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ナースのお仕事 その1~訪問入浴~

白衣の天使なんてそうそういないことは、
世の中の人達も理解してきてくれていると思うが、
たくさん給料もらってそう…とか、どこででも働けていいね…とか、
そんなイメージはまだ根強いのかなと思う。
あくまでも自分が経験した中で、出会ってきた中で、
実際はこんな感じ~というのを紹介してみたい。
今後職場を選ぶ人や、目指してみようと思う方への、
ちょっとした情報にもなってくれたらと。。。

今回は、新規で始めた「訪問入浴」の世界。
年明けから新しい職場にきて一週間。
やっと一息つけた週末。始めたばかりだからこそ、
新鮮な目で伝えてみたい。

訪問入浴とは、自宅で入浴ができなくなった方に
組み立て式の浴槽を持参し、その場で入浴介助を
するというもの。
ボイラー搭載のワゴン車からお湯を引っ張り、
寝たまま、シャンプーから好みの入浴剤を入れた
温度設定のできるお風呂に入れる。
5階の窓からもホースを出したりできるし、
1畳もないエレベーターでも運べちゃう優れもの。
介護保険適応者や、呼吸器をつけているような子供達まで、
年齢も性別も様々。
その会社によって、受け入れ範囲距離の設定があり、
曜日や時間は調整して決めることになる。
自宅のみならず、寝たまま入れる浴槽のない施設などにも、
利用者はいるようだ。

3人1セットで一日に5~8軒訪問する。
看護師1名、介護員1名、オペレーター(介護&運転操作)1名。
それぞれがきっちり役割分担されており、流れるように行われ、
準備から後かたつけまで、滞在時間は1時間もかからない。
朝に事務所を出てから終わるまで、移動の合間の空き時間は、
コンビニの駐車場で過ごす。
その中での看護のお仕事内容としては、
入浴できるかどうかの状態確認やバイタル測定、
簡単な前後の医療処置、と、聞いていたのだが。。。


まずこの職場を選んだ理由として、
物質面では、副業を認めていたことと、日給計算だったことと、
社会保険に加入できたこと。
精神面では、その場の対応で自宅に持ち込む残業がないこと、
面接時のスタッフ対応が明るかったこと、職場がきれいだったこと。

何度か転職をしてきた中で、小規模な施設(特に介護施設とか)
を見たときに、廊下や窓が汚いとか、職員の挨拶の口調などで
何となく職場の雰囲気がわかるようになった。
あくまでも、雰囲気。
福利厚生とか、組織としてどうかなんてことは、
面接時にはわかりようがなく。

想像したように、スタッフは若い子が多いけど優しいし、
気配りもありがたく、利用者への対応も素敵だ。
前施設で精神的に追い込まれていた分、やけ酒の必要もなくなった。
だがしかし、どこにいっても人手不足は深刻な問題。

出社一日目、挨拶もそこそこに、車に乗せられ、
???のうちに利用者宅へ行き、ぶっつけ本番。
レクチャーは、その場で。
看護師の役割も、タブレットの使い方も、現場での関わり方も、
?!?!と、これか!それか?!いいのか!! なんて状況だ。
聞くと、それは看護師さんに聞かないと…と困り顔の介護員。
でも、看護師、いないじゃん。。。

自分が入社し、2台稼働の時は、先輩Nsとそれぞれ乗り込み、
1台稼働の時は、どちらかが出社だから、一人しか出社しない。
二日目の勤務時は、一人勤務。
初日の帰設後、なんとかマニュアルをもらって読みあさったので、
やっぱり連れ去られるように乗り込んだ車の中で、
初日でわからなかったことと照らし合わせて、色々質問すると、
マニュアルが古くて様式が違っていたりするんだこれが。

もちろん、流れるような手順をマスターするために、
看護師以外は、入社後に研修も同行実習もある。
だからこそ、あたふたしている様子を気取られないよう
内心青ざめている自分でも、フォローしてもらえるのだ。
初めて見るもの、初めてのやり方、
すごいなぁと感動する暇もなく、抱え上げての移動介助、
入浴中の洗体、入浴前後の着脱介助、
前後のバイタル測定から全身状態の把握、
簡単な医療処置や家族からの相談なんかも、
すべてこなさなければならない。
たまたま、自分は訪問看護の経験があり、
応用できる部分はあったけど、それでも、だからこそ、
何をどこまでするのかの判断が、曖昧となってしまう。

もしも、外来経験しかないとか、しばらくブランクがあったとか、
そんな再就職先だったとしたなら、かなりしんどいかもしれないなぁ。
(あくまでもこの施設の話。よそは研修あるかもね)
その場での判断や行動も、やっていい範囲があるから、
実際手を出す出さないは別として、まずは判断できること。
そして、初対面の方ともお話ができること。
簡単なタブレット操作ができること、などが、求められるかも。
せっかく入るお風呂だもの。
リラックスしてもらいたい。
相手も緊張するのだから、緊張をほぐす会話は大事かと思う。
在宅看護の必要スキルに、コミュニケーションの力は必須だと、
自分は考えている。


急がねばならないし、その日渡されたNs鞄は、車の中で何が入っているのか速効確認するため何度も手を突っ込み、
痣はできるわ、爪は割れるは、擦りむいて流血するわ、
長時間車の中で腰は痛いわ、
肉体的には慣れるまでハードかも。
三日目には契約時の書類も書くことになり、
誰か仕組みを説明してくれ~と思うけど、やるしかない。
しみじみと、介護福祉施設における人手不足を実感。
国をあげて、なんとかしなければ、日本の未来が危ぶまれる。

そして、日給を、時給に換算すると…¥1300ほどか。
高いか安いか、地域によっても格差はあるだろうし、
看護師は本当にバイタルをとるくらいで、移動や介助も
ほぼないところもあるらしいから、そこは、考え方かな。
面接時には、具体的に説明を聞いた方が良いでしょう。
そして、看護体制や、その日同業者がいるなら話を聞かせて
もらうとか、できたらいいですねぇ。

「やりかた?YouTube見てくれたら訪問紹介してるから!大丈夫!」
…なんて、職場長に言われましてもねぇ(^^;)

一週間ぶりに開いたパソコンの、キーボードをたたく指はまだ痛いけど、
「お風呂、気持ちいいよ」と笑顔になってくれる利用者に元気をもらい、
慣れるまで、頑張ろう!
手荒れがひどい介護員達のためにも、スタッフが増えてくれることを
祈って。。。



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