建設的な話し合いは、正確な境界線を探すことだと気づいた
前回の孟子の論破の話から派生して。
最近、話し合いのコツは、境界線を明確にすることだと気がつきました。
・オレンジを巡る姉妹の争い
昔読んだ「ハーバード流交渉術」(三笠書房)に載っていたエピソードです。
たった一言「お菓子に使う」、「食べたい」という目的を言っていれば、争う必要もなく、まるごと手に入れることができたはず。
こういうことってよくありますよね。
・話し合いは正確な境界線を見つけるためにある
話し合いをする時に「オレンジ」のまま話をすると、どちらが手に入れるかという争いになります。その結果、半分という一見公平な、しかしどちらの意見も通っていない境界線で分けることになりました。
でも、オレンジを分解して「皮」と「実」にすれば、どちらも自分の必要な部分をとった、正確な境界線で分けられます。
求めるものが細分化され、明確になるほど、話し合いは楽に進みます。
たとえば夏休みに出かけるのは海か山かという問題。単純に
「海!」
「山!」
と言っていたら、どちらかが折れるしかないですね。
そこで海・山の内容を分解することで、新たな境界線を見つけます。
たとえば、
・海に行きたい側の理由 「魚釣りをしたい」
・山に行きたい側の理由 「塩や砂で汚れるのが嫌」
だったとしたら、
「砂浜ではなく港、温泉の近く」とか「釣りができる川・湖があるところ」にすることで、どちらの意見も通すことができます。
「それは何のため?」
「いちばん大事なのは?」
「この日程を選ぶ理由は?」
など、話を細分化する質問を重ねると、かなりの部分で争う必要がなくなります。完全に一致しないとしても、争う部分は確実に小さくなる。
・話し合いができないときは
この方法はたいていの場合に有効ですが、使えないときもあります。
それは勝ち負けに拘る人、話を分解しない人との論争。
長く付き合うなら、一緒に境界線を作れる人の方がいい。
一つのことで建設的に話ができない人は、たぶん他のことでも話ができないからです。
付き合って長続きするかどうかは、意外とこういう話ができるかどうかで決まる気がしますね。
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