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法定相続情報一覧図とは?

相続手続を行うときは、亡くなられた方の戸籍謄本を生まれたときまで遡って全部取り寄せ、関係先に提出しなければならない場面があります。しかし、それを手続のたびごとに行うのは、時間もお金もかかります。

そこで今回は、集めた戸籍謄本をもとに、家系図のようにまとめたものである法定相続情報一覧図についてご一緒に見てきましょう。


法定相続情報一覧図とは?

法定相続情報一覧図とは、亡くなられた方(被相続人)と家族の関係を家系図のように一覧図にし、法定相続人が誰であるかを法務局の登記官が証明したものです(法定相続情報証明制度)。

法定相続情報一覧図の例
出典:法務省

法定相続情報一覧図を作成すると?

次の相続手続をするとき、戸籍謄本の束の代わりに登記官認証済の法定相続情報一覧図を提出することができます。

  • 不動産の相続登記(法務局)

  • 自動車の名義変更(陸運支局)

  • 相続税の申告(税務署)

  • 年金の手続き(年金事務所)

  • 預貯金の手続き(銀行・ゆうちょ銀行)

  • 生命保険の手続き(保険会社)

ただし、金融機関や保険会社などのなかには、法定相続情報一覧図に対応していないところもあるので、注意が必要です。

作成の流れは?

STEP1 必要書類を準備

【必ず用意する書類】

  • 被相続人(故人)の生まれてから亡くなるまでの全部の戸籍謄本・除籍謄本

  • 被相続人の住民票の除票

  • 相続人全員の現在の戸籍謄本または抄本

  • 申出人(相続人を代表して手続きをする人)の本人確認書類(コピーを提出する場合は申出人本人の原本証明つき)

【必要に応じて用意する書類】

  • 被相続人の親の戸籍謄本・除籍謄本(兄弟姉妹が相続人になる場合)

  • 相続人の住民票の写し(一覧図に相続人の現住所を載せる場合)

  • 被相続人の戸籍の附票(住民票の除票が取得できない場合)

  • 委任状(代理人が申出する場合)など

STEP2 法定相続情報一覧図を作成

法務局の「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」のページを参考に、取り寄せた戸籍謄本などを確認しながら作成します。

STEP3 管轄の法務局で交付手続

申出書、法定相続情報一覧図、必要書類を持って、次のいずれかの地を管轄する法務局に出向いて手続をします。

  • 被相続人の死亡時の本籍地

  • 被相続人の最後の住所地

  • 申出人の住所地

  • 被相続人名義の不動産の所在地

管轄の法務局がわからない場合は、不動産登記管轄区域を確認してください。

郵便でも手続き可能です。その場合は、上記の書類に加えて、返信用封筒(切手貼付・宛名記入)を同封します。

作成費用は?

法務局での手続は、複数枚でも無料で交付してもらえます。

市役所での戸籍謄本や住民票の写し・除票の取り寄せに、1通数百円の手数料がかかります。

再交付はできる?

法定相続情報一覧図は、申出日の翌年から5年間保存されます。この間であれば、無料で再交付を受けることができます。

再交付の手続ができるのは「申出人」となっている方のみです。申出人とならなかった他の相続人は再交付の手続ができません。

まとめ

法定相続情報一覧図を作成すると、役所や銀行などで手続をするときに、亡くなられた方の戸籍謄本の束の代わりに提出できるので、手続がすこし楽になります。

相続手続を扱っている行政書士も、依頼者様の代わりに戸籍謄本を集めて一覧図を作り、法務局に手続に行くこともできますので、お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました!^ ^