ツナカレーのすすめ ~ラオスにて~
「#うちのカレー」というハッシュタグを見つけた。
もう既に募集期間は終わっていたけど、この間、友人とカレーの話をしていて、思ったことがあったので、書いておこうと思う。
パクセーには、インド料理のレストランはあるので、インディアンカレーを食べることはできるのだけれど、日本にあるような、いわゆる日本の「カレーライス」を専門とした「ココイチ」のようなレストランはない。
日本食レストランもあるにはあって、ラオス人の好きなお刺身や焼き魚を食べるにはいいが、メニューにカレーライスはないし、日本食っぽい、かつ丼や豚肉の生姜焼き丼のようなメニューを出しているカフェのカレーライスは、それはそれで美味しいのだけれど、日本人が「カレー食べたいなあ」と思った時のそれとは少し違う。
ということで、「カレー食べたいなあ」と思ったら、当然、家で作るということになる。
以前は、日本食材の店に行かないとカレーのルーが買えなかったけど、最近は、パクセーのローカルのスーパーマーケットにも、バーモントカレーのルーが売っていたりして、すぐに買えるようになった。
一応、日本語でも「バーモントカレー」と書いてあって、リンゴとハチミツやカレーライスの写真は日本のと同じっぽいけど、基本的に英語表記。
裏面の作り方や原材料の表記も英語。
ただし、作られたのは日本の工場らしく、「PRODUCT OF JAPAN」と書いてある。
そのパッケージに、タイ語のシールが貼ってあって、どうやら、タイの会社が日本から輸入して、それをラオスのスーパーマーケットが更に輸入したということらしい。
2022年6月時点で、この値段。(対米ドルも対タイバーツも、kip安が進行しているので、今はもう少し高くなっているかも…)
甘口が48,000kip(≒407円)、中辛が50,000kip(≒424円)。(カッコ内の日本円換算は2022年10月現在のレート1円=118kipで計算)
なぜか、甘口の方が少し安い。
日本での販売価格に比べると、1.5倍くらい?
タイ経由で輸入してることを考えると、そんなに割高ではない気がする。
パクセー周辺に住んでいる日本人だけの購入で売り切るのは難しいと思うので、ラオス人、もしくはカレーライスを出してるカフェとかが買ってるんだろうな。
ちなみに、カレーの材料で言うと、玉ねぎ、人参はラオスの市場でも普通に売っている。
じゃがいもは、葉物や青物の野菜に比べると、売られている量や種類が少なくて、大きさも、小さ目のものが多いけど、まあ、探せば買える。
メインの肉系については、当然、日本のスーパーで「カレー用」として、いい感じの大きさにカットされたような肉は、ラオスには売っていない。
豚肉は、市場にも色々な部位が売っているし、最近はスーパーにある程度の大きさの塊肉がチルドの状態で売っていたりもするので、買ってきて、自分で切ればOK。もしくは、薄切りにスライスされて、パッキングされた冷凍のものもある。
鶏肉は、市場だと、1羽単位でしか売っていないので、自分で捌かない限りは難しい。スーパーには、タイとかで加工された、部位別の冷凍の物が売っているので、それを使えばOK。(ただし、胸肉や手羽は多くあるけど、もも肉は見かけたことがない…)
関西人の私としては、カレーと言えば牛肉なのだけれど、ラオスの牛肉は、硬いことが多く、結構煮込まないといけないし、豚肉ほどは部位とかも豊富に売っていない。なので、買うとすると、スライスされてパッキングされた冷凍のものか、輸入ものの冷凍の塊肉とかステーキ肉とか。
以前は、いわゆる工業製品などの加工食品はスーパーで、肉や野菜などの生鮮食品は市場で買うのが一般的だったけど、最近はスーパーの冷蔵・冷凍の売り場が充実してきて、袋詰めされた野菜とか、チルドや冷凍の肉類も買えるようになったので、私の場合、最近は、1~2週間に1回くらい、スーパーでまとめて買い物するというパターンが多い。
なので、カレーを作ろう!と思って買い物に行くというよりは、なんとなくカレー食べたいから作ろうかなあ、と思って作ることが多いので、自然と家にあるもので作ることになる。
玉ねぎとじゃがいもは、だいたい常備するようにしているのでOK。
人参は、私が個人的に好きではないので、入れない!
で、肉類は、冷凍庫にスライスの豚肉を小分けにして常備しているので、それを使うか、もしくは、こちらも常に欠かさないようにしているツナ缶。
日本のように牛肉、豚肉、鶏肉、さらには魚関係まで、きれいに処理されて、パッキングされて売っているという訳ではないパクセーでは、「魚」という分類で、常温保存できて、コスパも良い、ツナ缶は、使い勝手が良くて、有り難い食材。
ということで、冷凍の豚肉のストックが少ない時には、ツナ缶でカレーを作ることが多い。
こちらが、我が家のいつものツナカレー。
人参が入ってないので、彩りはいまいちだけど、その代わりに玉ねぎとじゃがいもは多めに入れる。
さらに、うちのキッチンにはエアコンが付いていないので、長時間、キッチンにいたくないという理由で、煮込みは炊飯器で。
塊の豚肉とか牛肉を使うときは、やっぱり、少し炒めたいところだけれど、薄切り肉とかツナ缶を使えば、炒めなくても、全く問題なし。
ツナ缶の場合は、水煮のものを使って、その水分も一緒に入れてしまえば、出汁としても美味しい。
なので、玉ねぎ、じゃがいも、ツナ缶を、炊飯器にドバっと全部入れて、分量より若干少なめの水を入れて(水分が飛ばないので)、あとは「Slow Cook」モードで煮込むだけ。(多分、普通の炊飯モードでもOK)
火が通ったら、ルーを加えて、少し追い炊きして、完成!
見た目がシンプルなので、物足りなさそうに見えるけど、ツナの出汁も出て、これはこれで美味しい。
私の実家では、基本的にカレーには牛肉だけど、父親がいない日の夕食とかには、たまに、ツナカレーの日もあったし(父親的には、肉がゴロっと入っているのが良かったのだろうね…)、別に物足りないとも思っていなかったので、一般的にも普通だと思っていたのだけれど。
この前、こちらの日本人と話していた時に、カレーに何を入れるかという話で、関西はやっぱり牛肉、関東は豚肉みたいな話の流れで、「うちはツナも入れるよー」、「今もツナカレー、結構作るよー」と言ったところ、「ツナ?」ってなって、「まあ、でも美味しいかもね…」的な反応で、その場にいた人は、私以外、「ツナカレー」を食べたことがなく、当然「普通」でもなかったということが判明して、若干の衝撃を受けたということがあった。
今まで、「ツナカレー」を特別、意識したこともなく、私としては、普通に作っていたのだけれど、意外と一般的ではないのか?と思ったり。
まあ、今回、聞いた人のサンプルが少ないので、何とも言えないけど、実際、どうなんだろう?
どうでもいいことだけど、ちょっと気になる、今日この頃。
ラオス、しかも首都でもなく地方に住んでいると、なかなか日本食を作る食材を手に入れるのは難しい、もしくは、すごく高価だったりして、日本で食べていたのと完全に同じものを作るのは大変だけど、無いなら無いなりに、工夫すれば、割と満足できるものが出来たりする。
代替品を考えたり、試してみたりする苦労や手間も含めて、それはそれで、楽しくて、しかも、美味しく出来たりすると、うれしくて、誰かに自慢したり、SNSにアップしたくなったりする。
カレーも、日本で流行っているらしいスパイスカレーを作るためにスパイスを揃えてとか、ルーは買わずに食材にこだわって作ったりとか、隠し味に何か入れたりとか、そんな凝ったことはできないけど、今の私には、ツナカレーが立派なごちそう。
ツナカレーなんて食べたことないという人。
日本では、わざわざ、ツナカレーにする必要はないかもしれないけど…
肉系のストックがないけどカレーを食べたい気分の時とか、たまには違う感じのカレーが食べたい時とか、ツナ缶があれば、ぜひ一度「ツナカレー」、お試しあれ。
煮込む時間も短縮されるし、味も意外と美味しくて、おすすめです!