病室ドラマチック

最初なので、現状報告的に膵臓癌の話です。

さらっとカジュアルな癌の告知を受けたのが2023年の3月2日に受診した当日(ソッコー)でしたが、内視鏡による生体組織採取からの検査の結果、正式に膵臓癌の腺房細胞癌(割りとレア)ですと告知されたのか3月6日でした。
うちの近くの割りと大きな病院(だと思っていたの)ですが、「膵臓の手術は大手術になるのでうちの大きさの病院では対応出来ません。紹介状を書きますので、転院に向けて準備しましょう」という事になりました。

準備というのは、癌の治療をするために、まずは今起きてる胆管炎を抑えるということ。
膵臓が癌で肥大して胆管を圧迫して胆汁が出なくなっていて、それが肝炎の時のような症状として現れてしまっているとの事で、言われるまで気がつなかなったんだけど黄疸の症状がでていましたね。

で、まぁ、割りとこの状況はよくあるみたいで、圧迫されている胆管にステント(樹脂の管)を入れて胆汁の流れを確保するという処置がされる事になりました。
「あ、そんなに難しくも無いのかな?」と思ったのですが、これが、非常に長い長い処置のやり直しの始まりでした。

結果からいうと、内視鏡を口から突っ込まれてグリグリされる処置をこれまで7回も繰り返す事になってしまいましたわ。

最初の病院で3回、癌専門の病院で4回です。
割りと週一くらいのペース。

ということで、癌の告知をされてからもう2ヶ月近くも経つのに、癌の治療は全く始まっていないというのが今の状況なのです。
ここまで全て胆管炎の処置の繰り返しだけ。
それほど大変でした。

最初の病院で次の病院を検討している時に言われたのは、「病状から考えてなるべく早く癌の治療を初めた方が良いので、少しでも早く受け入れてくれる病院に行きましょう」という提案だったこともあり、「2ヶ月近くも経つのに癌の治療はなんもしてないけど大丈夫なんだろうか?」というのが今の気持ち。
まぁ、膵臓癌なんでそもそも大丈夫じゃ無いんですけどねw

なんかね、普通にやったら普通によくなるハズなのに、僕の場合、全然普通にいかないんですよ。

色々工夫しても、何度やってもすぐにステントが詰まってしまうし、結果、胆管炎が収まらない。

その度に高熱が出てしんどくてホント辛かったっす。

で、6回目の処置の時に、胃から肝臓に針を刺して、そこに管を通し、胆汁の逃げ道を上方向から作る事で胆管炎を抑えましょうということなりましてね、怯えました。

聞いただけで痛そうじゃない?

肝臓に刺すとか、そこから胃に繋がった管が出っぱなしとか、かなりの改造具合。

正直、嫌だわーとも思ったけど、選択の余地無いモン。

一応、同意書とかあるし、別の治療も引き続き検討出来ますとかそこには書いてあるけど、先生方がすごく検討した結果がこれなんだから、しゃーない。

で、その時に説明されたデメリットの中に、肝臓に針をぶっ刺した時に、胆汁がそこからお腹の中に漏れちゃってポンポン痛くなっちゃうかもーみたいな事があってね、嫌な予感したよねー。

的中。

こういうとこ全部拾う自分が恨めしい。

腹膜炎。

めちゃくちゃお腹痛かった。
41度もの熱が出て、やってくる看護さんそれぞれに何度も何度も意識確認されて(白目芸のピスチオパイセン的に白目むいてたらしい)、これまでの痛み止めでは効かなくて強い痛み止めを処方してもらって、それでなんとかしのいだんだけど、3日くらいマジ辛かったー。

で、腹膜炎の症状がやっと収まったかと思えばまた胆管炎。

せっかく改造して新設された体内のナイス回路をもってしても駄目っすよ。

…もうね、先生方も困ってました。


で、7回目の処置の検討をしている時に担当医から言われた言葉がドラマチック。

この担当医、勉強も出来るけど運動も出来るっすよって感じの文武両道タイプ。
医療ドラマをあまり見たこと無いので、役者で例えたら○○です!みたいにズバリ言えない自分がもどかしいんだけど、ドラマには絶対にいる兄貴肌の頼れる若い先生って感じの人。

で、その先生がね、顔を曇らせていつもよりも元気なく言うんですよ。

何度もすみません…。

〇〇(私の名字)さんの場合、これはもう、ホント教科書にも全く書かれていないような、普通ではちょっと考えられないような事がずっと起こっている状況なんです…。

かなり手強いです…。

でも、チームでしっかり検討しますので。(心配でしょうけど信じて下さい←僕にだけに聞こえた声なき声)


ドラマみたいだった。

ここは患者の僕がベッドの上で前屈マックス180度でお辞儀をして、よろしくお願いします…と言って密かに涙し、でも希望の空気が病室にあふれるシーン。

なんか、くらくらしました。

これが空気に酔うということかと思いましたわ。

そして、これは本気で心の底から「よろしくお願いします」と思いました。


けど、同時に

ホント、めんどくせーな、自分の体。
こういう特別とか全然要らないんだわ、マジで、クソが、自分。

とも思いましたけどね。


でー、この時の検討の結果に施された処置(7回目)の後、術後の経過をみて、今日、退院しました。

今度こそ、抗がん剤治療が始まるのか?
始まって!

ってトコなんです、今。

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