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夫がオーダー家具を納品してきました(去年の話)

年末年始のお正月気分から、ようやく日常を取り戻し、noteを開いてみると、秋くらいから書いてはそのままにしていたnoteの記事がいくつか出てきた。埋めておいたどんぐりを見つけた気分だ。

とりあえず、2023年に夫の作ったオーダー家具を納品した時のことを投稿してみたいと思う。

私は夫の作る家具が好きなので勝手に応援している。ちなみに夫はこのnoteを書いていることは知らない。


夫は家具職人。普段は会社勤めをしているので、休日を使って家具を作るダブルワークをしている。

2023年、家の周りの田んぼの田植えが終わったころ、夫のお兄さんからの紹介で一組のご夫婦が遠方からわざわざ我が家までお越し下さった。

ご夫婦はお二人暮らしで、これからの住まい方に合わせ、夏にご自宅の大幅なリフォームを予定、今回はそのリビングに置く家具をご希望だった。

我が家に並ぶ夫の家具を見ていただき、その日はまた連絡しますと言われ帰られた。

後日メールをいただき、そこからは仮契約のような形でオンラインでの打ち合わせを繰り返した後、正式に家具の発注をいただいた。

大きな家具だったので、それから丸2ヶ月の間、夫は休日になると朝早く起きて日が暮れるまで、一日のほとんどを家具製作にあてた。

その合い間に、元気にすくすく育つ庭の草刈りをし、地域の道普請(山林の道路の維持活動)に召集され、どしゃ降りの中、息子たちに手伝ってもらって冬のための薪割りをした。

家具作りに専念したい夫だったが、次から次へとやることがあるのが山での暮らしなのだ。

酷暑の夏も終わり、朝晩涼しくなり始めた頃、ようやく大きなオーダー家具は完成した。

そしてよく晴れた秋の日に、天板やら棚やら建具やらを軽自動車いっぱいに詰め込んで、朝早く山を出発し、お客様のお家へ向かった。


都会の一等地にあるそのお家は、ご夫婦のお人柄がわかるような居心地の良い空間に趣味のいいものがさりげなく置かれていて、一目で、あぁいいお家だと実感した。

夫と私が軽自動車から家具を運び始めると、旦那様、奥様がお手伝いしましょうと言って下さって、大丈夫ですのでと遠慮申し上げると、いいですよ、と笑いながらお手伝いして下さった。(いい方々)


しかし家具のパーツを運び終えると、もはや私のすることはなく、夫がせっせと家具を組み立て始める中、私は奥様に勧められるまま、おいしいフレーバーティをいただいて、仕事だということを完全に忘れ、すっかりくつろいでいた。

旦那様はとても聞き上手で、奥様はユーモアがあって太陽のように明るい方でお二人にお会いできてよかったなぁと心から思えた。

2時間余りの夫の組み立て作業が終わり、設置完了。今回はご夫婦のご要望で、縦の格子戸が入ったので、やわらかいデザインとなり、真新しく温かい雰囲気のリビングに夫の家具はよく似合っていた。


使い手がいつまでも気持ちよく使える家具であるためにと

見えない部分まで丁寧に作ること、

メンテナンスが必要になった時、対応できるような構造であること、

そしてそれを使う家族の人数も、使う人の好みも用途も変わるから、どんなスタイルにも似合うシンプルなデザインであることを夫は大事にしている。

そして夫の家具を使い始めて20年以上経った今、私もその意味がわかるようになった。

ということで、私は納品の手伝いをするどころか、夫の家具が無事納まったところを見て、最後には旦那様自ら焙煎したコーヒーと、とびきりおいしいケーキまでご馳走になり、ただの楽しい旅行になってしまったので、夫におつかれ様と感謝の気持ちを込めて、彼の作る家具がひとりでも多くの方に届いて、長く使っていただけることをこれからも願い続けていようと思うのだ。

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