこと。そして同行してもらうこと。
署によって違うらしいけれど、ときに聴取にも同席してもらえるらしい。
ホットラインは被害届について被害の概要をまとめた資料にしてくれたり、それに基づく聴取という形にすることを手伝ってくれる(可能性がある)。それによって『被害内容を何度も話す』等の負担がぐんと減る。更に同行もお願いすることで、門前払いされることも減る。

門前払いは、実はかなり、ある……。酷いです。

わたしは自分で資料作成をしたけれど、特殊な例だと思ってほしい。
そんなことを自分でしてくる方が、たぶん特殊だと思う。

けど、もしできたら、被害に遭ってしまったときは『すぐ警察、#8103(はーとさん)に電話をしてほしい。
加害者を特定すること、処罰に持ち込むことは、被害から間がなければないほど可能性が高いから。

けど、できなくても自分を責めないで。
そういうこともあるよ。私もそうだったもん。
できなかった自分を責める必要はないよ。
できた人は強くてすごい。
それに比べて自分はなんて弱くてダメなんだ……。
そんな風に思わないで。
今、頑張れているよ。
頑張って生きている自分をこれ以上、責めないで。
あなたは、いま、生きている。
あんなにツライことがあって、それでも生きている。
頑張れているよ。すごく、すごく頑張っているよ。

色んな都道府県の警察がサイトに載せていることで、ぜひ知ってほしい内容がある。

Q. 被害に遭ってからかなりの時間が経ちました。証拠もないですし、警察に届け出ても意味が無いですか?

A. 証拠が無いと、捜査を進めることや裁判にかけることが難しいことがあります。
ですが、届け出る意味が無い、ということは決してありません。
性犯罪は、同じ犯人が繰り返し事件を起こすことが多い犯罪です。
あなたが被害を届け出る事で新しい情報や証拠が発見され、犯人の捕まる可能性が高まるかもしれません。
つまり、あなたの届出が、あなたが再び被害に遭うことや、他の人が同じ犯人から被害を受けることなどを防ぐことにもつながるのです。

様々な都道府県警のサイトにある性被害者へのQ&Aより

だから、時間が経っても証拠が無くても出す意味はすごくあるよ!

とりあえず、相談をしよう


被害届、出したいと思ったら、出そう。
とりあえず、相談をしてみよう。

私は15年経って、見つからないかもしれない犯人に加害されたことを警察に届けた。
被害届が受理されたという、その事実は「自分は酷いことをされた」と認めてもらえたと感じられた。

わたしは、処罰感情というものがよくわからない。

けど「わたしは傷ついています」と届け出て、それが公的機関に認められることは、大きなことだった。

Twitterをはじめて、そこで性被害の当事者として発信しているわたしが「被害届を出せなかった」と言ったとき、性被害を軽視している男性の何人かが「被害届を出していないということは加害事実も無いということだ」と言ってきた。
悲しかった。すごく、すごく悲しかったし、悔しかった。
その上に、あるもん!本当だもん!というような反論しかできなかった。

わたしの中には圧倒的な加害事実が在りながら、社会では無いとされていることは事実かもしれない……。
でも、今日からは彼らからも「ハココに性加害事実は在った」と認めてもらえるのかもしれない?なんてほんの少しだけ過った。

悲しいことに、被害届を『出した被害者』と『出していない被害者』では社会の扱いがあまりにも違うのだ。

被害届を出したのは自分のため


でも、一番は自分のためだ。

現在は親告罪ではなくなったから『被害届の受理』は即ち『告訴』になるらしい。

けれど、その後、わたしの場合はすぐには進まないだろうと予想している。
もしかしたら全く進まないかもしれない。

それでも『被害届が受理された』という事実が存在することは『被害者の心身にとってある種の回復』であることを実感したのだ。

わたしは、自分の中の処罰感情が本当に分からない。
けど、他の被害者を増やしたくない。相手はもしかしたら他にも被害者を生み出していたかもしれない輩でもあった。
そして「わたしは傷ついている」を可視化できたことが、本当に大きなことだった。

わたしは自分が傷ついているのかどうかすらがさっぱりわからない。
周囲にはそうだと指摘されるけど、本当にわからない。
でも『被害届』を出すための行動をして形になったとき、『傷』を感じた気がした。

傷ついていることに気づく事ができないわたしは、傷つきが怒りや攻撃性に変ってしまったりする。
現在のわたしは、いつも「納得できない!」と怒ってばっかりいる。
苦しみも悲しみもツライも全部「怒り」になっているのかもしれないって、自己分析で思ったりする。

けど、被害届が受理されたとき、被害はほんの少しだけ過去の事実になった。

でも……。後戻りもできない、事実にしてしまった。そうも思った。
ああ、わたしはあれらを「事実」にするんだ……って。

何も変わらない。加害者が見つからなきゃ自分のレイプ動画探しも続くし、わたしの心理で変わった部分はほんの少しだけだ。

でも、わたしはこの変化を好意的に感じた。ずっとその場で足踏みしていたけど、1mmくらい進んだかもしれないって。

性犯罪の法律について(参考程度に)


残念な事実として、【強制性交等(強姦)罪】【準強制性交等(準強姦)罪】【監護者性交等罪】は《令和5年(2023年)7月13日》の前に15年を迎えてしまっていたら公訴は出来ません。

でも【強制性交等致傷(強姦致傷)罪】は被害から20年が経っていなければ今も届けは間に合います。

そして【致傷】には『PTSD(心的外傷ストレス障害)』の診断も含まれます!

さらに【不同意(強制)わいせつ】【監護者わいせつ】も被害時から12年経つまで公訴時効が延びました。

(ちなみに【強制性交等致死(強姦致死)罪】の公訴時効は発生から30年です)。

被害届を出す際に注意しなければならないのは、被害発生時の罪名での届けになること。

現在の【不同意性交等罪】
→【強制性交等(強姦)罪】【強制性交等(準強姦)罪】
現在の【不同意性交等致傷罪】
→【強制性交等(強姦)致傷罪】
といった具合に、法改正の《令和5年(2023年)7月13日》を境に罪名や成立要件が変わってしまう。

現法では【不同意性交等罪】と迷う必要もない事例も【強制性交等(強姦)罪】や【準強制性交等(準強姦)罪】の時期《令和5年(2023年)7月13日》以前に発生したものは【不同意性交等罪】は適用されません!

この事実、非常に心苦しい思いです……。

さらに【強制性交等罪】なら『暴行や脅迫』が明白なものであることが必要で、心理的な背景を考慮した判断は難しいらしい……。

【準強制性交等(準強姦)罪】は『心神喪失/抗拒不能』にする/乗じるものであって『精神的な疾患/知的能力の問題』または『薬物/お酒の影響』で抵抗不可能であることが成立条件でいわゆる『性被害時の5F反応』はこれに含まれないらしい……。

す、すごくハードルが高い……!!

そりゃあ、改正されるべき法律だよ!って思いました。

でも、被害届が無理だったとしても、それでも被害を警察に相談することは可能です。
少なくともホットラインはいつでも相談を受け付けてくれるし、被害者支援は被害届が絶対条件ではないと警察の被害者相談室にも言われたから、諦めないでほしいです。

犯罪被害者支援のカウンセリングを、もし私が受けることができていたら、ここまでトラウマは拗れなかったかもしれない……。
被害届を出すことをしていたら、そこで一旦区切りをつけることができて、トラウマも拗れなかったかもしれない……と思う。
タラレバだけれども……。

被害を誰にも知られたくない。
被害に遭ったことを認めたくない。
こんなの大したことじゃない。
無かったことにしたい。
忘れたい。
報復されるかもしれないし怖い。
処罰感情がわからない……。

そうだね、難しいね……。

すぐに被害を届けられなくても、わたしは責めることをしない。できない。
それが最も望ましいのはわかるけど、できない気持ちをわたしはすごくわかってしまうから。
事実、わたしは様々な理由で15年も経ってから被害届を出すことになった。

でも、もし出しておけばよかったって、のちに思ったら。

相手を罰する以前に「自分が傷ついたことを知ってほしい」と思ったとか、それを可視化してみたいなと思ったとき……。

加害事実を無かったことにしたくないとか、加害者は今も普通に生活していることが憎いとか、いつになっても被害の記憶に苦しむことになってしまう、この犯罪被害に。
もし、いまからでも被害を届けたいという気持ちが湧いたのなら。

もし、公訴時効を過ぎていなかったなら、被害届を出すことを考えてみてほしい。

もちろん(と言わなくてはいけないのが本当に悲しいけれど)、なぜ、今になっての届け出なのか?という質問をされる。

でも、なんだかしらないけど「被害届を出すのに必要な質問」らしい。

それにはもう、正直に「許せないから」とか、「ようやく出したいと思えた」とか、「ようやく出すことが出来るようになった」とか、答えればいい。
そうとしか言えないよね。だって、それが事実なんだもん。

何度も言うけれど、わたしは処罰感情が未だにわからない。
15年間、苦しみ続けていて、ようやく出そうと決めたことには様々な要因が重なっている。

元ジャニーズの性加害報道の過熱から精神状態が悪化したこともそうだし、公訴時効を迎えていない可能性を知ったからでもあるし、Twitterをはじめて性暴力/性犯罪に関する知識を得たこともあるし、性被害サバイバーの方とつながりを持てたこともそう。

でも、わたしが被害届を出したい最たる理由は『隠し撮りについて確認したい』からで、その動画を探し続けることが苦しいから。

だけれども、被害届という形で「わたしは傷ついている」ということを、自分の「ツライ」がわからないわたしでも「感じられる」気がしたから、出したことだけでも「良かった」と思ったりする。

15年前のもう1件の被害届は【準強制性交致傷罪】での届けられたらと思う。

別の性被害の被害届について


他にも、別件で被害届を受理してもらった。

つい最近、被害届を出すべきだったことと気づいた、数年前の性被害だ。
友人に助言をもらい『はーとさん』に相談して、被害届を出すことを決めた。

けれども、被害届を出すべきか、ずっとわからなかった。
出せるとすら思っていなかった。

15年前の被害では、自分の動画を探すためという目的もあったから、出すことにつき進んだ。
けれど、こちらは出す意義についてわからなかった。
処罰感情を抱けないから。
被害届を出すことは、事件化されたら処罰へとつながる。
処罰を望んでもいないのに、そんなことをする必要がある?って。

今まで出さないでいた理由はいろいろある。
バラしたら酷い目に遭わせると脅されたから怖かった。
お前が悪いんだからなと言われてそうなんだろうと思っていたから。
更に、わたしにとっては今まで受けた被害と比べたらかなりマイルドなもので被害届に値するとすら思えなかったから。

とりあえず、友人に言われた通り『はーとさん』に被害内容を話してみた。
はーとさんの見解では【準強制性交等罪】ではなく【強制性交等罪】に当たると言われた。

立件できるかはわからないけど、管轄に内容を通しておいてくれて、あとで電話がかかってくるようにしてもらえた。

話している内に、わたしの考えはまとまってきた。

相手に「わたしに酷いことをした」と知ってほしい。
それを知ってほしいから届け出ようと決めた。

「わたしの傷つき」と「あなたのした酷い行い」を相手に伝える方法の社会的な形が『処罰』だったり『被害届が出された事実』だったりするのだろうと思って、被害届を出すことを決めたのだ。

その被害届は聴取の結果【準強制性交等罪】になるのではないか?という感じで出すことになったのだけれど、【準強制性交等罪】であるとしたら、下記の記事にあるような『抗拒不能』がどう解釈されるのかにかかっている。

『抗拒不能』には『5F反応』の凍り付きが含まれない。現にそういった判例がずいぶんとあるのだ。

とりあえず、【準強制性交等罪】の高いハードルについてを知ってほしい。

下記の記事は、戦い抜き、勝訴した例である。

【強制性交等罪】及び【準強制性交等罪】について、少し調べただけでわかることだが【不同意性交等罪】への法改正は絶対に必要なものだった。

今までの性犯罪の法律では"ほとんど"の性被害が無罪にできてしまっただろうから。
凍り付き、抵抗できなかったことは、抵抗しなかっただけで『同意』とみなされる。

【不同意性交等罪】は『性的同意』を広める上で絶妙なネーミングに感じる。
が、内心で同意していないだけで後出しジャンケンをされる!と、一部の?男性は恐れているようだった。
そんな男性諸君は真っ当な性的同意を取ることに自信がなく、その場では同意をしても後から覆すような女性としか交際していないのだろう。

自身が被害届を出すという形で性犯罪の法律と向かい合ってみたところでも【不同意性交等罪】での『不同意』に関する見解なのだけれども。
主に性被害時の『5F反応』を指すものだと想定されているのだと感じた。
そして更に、同意のない性交全てを包括的に指すもので、【強制性交等罪】や【準強制性交等罪】があまりに現実に即していないためのものだった。

一部の?男性はあまりに性犯罪の現実を知らなすぎる。
そして、あまりに性暴力を軽視しすぎで、あまりに女性を誤解し、憎みすぎている。

性犯罪が『魂の殺人』と呼ばれる所以は、殺されたものの実態が見えない事もだと考えるが、本来は、その後の人生にまで大きな影響を与えることにも起因する。

わたしは性被害に遭ったことで、思考や感情や感覚や、そういったものが大きく変わってしまった。変えられてしまった。その影響が『魂の殺人』にあたるのだ。

自身を大切にできない。大切に値するとは思えない。自分は被虐されるに相応しいとすら考えるようになった。

更に、わたしが投稿した性被害後の迎合については「あり得ない」と笑われた。まとめサイトまで作られて、盛大に「あり得ない女さん」として拡散して頂くことに(5ちゃんでも少し話題にされた)なった。

性被害者のその後、魂が殺されたあとの人生。
普通の人から「あり得ない」と笑われる心理になり、それに基づく言動や行動をするようになるなら、まさに、魂が心が、殺された状態と言えるのではないか。
普通ならあり得ないことをするようにされる。
それが、性被害に遭うということだ。

処罰感情を抱けないことは、よくあることだとわたしは思う。
性被害であるから余計に。

わたしは幾度となく被害に遭っていて、この程度で?って思っていた。
それに相手とは二度と関わりたくないと思っていた。
けど、はーとさんに相談をしていて気づいた。

「あなたがしたことはとても酷いことです」

そう相手に理解してもらいたい。いま、わたしはそう思っている。
報復があったりするのか?なんて怯えつつ、それでも知ってください、と。

性加害なんて大したことじゃない。
そう言っている一部の?男性にはわからないだろう。

どんなに泣いたか。
どんなに苦しいか。
気持ち悪いと体を掻き毟って、引っ掻いて。
腕を切って。
泣き喚いて錯乱と失神を繰り返して。

いまはもう、普段は泣くことすらできない。
ツライってなんだっけ?
どーでもーや……。
でも、憎い!憎い!……。
しにたいな、後の事なんてどーでもいー、しんじゃいたい。
混沌としていて無でもある自分をどうにもできない。

不同意でしかなかった。
わたしはなんども嫌だと告げた。嫌だと抵抗した。
けど、部屋から出ることも叶わないから。
生きて帰りたいから、諦めた。
けど、これは同意じゃない。
諦めて応じることは、同意ではない。
力の差や、抵抗しても敵わないことを知っているから。
命を守るために、尊厳を諦めたんだよ。
ダメージを最小限にしたいって、思ったりしながら。
何事もなかったように帰りたい。
こんなことは起きていないって思っていられる未来に行こうとした。

でも、わたしの中から、起きた事実は無くならなかった。

もし、事件化したら相手は社会的にも死にますか?
相手はただの一般人ですけど、きっと社会的に死ぬのでしょうね。
わたしはもともと社会的に生きていません。
ずっと殺されたままにいます。
わたしは、もし被害届を出すことができたら、ほんの少しの救いを見る。
相手が罰せられるなら、ほんの少しの救いを知る。
わたしは責められることは無かったとわかるかもしれない。
社会のためには会社で働いているその人を、働かせ続けることが利益だと言う人もいるでしょう。
わたしの心がほんの少し救われたところで、社会に還元される金銭はありません。
けど、わたしの被害届がもし通るなら、わたしの被害がもし罰せられたりするものなら、同じような状況にいる人に伝えられる。

「あなたの苦しみは犯罪という人権侵害のせいです」

証拠は、わたしの記憶や相手と交わしたメール。
そして相手への聴取で、何かが判断されるでしょう。
どうなるかはわかりません。

でも。

「わたしがこんなに苦しんでいることを知ってください」

そのために被害届を出したいと思った。

被害届を出すことに必要なのは処罰感情だと思っていた。
処罰感情がわからないから、無いのかもしれないから、わたしには出せないと思っていた。
けど、あなたがしたことは、とてもとても、とーっても酷いことですよ。
それを相手に伝えたい。
わたしはそのために被害を警察に報告した。

自分勝手だと罵られても構わない。
先に勝手を働いたのは相手です。

「抗拒不能」について


でも、【強制性交等罪】と【準強制性交等罪】の違いで悩んでいる。

【準強制性交等】に性虐待の被害者心理が『抗拒不能』に当たらないとされた判例がある。

『抗拒不能』について調べると『意識があり意思の形成が可能』であることは、抗拒不能に当たらないという説がある。
上記に例として出した記事は勝訴の例だが、敗訴の例の方がずっと多いのだ。

その多くが『抵抗の余地が残されていた』が理由に挙げられている(わたしにはそう読める)。

逆に【強制性交等罪】の『暴行や脅迫』については「著しく抵抗が困難にさせる」ことであり、その強度には『被害者の心理(今までの経験等)』が考慮される部分もあるという説もあるのだ。

つまりは『客観的には軽度の暴行脅迫』であっても、『被害者にとっては抵抗が著しく困難である』状況に追い込まれたのなら、それと認められるのではないか?

わたしの被害を【強制性交等罪】か【準強制性交等罪】かで考えるなら、もしかして【強制性交等罪】の方なのではないか?
(はーとさんに最初に連絡したときもそう言われたし)。

わたしは幾度も性被害に遭っていた。
その過程で学んでしまった、耐えること。
過度な抵抗は危険であること。

かつて、相手から消えるように迫られたことのあるわたしには、相手への『恐怖』がずっとあったこと。

被害届は、一応、警察の判断で【準強制性交等罪】で出すことになったが、どうにもわたしには【強制性交等罪】の方が相応しいと感じる。

余談。
ちなみに、聴取のとき、罪名はどっちだろうか?と警察も悩んでしまっていた。
スマホで検索をして、こうではないか?ああではないか?とわたしも含めた皆で頭を抱えていた。
便利な時代ではあるが、不思議な光景だった。
現在であるなら【不同意性交罪】であり、迷う必要もないし、被害届の受理になんの問題もないのに……と女性警官がぼやいていたのが印象的だった。

平日に、例えば明日になったら、管轄の署に電話しようかな、と考え中だ。
このことを相談したい。

【準強制性交等罪】の『抗拒不能』より『暴行・脅迫』の方が妥当に感じるから。
【準強制性交等罪】での判例を読めば読むほどそう思う。

かつての性犯罪の成立要件はザルだ。

『抗拒不能』は『抵抗ができない』ことではない。
冗談だろ?と言いたい。

法改正はされるべくしてされた、のだ。

それでも、
部屋が施錠されていた。
周囲に人影が一切ないような環境だった。
体格差があった。
など、抵抗が困難になると認められるような理由があれば、『暴力や脅迫が用いられた』と解釈される可能性はあるという弁護士の解説があった。

現在のわたしは被害届か出されていることを知らされた相手が何をどうするのだろうと、弁護士のサイトをまわっている。

参考人として呼び出される。そして、容疑者になる、起訴されたら被告はどう扱われるのか。
勾留期間、供述、否認、示談……。
弁護士が加害者とされた人にしてあげること、実際に裁判になったなら……。
まだ決まってもいないことを、怖いからと調べている。

示談について、被害者側のメリット・デメリットを掲載してくれている弁護士事務所のサイトもあった。

『メリット』は
必ず受け取れる金銭。
裁判で消耗しなくて済む。
条件を盛り込めること(接近禁止等)。

『デメリット』は
罪が軽くなる(無罪になる可能性も)。
被害者は形式的に加害者を『許した』ということになる。

無論、許すつもりはない。だから被害届を出したのだ。

けれど、示談に盛り込める条件とやらに惹かれてしまう
今後一切の関わりをしない、接近禁止等、それがあったらどんなに安心できることだろう。
端金でも私にとっては大金だ。足許を見られるようで気分は悪いのだが。

許さない、許せない気持ちと、それらはどうやって折り合いを付けるのだろう。
示談というのはなかなか苦しいものなのだなと知った。

でも、わたしの場合、まだ事件化すらしていない。
それでも持ち前の空想力、想像力の高さで、様々に不安が募る。
報復はあるのだろうか。相手は現在の生活はどうなっているのか。
生存していることだけは知っている。

わたしは相手にどのような関係だと思われていたのだろうか。
相手にもし、現在は結婚をして家庭があるとしたら、わたしはそれを壊すことを良しとできるのだろうか?
わたしの、許さない、許せない、この思いと、その時は、どうやって折り合いをつけたらいいのだろうか。
その時、わたしが許さないを貫いたら、誰に恨まれるのだろうか。

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